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もろマネ 〜とうもろこしお嬢様は常識を知らない〜  作者: 瑞柿けろ
第一章前半 とうもろこしと銭ゲバと
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第15話 レッツ爆発!? ブラックコテツ!!




「おらおら! 早く作れ!! 登校前に作っておかないと昼に間に合わないだろう!」

「ガ……ガガ……」


 ロボットの特殊能力が判明し、キャビアにフォアグラ、そしてトリュフといった世界三大珍味を量産していく。

 もちろん材料はとうもろこしだ。


「まるで違法なことをしてる気分になるな」


 ここまで簡単に高級食材が作れるなんて……なるほど、これが錬金術か。等価交換とは凄いな。


「いや、どこが“等価”なんだよ!?」


 意味の分からないことではあるが、このラッキーなことには乗るしかない。

 これもこのロボットをくれた雛子様々だぜ!!


 ん?


「いや待てよ……――ッ!? も、もしや!?」


 ふと閃き、材料としてとうもろこしを入れて、ロボットに告げる。


「“金”を出してくれ! 純金で頼む!」

「ガ……ギガ……了解……シマシタワ……」


 壊れそうな音を出しながら震え出すロボット。

 大丈夫なのか……いや、ここは祈るしかない。




 ――コロン。




 ――足元に金色の粒が転がってきた。


「ッ!? う、嘘だろマジか」


 恐る恐るそれを手に取り、肌触りと重さ、そして俺の金センサーを研ぎ澄ませる。

 俺レベルに金が好きだと、匂いや重さ、味や輝きで本物かどうか分かる。

 俺のさりげない特技の一つだ。


 だから、答えがすぐに出る。


「本物じゃねぇかこれ!!?」


 入れたとうもろこしの粒と同じ大きさの金の粒。

 まさか、このロボットからこんな物が作れるなんて、こんなの本当に錬金術でもしてるみたいだ。


 ……こうなったらやるしかねぇ。


「おらおらおら!! 大量に金を作りやがれ!! 今日からお前は飯じゃなくて、金を作り続けるロボットになるんだよ!!」

「ムグググ……ク、苦シイ……モウ動カナイデスワ……」

「なに言ってんだ!! まだ俺のために働き続けろ!! 人を幸せにするって意味なら“飯”と“金”は変わんねぇだろ!!」

「ガガガ……ガ……」


 今ようやく一つ出来たんだぞ!! ここで終わるわけにはいかない!!

 雛子から貰っていたダンボール一箱分のとうもろこしを持ってきて、ロボットの口へと流し込んだ。


「おらーー!! これ全部を金に変えやがれぇーーー!!」

「アガガガガガガッ――――」


 無理矢理詰め込んだせいで少しヒビが入ったが、まあ大丈夫だろう。


 そして――


「デ……デスワーー……」

「おぉーー! 金だ金だぁーーー!!」


 床一面に広がる小粒の金の山。

 両手いっぱいに掬い上げて宙に投げると、床や同じ金の粒同士に当たって跳ねる。


 その独特の衝突音が、まるで高級オーケストラのように聴こえてきた。


「素晴らしい。心地良い音だぁ……いつかこの音は万病に効くはずだ……」


 だって、俺がここまで癒やされてるもん。今までの苦労が洗い流されていく……。


「これで借金を返して、さらに家を一括で買い取って、貸家にして家賃収入で生活して……」


 それから……、とこれからできることを妄想していると――


「痛っ! え、な、なんだ今の!?」


 突然、頬に何か小さな物が当たった衝撃が走り、痛みに驚き頬をさする。

 原因を探し足元を見てみると、金の粒に紛れこんだ銀色の粒。


 それを拾い上げ、俺はさらに困惑する。


「これは……ネジか? なんでこんなとこに……てか、なんかコゲ臭くね?」


 ……

 …………

 ………………


 あ――


 なにかに気付き、ゆっくりと振り返ってみた。


「アガッ――アガガガガガガ……デスススワワ……」


 そこには、至る所から煙を出し、痙攣するようにロボットが小刻みに震えていた。


 え、やばくね?


「オーバー……ヒート……デスワ……過労働デスワ……ブラック……デスワ……」

「ま、待て!? まだ慌てるような時間じゃないぞ!!? 二連休……いや! 明日を休日に……いや!! 半休やるから!!」


 一旦落ち着け、と必死に考えた結果の譲歩、これなら納得してくれるはずだ。

 よし、少ししたらまた頑張ろうな!? 今お前が辞めたらみんなに迷惑が掛かるぞ!?


「ブラック企業ノ……典型……デスワ……」

「辞めるのは自由だけど、今の時代どこ行っても厳しいぞ!? 代わり見つかるまでいてよ!? ここで無理なら、他の仕事でも通用しないぞ!?」


 どうだ!? これで引き留められるか!?

 いくらロボットでも、善意に訴えかければいけるはずだ!!!

 

 だが、俺の思いも虚しく、ロボットから警戒音が鳴り響いた。


「多数ノ……ブラック企業発言ヲ……検出……シマシタワ……」

「え……な、なんだそれ……」

「ブラック企業対応プログラム……発動――」

「――え?」


 警戒音が収まり、静まり返ったロボットが――突然、光り輝き叫んだ。




「正義執行――!!! 滅ビロ!! ブラック企業デスワァァァァ――――」

「ぎゃぁーーーーーーー!!!!!?」



 ――瞬間。

 叫ぶと同時に、ロボットが爆散した。

 寮の部屋を吹き飛ばし、作り出した材料や金の粒を、凄まじい爆風で巻き上げる。


 とてつもない爆発の中、俺は理解した。


 “完全週休二日”の大切さを……。



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