表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/29

13.予約おねがいしまぁぁあす

「ツヨシさんは、町に行った後はどうなさるつもりですか?」


 アリスがツインテールを揺らしながら聞いた。


「ずっと森の中にいたので、世の中について色々知ろうと思っています。 ただ、生活をしなければならないので、お金を稼がないといけないですね……」


「じゃあ、冒険者になって、私たちとパーティーを組みませんか!!?」


 ハルが笑顔で言った。


「それはとてもいい考えですわ」


 アリスも笑顔で言った。


「はい、お願いします!」


 冒険者とはどういうものか、道中聞いた。



 そして、昼過ぎに町に着いた。

 簡易な城壁に覆われている。

 端から端まで歩くとなるとかなり時間がかかりそうだった。

 思ったより大きな町で驚いた。

 町の門には門番がいるようだった。

 アリスとハルの番が終わり、俺の番になった。


 ほぼパンツ1枚のような恰好をしている俺を見ると……


「大変だったんだな…… 山賊辺りにでも襲われたのか…… 命まで奪われなくて良かったな!」

 

 と、心から心配して、言ってくれているようだった。

 そして、俺の背中を門番が強く叩いた。


 どうやら、もう行ってもいいようだ。

 町に入るのに苦労するかと思ったが、あっさり入れてしまって拍子抜けをした。


「あんなにテキトーでいいのか……」


 俺が言うと、アリスとハルも苦笑した。


 アリスとハルの案内に従い、服を買った。

 服は完全な村人仕様だ。

 ちなみにノーパンだ。

 流石に、そうだよなぁと思った。

 そして、冒険者ギルドに行くことになった。


「ずいぶんでかい建物なんだな。 町の中央にわざわざ作ったのか……」


「この町は、過去の冒険者たちの活躍によって、発展してきたからですわ」


「冒険者ギルドはこの町の誇りなの」


 二人は目をキラキラさせて言った。


 建物の中に入ると、多くの冒険者たちがいた。

 大剣、長槍、弓、杖を持ってる人たちがいた。

 何人かはこちらを見たが、すぐに元の話に戻ったようだった。


 受付が4か所ほどあり、それ以外に新規冒険者用の受付もあるようだった。

 金色の髪に、眼鏡をしており(この世界に眼鏡があることに驚いた)、知的な美人がいた。

 前世なら、まず縁がないだろうなと思った。


「あの、冒険者になりたいのですが」


「はい、新規で冒険者になる方に簡単な講習があります。 座学として、冒険者ギルドでのルール、近隣の魔物や薬草について、実技講習があります」


「誰でも冒険者になれるのですか?」


「基本的にはなれますが、あまりにも適性がない方には冒険者にならないよう伝えます」


 ちらっと、アリスとハルを受付の女性は見た。


「言われた方は冒険者になれないのですか?」


「いえ、強制力があるものではないです。 意志が固い方はそのまま冒険者になりますが、多くは亡くなられます」


「怖いですね。 わかりました、講習の予約をお願いいたします」


「明日の朝からの講習が一番早いですが、いかがですか?」


「お願いします」


「後、宿泊先の紹介はして頂けますか?」


「冒険者ギルド運営の宿があります。 部屋自体の環境は狭く、良いとは言えないですが、格安で宿泊できますよ」


「あの、手持ちのお金が…」


「私たちが出すから大丈夫ですわ」


 アリスが言った。


「ありがとうございます!」


「仲間ですからね」


 アリスは受付の女性に向かって言った。


 なんとなく、アリスとハルの立ち位置がわかった。

 恐らく、適性がないとギルドから言われたのだろう。


 その後、アリスとハルに冒険者ギルド運営の宿(一部屋当たり人が一人寝れるくらいのスペースしかないが…)に案内してもらい、早めの夕食にすることにした。

 服に、宿代、食事代と全てアリスとハルたちが出してくれた。

 夕食は、硬いパンと肉が入ってない、薄い塩味のスープだった。

 駆け出しの冒険者は、この食事を基本的に取るようだった。


 アリスとハルは駆け出しの冒険者専用の薬草採取の仕事をしたようで、それで大体ギルドの宿代と3食の食事代(パンと何も入ってないスープだけだが…)、ほんのわずか手元に残るくらいの稼ぎだったようだ。

 討伐クエストができるようになれば、ギルド運営以外の宿に泊まれ、3食の食事代を賄えるくらいになるらしく、なんとか討伐の仕事をしたいようだった。

 基本的に、ランクが上の討伐に対し、ギルドからお金がもらえることがないとのことだった。


 そして、駆け出しの冒険者の実情について、食事のときに色々聞くことができた。


 講習が終わった後、冒険者ランク次第だがすぐに仕事を受注できるようだ。

 一番下のランクなら、町のゴミ掃除、探し物を探す、ちょっとした人の介護など、と薬草採取の仕事が受注でき、アリスとハルはどうやらこのランクらしい。

 薬草採取が一番稼げると二人は言っていた。

 アリスとハルくらいの年齢(12~15歳くらい)だと、ほとんどはこのランクから始まるが、中にはワンランク上から始めることができ、そこからだと討伐クエストが受注でき、最初から貧しい思いをする必要がないようだった。


 一番下のランクから一つ上には早ければ1か月程で上がり、遅くても3か月程で上がるようだった。

 アリスとハルは冒険者になって、4か月目と言っていた。


 遅くても3か月というのは、生活が辛すぎて、冒険者をやめるからだった。

 確かに、日中ハードなのに、こんな食事では心が折れてしまうなと思った。

 少なくともこの生活よりはマシな生活ができる仕事は他にあるようだ。


 薬草採取の仕事といっても、薬草自体が森の奥にあるため、今日のようにゴブリンなどと遭遇することが珍しくないようだ。

 仕事のこなすスピードや質で、最低限の索敵能力や戦闘能力を測っているようだ。


 そういった話をアリスとハルから聞き、最後は暗い雰囲気のまま解散となった。

 今日、ゴブリンに襲われているところを見ていても、二人の戦闘能力は皆無に近いと思った。

 多分、師匠のところで修行する前の俺よりずっと弱いだろう。


 二人から、町の時計塔で(信じられないことに時間は元居た世界と同じだった)時間を確認でき、大体9時前に今日行った受付近辺にいれば良いと教えてもらった。

 昼過ぎに終わるので、そこから一緒に仕事をしようとの話になった。


 宿に戻り、今日1日のことを思い出していた。

 ゴブリン達との戦い、アリスとハルとの出会い、町、冒険者ギルドと盛沢山だった。

 明日から冒険者としての活動が始まる。


 遠足前のワクワク感を感じた。

 寝れないかと思ったが、師匠のところを出てから横になって寝てないことを思い出し、横になって寝れる幸せを感じた。

 雨と、風を気にする必要がなく、敵から襲われる恐れがないという意味で最低限休める環境であることは間違いなかった。


 そういえば、冒険者ギルドに入ったら新人は大体絡まれるのに(異世界ものでは定番だが…)、絡まれなかったな…

 そんなフラグになりそうなことを考えつつ、眠りについた。

いつも読んで頂きありがとうございます。


ブックマーク、評価をして頂けると励みになります!!


o(*'▽'*)/☆゜'・:*☆ありがと☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ