18.手がかりはありす?0です。
「来ないな」
「来ないですの」
俺とアリスはハルを待っていた。
「ハルが遅れることはよくあるのか?」
「ほとんどないですの」
冒険者ギルド内で待つこと30分。
俺はレイさんに聞くことにした。
「レイさん、ハルを見かけなかったですか?」
「いえ、今日は一度も見ていません」
レイさんはにっこりと言った。
「わかりました。ありがとうございます」
俺はアリスのところに戻った。
「どうしようか?」
すると、知らない男たち3人が絡んできた。
ついに…ついに…定番のイベントがやってきてしまった。
「ピンクの髪の嬢ちゃんは逃げたのかな?」
ハゲで、無精ひげの男が言った。
後ろ二人もニヤニヤしている。
「4か月目でまだGランクなんだよなぁ。
あの身体ならCランクってところだ」
パーティーの仲間を馬鹿にされて、流石にイラっときた。
「無視するわよ」
アリスは冷静だ。
「そうだな」
「ハルを探しに行くですの」
俺とアリスは、冒険者ギルドの建物から出た。
「やっぱ、腰抜けじゃねえか。Dランクスタートの噂は嘘だろ!!」
そう大きな声で言うのが聞こえた。
俺とアリスは一先ず、ハルの部屋に向かった。
部屋には、荷物が置いてあり、何よりハルの武器であるショートソードが置いてあった。
「流石に、荷物を置いて出て行ったりはしないよなぁ…」
「ですの」
一先ず、今まで一緒に行った場所といっても、それほどないが行って、聞いてみることにした。
しかし、皆、見ていないと言っていた。
他に、色々聞いて回ったが、誰も知らないようだ。
「もう昼か… 流石に、今日はクエストはなしかな」
「申し訳ないですの」
「仲間だからな!」
アリスは俺の顔を見ると、嬉しそうに笑った。
昼食を取っていると、噂が流れていた。
また、新人冒険者の女の子が消えた、と。
「また?それってどういうことだ?」
俺は、そう言っていた、髭面のおっさんに聞いた。
どうやら昼間から酒を飲んでるらしい。
「半年前かな、同じような事件があった」
おっさんは、神妙な顔をして言っていた。
「ただなぁ、たまーに、その冒険者に似たメイドを見るんだよ…」
「メイド?」
「お前はいつも酒ばっか飲んでるんだから、頭がイカレテるんだろ!!」
と別の冒険者が茶化した。
なんとなく、レイさんが事情を知ってるように思った。
アリスもそう感じたようだ。
「「冒険者ギルド!」」
俺とアリスはそう言うと、冒険者ギルドの建物に向かった。
「レイさん、新人冒険者の女の子が消えた事件知ってるでしょ!」
「過去にあったことは知ってるわ」
レイさんは表情を変えずに言った。
「じゃあ、ハルのことも知ってるんじゃないのか?」
「知らないわ」
そう言われれば手詰まりだった。
仮に本当に知ってても言わないだろう。
知ってたなら、最初から言ってるはずだ。
「ハルは、無事ですの??」
すると、アリスが泣きながら言った。
「多分、大丈夫よ…」
ため息をついて、レイさんは言った。
レイさんは知っている、ただ、言えない事情があるようだ。
「よかったですの…」
結局、レイさん以外に知ってそうな人はいなかった。
完全に手詰まりとなった俺とアリスは宿に戻ることにした。
少し休憩し、夕食後、解散となった。
明日は、ハルを探したいが、生活費の問題もあり、クエストを受注することに二人で決めた。
ハルが戻ってきたときに、1文無しでは笑えない、戻ってきたときに安心させるために稼ごうと。
夜中。
「ハル…どこにいるのかしら…」
「にゃ~」
窓の外に白い猫がいた。
首にはハルがつけていた、黄色い布が巻き付けられている。
アリスの腕にはピンク色の布が巻いてある。
冒険者を始めたときに、記念に買ったものだ。
互いの髪の色に近い布を買った。
「ハルの布!」
白い猫は屋根から降り、ゆっくりと歩いていく。
ツヨシに知らせる時間がない、すぐに追わなきゃですの!
そう考えると、すぐに走って、追った。
白い猫は、距離が縮まると速く走り、距離が離れるとゆっくり歩いた。
そのためか、アリスは白い猫を見失わずにすんだ。
どんどん人気のないところに行き、ついに路地に入った。
誘われていることはわかっていた、それでも引けなかった。
行き止まりまでいくと、猫は立ち止まり、振り返った。
アリスは白い猫に近づき、抱き上げた。
「やっぱり、これはハルの布ですの」
「にゃ~」
アリスの意識が消えた。
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