3話 寝室の事情
食べ終わって、ルドと共に寝室まで行く。
基本雑魚寝だ。部屋が分かれてたら緊急時にいちいち部屋を回る時間が勿体ないため、皆一つの部屋で寝る。
ちなみに寝室はコックピットの中にあるもう一つのドアの先にある。何かあったらすぐ知らせられるようにね。
コックピットの自動ドアを潜って、さっきまで私が座っていた真正面の操縦席にルドが座る。軽くアレクに声をかけて、右側にある寝室へ続くドアも潜る。
寝室はハンモックが四つ吊ってある小さい部屋。急いで起こす時、ひっくり返して落とす簡単に起こせるハンモック。今までに何回もそういうことがあったので落ちた時の痛みには慣れっこだ。
「え、船体に傷をつけたらやばいんじゃないの?」と思ったそこのあなた。良い疑問だ。寝室は床に衝撃吸収マットが敷かれているため、船体に傷はつかないし、落ちた人に痛みがあるだけだ。何も嬉しくない。
あっ、アレクはハンモックから落とされることはもちろんない。異変があっても起きてる三人で対処できるから。それに一番働いてるからそんなこと恐れ多くてできないしね。
ハンモックは奥に二つ、手前に二つ。入口から向かって手前の右側のハンモックにはソルトことソルが寝ている。手前の左側が私だ。
「はぁ~、疲れた~」
自分のハンモックに横になり、いざ夢の世界に旅立たんとした時、
「……リラ?」
隣から声がした。
「あー、ごめん。起こした?」
「いや、いい。……今何時?」
腕に付けてる時計を見て言う。
「六時二十四分。まだ昼まで時間たっぷりあるからもう一回寝たら?」
「ん。そうする。……おやすみ」
「おやすみー」
そこで意識が途切れた。
寝室は元々、リラ達の祖父母世代まで宿直室でした。
ちなみに、故郷が消滅した当時の人々は、リラ達にとっては曾祖父母世代。