表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2015/07/24  作者:
2/2

階段が終わるまで駆け下りた先に、幼い子供たちが蠢いていた。

「ひっ」

予想もできなかったのでおののくが、よく見ると身体測定をしているようだ。

見渡すとここは小児科の階であるようなので納得する。

近くの椅子に座っていた、測定を待っているのであろう女の子たちにこの場所や状況を聞こうと声を掛けるが、そっぽを向かれてしまう。

「ふん。しらないもん。」

私がなにか悪いことをしたのだろうか。

困った私は手当たり次第に幼児たちに声をかけていくと、二つ結びにした静かな女の子がおずおずと話を聞いてくれた。

不安で満ちていた胸を撫でおろし、しゃがんで目線を下げて質問を投げる。

「ねぇ、ここがどこだかわかる?」

「あ、あ、あの。病院、高くて、灰色町の、」

彼女が戸惑いながら細く言葉を繋いでいこうとする。

大きな目が更に開かれつたない口調で説明してくれる、はずだったのだがその声は消されてしまった。

「あ、いた!おい!」

急に肩を後ろからつかまれ体勢が崩れる。

そこに立っていたのは先ほど階段ですれ違った教諭の一人だった。

「先生!?」

確か彼は英語科担当だったはず。小柄で細身な身長な上、胴の方が長さの比率を占めている特徴的な教諭だ。

その彼に腕をつかまれ、そのままどこかに連行させられてしまう。

なにがなんだかわからない私は、同じように呆然としている幼い彼女と視線を交わしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ