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時の輪を越えて  作者: 伊藤しずく
異変
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11

セイラは目を覚ました時、自分がどこにいるのか一瞬考えた。

カーテンを開けに入ってきた侍女のメイが近づいてくる。

「お嬢様、お起きになられたのでしたら朝食になさいます?」

周りを見ると自分が両親の部屋のベッドに寝かされているのに気付いた。

(安心してぐっすり眠ってしまったわ)

デビュタントを機に卒業したつもりだったのに、と思うがそれだけ昨日の自分は疲弊していたようだ。

「お父様とお母様は?」

「旦那様は鍛錬をされております。 奥様は先ほど朝食を召し上がりに向かわれました。」


セイラは勢いよく起き上がるとベッドから降りた。

「着替えて私もダイニングルームへ行くわ!」

今日は特に予定が入っていないので、朝食後お父様の鍛錬に参加しようと思う。

鍛錬をすれば気晴らしにもなるし、なまった体と精神を鍛えて直してもらおう。

「服装はパンツスタイルにするわ。」

剣術をたしなむ私は規格外の貴族令嬢と言えるだろう。


「お母様! おはようございます。」

ダイニングルームに入るとそこには予想に反して私以外の家族が全員そろっていた。

さらにカイン様までそろって朝食を食べていた。

「お父様、お兄様、カイン兄様?!」

驚きつつテーブルに近づく。

今日は天気が良いので出窓を開けての朝食らしい。

鳥のさえずりと木漏れ日から差し込む太陽の光が眩しい。

良い鍛錬日和になりそうだ。


「寝坊娘はやっと起きてきたか」

お父様が笑いながらこちらに顔を向けた。

「ぐっすり寝ていたからそのまま寝かせたのよ。 今日は太陽宮には行かなくていいの?」

お母様がフォークとナイフを置いて問う。

「ええ、今日は特に予定は入っていません。 お兄様もめずらしくゆっくりされているけど、今日はお休み?」

私は給仕に椅子を引いてもらいながら兄の隣の席に着いた。

「今日は公休だな。後で父の鍛錬に参加しようと思うが、お前も参加するか?」

兄は手を止めずに勢いよく食べ続けている。

「もちろん! その為の格好だって見ればわかるでしょう、お兄様。」

隣の兄にパンツを見せる。

「セイラも参加するが、カイン兄上はどうする?」

「良い食後の運動になることは間違いないな」

カインも是と答える。

この光景は数年前まで当たり前にこの武のロ―ゼンタイン伯爵家で見られた光景だった。


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