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時の輪を越えて  作者: 伊藤しずく
世界樹の木
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(これは、拷問ですか?!)


二人の姉、もとい一人は未来での育ての母親で、もう一人は姉のように慕っていた巫女姫が、お互いの視線を絡ませきらきらと瞳を輝かせている。

簡単な自己紹介をお互いに済ませた後は、初めてあったとは思えないほどの息の合った行動にセイラは知らず(おのの)いた。

こんな二人を前に勝てる者がいたら教えて欲しい。


「た、助けて!」


と青年に視線を向けるが、彼は涼しい顔で答える。


「女性の楽しい会話を止めるなんて、そんな無粋な事は私には出来ないよ」


頑張ってね、と無情な返答が。目が楽しげなので、彼も楽しんでいるようである。

3対1。 負け確定である。


そうしてセイラは3人に尋問、もとい的確な質問の元、記憶を思い出した事から、カインへの思いなど洗いざらい吐かされることとなった。


XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX


「面白くないわ。私の可愛い可愛い妹がカイン様に取られてしまうわ。」


ほぅ、とため息を吐くアイラに頷くのは、つぶらな瞳をうるうるとさせる小竜姿の巫女姫アルダである。


「ホントにね。可愛い妹分の恋愛を応援するのはやぶさかではないけれど、相手が「あれ」ですものね。」


小竜の可愛らしい見た目に反して、小竜の口から出るのは辛口な言葉である。


(めちゃめちゃ違和感がある・・・性格は100%アルダ様なのだけれど。そういえば、昔からアルダ様、カイン様に対しては辛口コメントが多かったわね・・・)


知らず遠い目をしてしまうセイラである。かわいいセイラを間にアルダとカインが火花を散らしていた事は、ここでは割愛する。


「私はセイラが好きになった殿方が、セイラの事を大切にしてくれるのなら、涙を呑んで応援しますわ。ただ少―しばかり小姑として嫌がらせをしてしまうかも・・・しれませんが?」


にっこり笑顔のアイラ。ただし目が笑ってない。 


(ア、アイラ?!)


目を見開き驚くセイラに対して、隣でそうだそうだと言わんばかりに頷くアルダ。


「それで君たちはどうするんだい?」


青年が楽しそうに目を細め先を促す。


「「決まっていますわ! カイン様にセイラの記憶が戻ったことは言いませんわ!!」」


アイラとアルダの声が揃った。


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