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7話 地上での戦闘訓練

 ふと意識が浮上した。

あれ? 寝てたか……。


 周りを見回すと誰もいないコックピット。あ、早く重力と空気に慣れに行かないと……。

 席から立ち上がって体を伸ばす。体をほぐした後、コックピットを出て武器庫へ向かう。



 武器庫の入り口脇に私の大鎌が、刃があるところを覆いが掛けてある状態で立てかけられていた。

 それを持って、武器庫を出て外に出られるハッチの前まで来ると、ハッチは開けられていて、外から何かがぶつかる音が断続的に聞こえる。



 レガンティアを着陸させたところはそれなりに規模の広い林の中のぽっかり空いた広場のような所だ。

 用心しながら降りて行くとレガンティアから少し離れた所でルドとソルが稽古していた。


 ソルは拳銃を持ってはいるが、使ってはいない。ルドは体術と棍を駆使し、徐々にソルを追い詰めているように見えたが、ソルが勢いよく突き出した棍を足場に飛び上がりルドの後ろをとった。


 相変わらず順応性の高い二人だ。もう体の軽さに慣れて普通に動き回っている。私はまだ出て来たばかりなのもあるが、違和感ありまくりで落ち着かない。



「リラ、ソルと交代しろ。戦ってた方が歩くより慣れるのが早いと思うぞ」

 ソルと入れ替わりにルドの方へ向かう。

ソルにすれ違うとき大鎌の覆いを預かってもらい、ルドから少し離れたところに向かい合うように立つ。


 少しアップの時間をもらい、ある程度体がほぐれたところでルドとソルにOKの合図を出す。

 ソルが開始の合図をするため、腕を真っ直ぐ上に上げる。それと同時に私とルドは武器を構える。


「始め」


 ソルの言葉と共に勢いよく下げられた腕を視界の端に確認し、ルドとほぼ同時に駆け出す。勢いよく突き出してくる棍を避けるため、いつものように上に跳躍したら予想以上に体が跳ねた。


「うおっ!」



 驚いて思わず口から声が出る。すぐに焦りを取っ払って一瞬のうちに空中で態勢を立て直した直後、下から棍が容赦なく突き出てきた。

 ほぼ反射で鎌の柄で受け止め、突き出ている棍を軸に腹の方に足を収納する形で折り曲げ、思いっ切り相手の顔面に向かって蹴りを繰り出す。

 しかし、バックステップで避けられ、地面にトンと軽く足が着く。今度は着地の瞬間を狙って棍を横に薙いでくる。それを鎌でいなして空いた脇腹目がけて鎌を水平に薙ぐ。


 

 そんな感じでしばらくルドとやり合っていると、だんだん体が軽さに慣れてきた。

 いつものように軽快に動いて攻撃を避けるために空中に飛び上がったとき、空の向こうに小さな影が見えた。

「んん?? あれは……」


 丁度真下から突き出てきた棍の先っぽに片足着地を決めて、影を見つめる。

「って、おい! 人の棍を足場に休憩すんな!!」

「……ふっ……曲芸師……」

「ソル! 笑ってんじゃねぇ!! 誰が曲芸師だっ」



 地面でわちゃわちゃしているのを無視して影を一心に見つめる。アレク? ……じゃない。あの目立つ金髪はフードを被って隠しているので、全身真っ黒の人にしか見えないはず。それにそもそも飛行中は姿隠しの魔法を使ってて私達にも見えない。姿も隠さず、黒いローブも羽織っている様子のない飛行物体は徐々にこちらに近づいてくる。



「ルド、ソル。レガンティアに戻るよ」

 さっと今度こそ地面に着地してすぐに二人に指示を出す。


 二人は何かあったことを私の雰囲気から感じ取ったようで、すぐにレガンティアへ走り出す。

 私もすぐにそれに続き、レガンティアへ入る直前、一瞬だけ飛行物体の見えた方向に視線を向け、すぐに視線を戻してレガンティアへ入った。


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