表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/29

19.ある日 森の中 クマさんに 出会った。 クマさん「やっぱり出会いたくなかったです」

今、週3(月、水、金)更新でしたが、リアルが12月くらいからずっと忙しいため、更新頻度が落ちます。

なんとか週1更新はしたいと思いますが、難しいかもしれません。


「来ないな…」


 冒険者ギルドの建物内でアリスを待っていた。

 30分程待ったが、アリスは来なかった。


 俺はレイさんのところでアリスを見かけたか聞いたが、見てないようだ。


 ハルに続いて、アリスもいなくなったのだろうか、そう思ってると、昨日の三人組がやってきた。


「ついに金髪の子にも捨てられたのか?」


 ハゲで無精ひげ(昨日より少し伸びている)の男がニヤニヤしながら話しかけてきた。


 俺はその男を無視する。


「あの二人もやっと自分たちが冒険者に向かないことがわかったみたいだな。 剣握るよりも竿握ってる方がお似合いだからな」


 男はハァハァと興奮したように言った。


 俺は男を睨みつけた。


「お、やる気になったか? 先手を譲ってやるよ」


 俺は無視して、入り口に向かって歩き始めた。


「4か月もGランクをやるってすげえよな。 ロクに苦労してこなかったんだろうな。 まあ、容姿は良かったからそっちで金を稼いでたんだろ」


 アリスとハルは、やっとまともなものが食べれると泣いていたことを俺は思い出した。


「床で寝なくていいもんな。 女は羨ましいぜ」


 やっとベッドで寝れると彼女たちは涙を流していた。


「い、ぶべっ」


 男は吹っ飛んだ。


「いてぇ。 おい、こいつ、手を出したぞ! 見ただろ!ギルド職員さんよぅ」


 男はレイさんの方を見る。


 レイさんは顔を振った。


「フランクのおっさん、あんたも見てただろ」


 フランクも顔を振った。


「どうやら、見えてなかったようだな」


 俺はゆっくりと近づく。


「じゃあ、誰が俺を吹っ飛ばしたんだ!!」


 フランクとレイさんは俺を見た。


 男の剣が砕け散った。


「ぉおおれの剣がぁぁあ。 1年かけて貯めて買った剣がぁぁあ」


「もう、やめてやれ」


 フランクはため息をついて、言った。


「許さねぇ。 許さねぇえぞぉお!」


 男の言葉を無視し、俺は建物から出た。





 建物から出ると、森の方から視線を感じた。

 以前、アリスとハルを見ていた奴だ。


 町を出て、森を歩くこと30分くらいだろうか、視線を感じる方へ歩き続けた。


 木で囲まれ、暗く、光が微かに差し込む場所に口元だけを隠すマスクをした男が切り株に座っていた。

 肌は白く、眼は赤色で、短髪の銀髪を立てていた。

 左目の切り傷が特徴的だった。


「アリスとハルを攫ったのはお前か?」


「そうだ」


「二人はどこにいる?」


「言えない」


 銀髪の男が立ち上がると、後ろからナイフが数本飛んできた。

 気がつくと男は消えていた。


 上と前からはナイフに、金属の破片などが大量に飛んできた。

 ナイフはともかく、破片を全て、木の棒で打ち落とすには無理があると思い、避けようとした。


 すると、糸が張り巡らせられていた。

 ご丁寧に黒色に塗られている。

 皮膚に当った瞬間に切った。


 そうか、物には気配がないなと今更ながら思った。

 特に、動いていない物を認識するのは困難だなと。


 目の前にある糸を切りつつ、ナイフと金属片を避けた。


「すげえな。純度は低いが、一応ミスリルでできた糸なんだが…」


 少し離れた木の上にいる銀髪の男は驚いたようだった。


「ミスリルってあるんだな」


「知らないのか。鉄でできた剣くらいじゃ中々切れないんだぜ」


「確かに硬いなとは思ったよ」


「本当に木の棒なのか?」


 俺は銀髪の男に向かって、木の棒を放り投げた。


「!!?」


 銀髪の男はかなり驚きつつも、木の棒を受け取った。


「本当に木の棒だな…」


 そういうと、俺に木の棒を投げ返した。

 俺は木の棒を受け取った。


 すると、一面真っ白な煙に覆われた。

 ただの煙じゃないことはわかった。

 何か薬が混ざっている。


 木の棒で、この煙を散らすほどの風圧を作ろうとすると、棒が折れるなと思った。

 だからこそ、銀髪の男はこの戦略を取ったのだろう。


 広範囲だから逃げるにしてもかなり距離を取る必要がある。

 しかし、逃げて折角の手がかりを失いたくはなかった。


 俺は立ったまま、瞑想を始めた。

 修行していたことを思い出した。

 あの頃は、心を無にすることは難しかったなと。


 完全な瞑想状態なら、10分に1回わずかな呼吸で十分だった。





「流石に、木の棒では防げないだろう」


 銀髪の男は焦っていた。

 まさか、糸を切られるとは思っていなかったからだ。


 糸は男にとって生命線だった。

 あれを軸に戦略が立てられている。


 その前提が覆されたからだ。

 とはいえ、それ以外に手がないわけではなかった。


 真っ白な煙は視界を防ぐが、それだけを目的としてなかった。

 しびれ薬を散布している。


 急に視界が防がれた混乱状態で気づくのは難しいだろう。

 なんせ、無味無臭だ。


 風魔法は人が使えることは稀だし、あの木の棒では風を起こすにしても風圧に耐えれない。


 引くならそれで構わない。

 元々、ちょっと興味を持っただけなのだから。


 白い煙が満たされてる中、男の気配は消えた。

 元々、わずかな気配を感じさせるだけだったが、完全に消えた。


 逃げたか、残念だなと銀髪の男は思った。


 充満していた煙が徐々に薄れていく。


 男は目を瞑ったまま立っていた。


 銀髪の男は驚いた。


「いるんだよな…、何も感じないぞ。幻か?」


 眼には男が映っているのに、男の気配が全くなかった。

 まるで、岩や木を見ているようだった。

 いや、岩や木ならまだ認識できるが、男の認識が難しかった。


 ゆっくりと銀髪の男は近づく。

 そこに人が本当に存在しているのか、確かめたい衝動に駆られていた。


 銀髪の男は手が届く距離まで近づいた。

 ゆっくりと手を伸ばし、男の頬を触った。

 温もりを感じた。


「やっぱり、いるんじゃないか」


 そうして、銀髪の男は気を失った。





「おい、大丈夫か!?」


 森の中で銀髪の男が言った。

 まだ、眼には傷がないようだ。


 目の前には10歳くらいの男の子だろうか手には剣を持っていた。

 虹色の変わった色の剣だった。

 周りには人、魔物の死体が転がっている。


 銀髪の男がその異様な光景を前に、一歩踏み出そうとした。

 途端に、銀髪の男は後ろに跳んだ。


 死を感じたのだった。


 左目の視界が急に悪くなった。

 触ると、血が垂れていた。


 男の子は銀髪の男を見ると、興味がなくなったのか、そのまま森の中に入っていった。


 剣神


 斬られたときに頭に浮かんだ言葉だった。

 Aランク冒険者を目指していた男が、冒険者を辞める決意した瞬間だった。




「起きたか」


「ああ、悪夢を見てたよ。 気絶する前も、後も」


 銀髪の男は眼の傷を触りながら言った。


「そうか… アリスとハルの場所を言う気になったか?」


「明日の朝、冒険者ギルドに行け」


「わかった」


 やっと、アリスとハルの手がかりを掴めた。

 俺は男をそのままにして、背を向けた。


「おい、これを持っていけ」


 銀髪の男が皮の袋を投げた。


「まだ、生活費が必要だろう」


 俺は皮の袋を受け取った。

 そういえば、クエストを受注してないから、宿代と食事代がギリギリであることを思い出した。


「ありがとう」


 そういって、俺は森から離れた。

 やっと、アリスとハルに再会できると思った。



いつも読んで頂きありがとうございます。


ブックマーク、評価をして頂けると励みになります!!


o(*'▽'*)/☆゜'・:*☆ありがと☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ