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【第7話:魔導研究棟に潜む影と第三の男】

 翌日。

 再びシステムボイスが脳内に警鐘を鳴らす。


【警告:攻略対象の一部が“トゥルーエンド外”に移行する兆候あり。ルート逸脱率8.4%】


(なんだそれ!?どこでフラグがポッキリいった!?)


 焦る俺をよそに、学園では“魔導研究棟”の封鎖解除がアナウンスされていた。

 かつて爆発事故があったとかで長らく閉鎖されていた場所らしい。


「確か……ここにはサブシナリオでしか登場しないキャラがいたような……」


 俺は好奇心半分、破滅フラグ回避の情報収集半分で、昼休みにこっそり魔導研究棟へ足を運んだ。


 そして。


「……やっぱり、君だったか」


 薄暗い部屋の奥にいたのは、知る人ぞ知る隠し攻略キャラ──レオニール・グランザ。


 銀縁眼鏡とボサボサの黒髪、白衣を羽織った彼は、原作でも“狂気の魔導士”と呼ばれていたキャラだ。


「ヴィオレット・ルグラン。君、最近この世界の“バランス”を大きく変えているね」


「お、おう……(なんか知ってる感じで話してくるのやめて!?)」


 レオニールは魔力干渉装置や古文書に囲まれながら、何かを調べていた。

 その視線は、まるでこちらの正体──中身が元無職の男であることすら見透かすかのように鋭い。


「この学園も、この世界も、ある一定の“構造”で保たれていた。君はそれを壊しかけている」


「え、あ、でもそれって、ヒロインが幸せになるためで……」


「“誰か”が幸せになれば、“誰か”はルートを失う。それがこの世界だ」


 ……痛いところを突かれた。


(たしかに。俺が無理やりフラグをねじ曲げれば、どこかでバグや歪みが出るのかもしれない)


 その時、レオニールがふいに手を伸ばしてきた。

 指先で俺の髪に触れ、魔力を流し込む。


「っ……な、何するんだ!?」


「確認だよ。君が“本物”かどうか」


 彼の目が見開かれ、驚愕の色が浮かぶ。


「やはり……君の中にある“因子”は、通常のヴィオレットとは違う。まるで外部からの……」


「ちょ、ちょっと待って、ネタバレ級の話し始めないで!? 視聴者置いてく気!?(ていうか俺も置いてく気!?)」


 その瞬間、研究棟の扉がバンと開いた。


「ヴィオレット様!? こんなところで何を──」


 現れたのはエリナ。続いて、クラウス王子とセシルも現れた。


(やめろ、いっぺんに来るな!三人はまずい!ルートが、ルートが干渉して爆発する!!)


 レオニールがポツリと呟く。


「これが“交差点”か。物語の、転機だね」


 爆弾級のキャラ登場により、すべてのフラグが再編される気配がした──


 学園の裏側で、何かが動き始めていた。

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