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時の輪を越えて  作者: 伊藤しずく
世界樹の木
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「うわっと」


よろけながらもなんとか着地したランセルの上に


「おい、避けろ!」


と上からエドの声がかかるが、間に合わず。

「うわっ」と叫ぶランセルの声が漏れる。


「師匠、避けて!」


と叫んだカインの声も団子状態の二人には間に合わず、さらに上から王太子ローレンスが降って来る。


「「「ぐえっ」」」


と下の三人から苦痛の声が漏れる。

王太子ローレンスが上から降って来るだろう愛しい娘を受け止めるべく、下の3人の上で両腕を広げ上に顔を向けたが、驚きに目を見開く。


精霊にでも支えられているのだろうか、アシュレーはゆっくりと落下し、ふわりと団子状態の男どもを避け、静かに地面に着地した。



「姫さん、優雅過ぎないか?」

「さすが神代の姫様。」


軽口をたたくエドとランセルとの団子状態から脱したカインが横目で見るが、その後方に別の落下物、もとい落下してくる人影を捉え駆けだす。


「セイラ!」


セイラの後方にはアイラも落ちてきている。

ふと気配を感じ横を見るとカイルが追いついていた。


「お前はセイラを。俺はアイラを拾う!」


1人団子状態に巻き込まれなかったカイルは対応が早かった。

カインは長い間離れていたセイラを抱き留めようと両腕を広げ落ちてくる彼女を見たが、優雅にふわり、ふわりと落下してくる様に身を瞠る。


「セイラ?」


後方のアイラに目を向ければ、アイラも同様にふわり、ふわりとゆっくりと綿毛が落ちてくるように降りて来ていた。


「みな無事に戻ってきたようね。」


背後から忘れようのない女神様の声。

横には疲労の色が濃いちび太陽神こと太陽神アデルシオの渋い顔があった。


男性陣の面々はその太陽神アデルシオの疲れた様子に思う所がそれぞれあったが、賢明にも口を閉ざした。誰しも命は惜しいのである。


「お前たち遅いぞ!」


母神の腕の中から何とか逃れようと藻掻きながら太陽神は口を開いた。


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