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アイラとセイラは今まで二人で並んで歩き、カイルとカインが後ろから追いかける感じで歩いていたのだが、ここのところはアイラとカイン、そしてその後ろをセイラとカイルとなっている。
理由はアイラとセイラの二人が二人そろって、転びやすくなってしまったから、である。
簡単に言ってしまえば、妖精に気を取られて転びやすくなったのである。
ついつい妖精に声を掛けられてはそちらに気を取られ、妖精の愛らしい姿に気を取られ足元が疎かになり、と危なっかしい事この上ない。しかも他の者に視えない妖精に気を取られてふらふらしているのである。
リラは慣れれば問題なくなる、との事だったが如何せん二人にはまだ時間がかかりそうだった。
ところでこの4人の顔面偏差値が高いのだが、本人たちはあまり意識していなく・・・またうち一人、金の彼は別次元の美しさなので、アイラとセイラを見て振り返ったり見ほれたりする男性は連れのカイルとカインを見てすごすごと負けを悟り去っていくのだが。アイラとセイラは二人が睨みを聞かせていることなど気づかず旅は平和に過ぎていく、はずだった。
が。しかし、その平和は空から壊された。
『姫さまぁ~~~~~~!!』
青空の彼方から悲痛な声が聞こえ、アイラとセイラは上を向く。
『わぁ~~~~~~~~い!』
悲痛な声の後には楽しそうな幼女の声が上から降ってきた。
そしてその楽しそうな声の子供が上から降って来て、アイラに抱き着いた。
カイルとカインにはいきなりアイラが大きくふらついたように見えた。
慌てたのはカインである。
衝撃でよろけ尻もちを着きそうになったところをカインが支えた。
「アイラ!」
セイラとカイルが慌てて駆け寄る。
「一体何が起きているんだ!?」
アイラの腕に抱かれたその子供はとても愛らしい人間サイズの妖精だった。
だがアイラとセイラ、そしてリラと太陽神にしか視えていない。
姫と呼ばれた妖精はちび太陽神のところまで来ると、優雅な礼をしお願いする。
「太陽神様、少しお力をお分けいただけますか?」
それはそれは可愛い動作でアイラは悶絶していた。
アイラはちび太陽神が頷いたのに驚き、カインを見る。
始めは何が起きたのかわからなかったカイルとカインだったが、ちび太陽神が力を分け与えたところ、実体化したのがこの愛らしい妖精だった。
しかもお供の妖精も実体化し、姫様の周りを飛んでいる。
太陽神大サービスである。
そして兄カイルが二人を見て呆れたように言葉にした。
「君たち、人外の方たちとの遭遇率高過ぎないかい?」
「お兄様、これって不可抗力では?」
「今回はアイラが原因よ、お兄様。だってアイラが抱き留めたもの!」
言っている端から姫様妖精がぴとっとセイラの足に抱き着く。
「セイラ、あなたも原因の一端を担っているようよ。懐かれているじゃない!」
「太陽神、あの子をご存じか?」
カインが少し離れたところから兄妹のやり取りを見ながら聞く。
ちび太陽神は楽しそうに答える。
「知っているもなにも、あの子は4大精霊王の孫だぞ。」
「は?! 妖精じゃないのか?! なんでこんな人間界に来ているんだ?!」
なんと彼女は風の精霊王の孫らしい。
一同驚きのあまり固まる。
なんか大物が出てきたぞ。
とアイラとセイラは目をぱちりと開いた。
そんな中、姫様に付いてきた妖精は彼女の周りをぐるぐる飛びつつ
「ひめ様ぁ~! 城に戻りましょうよぉ。 精霊王に怒られちゃいますよぉ!!」
と困り果てている。
「嫌だよー。この二人面白そうだもん! 一緒にいる☆」
二人の会話を聞いてカイルとカインは頭を抱え、アイラとセイラはお互いに肘でつつき合っていた。
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