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時の輪を越えて  作者: 伊藤しずく
ディア歴530年 竜の谷
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((強烈!!))


図らずも全員の心の声が一致した瞬間だった。


(太陽神様の目が行っちゃってる・・・)


ちび太陽神を抱きしめ、撫でまわし、キスの雨を降らせながら、つと女神の視線がアイラとセイラに注がれる。


「時の輪の乙女に月の乙女ね、アレクちゃんを連れてきてくれてありがとう。あなた達にはお礼をしないとね。」


女神がそう微笑んだ後、二人の姿が掻き消える。


「「!!」」


カイルとカインが息を飲む。そんな二人に女神は視線を移す。


「お前たちにもお礼をしないとね。」


女神の言葉にカイルとカインもその場から姿を消した。

残されたのは、抱きしめられたちび太陽神と女神、そして小竜達。

小竜達は固まって震えている。


『アイラとセイラがいなくなっちゃった!』

『竜騎士のカイルとカインもいなくなっちゃった!!』

『太陽神様が固まっちゃっているよ!』

『女神様かっこいい!』


強者の感想が紛れている。

若干1名は怖くて震えているのではなく、感動で震えているようだ。将来が実に頼もしい。


「母上、脅かすのもそのくらいにしてください。」


撫でられつつも太陽神が声を上げる。


「ふふふ、解っているわよ。あなたはあの者たちが戻って来るまで私と一緒に仲良く待ちましょうね。」


太陽神はすでに成人して久しい。が、この母親である女神は太陽神を溺愛している。

そんな彼女の元を去ってどれくらい経つのか思い出せもしないぐらいの時が流れていたが、

相変わらずの母親に呆れを通り越して突き抜けてしまった。


「あなたは本当に変わらない。」


太陽神の心からのため息が漏れた。


「そう怒るものではないわ。反省して気が遠くなるほど眠っていたのよ。」


口では殊勝な事を云う母親ではあったが、手の動きが裏切っていた。

(この頭を撫でる手はなんなのか・・・)

太陽神は深い、それは深いため息を吐いた。


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