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帰りの4

───バイクで逃げた者達


彼等はいつもは爆音を響かせ当たりに迷惑かけていたが今はそんな事が出来ない有り様だった。


「く、くそ何だよあれ………手の震えが止まらねぇ………。」


聞いて余りの恐怖で震える手でハンドル操作をするのだ。

速度は比例して落ち安全速度になっていた。


シャン


「ど、どうするこれから………け、警察に保護して貰うか?」

「それより、有名な神社だろ!脅してでも、お祓いして貰うか神社に立て籠るしかねぇよ!!」


シャンシャン



『"()()()()、不快なり不快なり。魂が穢れにまみれておる………不快なり!』


ドン!


「ひ?!手がう、動かねぇ!?」

「ちょ、待てくれこの先はカーブ!?」

「ひぃ!死にたく…………。」



ガードレールにぶつかり反動で男達は放り出された。



カーブより外は崖であった……本来ならば。



(((え?)))


黒玉から何本もの黒い手が伸ばされ男達は引きずりこまれる。




彼等最後に視たのは地獄である。







『道しるべには()()()()()必要である………が、不快なり!』


シャン!!




ドロリと僧侶の身体が崩れだす。



上空から都内を見渡した僧侶の表情は増悪が見え初めていた。


僧侶は都内に逃げた者達の縁をたどり男達と関わった穢れが少しでも宿った軽犯罪者までもが贄の対象になっていた。




僧侶は狂い始める。





──銃器を取りに行った者達




彼等が何故廃墟の古寺に居たのか。


「くそ!こんな事なら誘いを蹴るんだった!」

「そうしたらブタ箱いきだったろが!逆恨みすんじゃねぇ!」

「彼奴らも殺せば良かったんだ!くそ!。」



彼等リーダ格の男達は人を殺してしまった。

遊び半分のサラリーマン狩りをしていた彼等はある時、抵抗されて脅しのナイフを揉み合いの末、サラリーマンの額に刺さってしまった。


普通ならそんな事は起きない………だが起きてしまった。


彼等【呪術士】に使い捨ての駒にされる為に起こされてしまった。



───シャン



「………お願いです。紫勾玉を帰して『還せ』下さいそれがないと『道しるべ』大変な『贄ごとき』事に『それは起点である!』」







優矢は半分僧侶に()()()()()いた。








彼は波長が僧侶とあってしまった。








ドン!!






「ば、化け物がーー!!!」



パァン!




「にげ『"最後の贄は此処に揃うた、儀式を開始する"』」



銃弾は優矢の眼の前でドロリと溶け落ち錫杖が地面振り下ろされる。



ドン!



いつの間にか場所がドーム状の岩で覆われた広い空間切り替わり。


中央には仏像が置かれていた。



「ぎゃああ!!痛い止めろーーー!!」

『助けくれ!仲間だろ?リーダ達だけ助かるなんておかしいだろ?!』

「来るなぁぁ!」


パン!パン!


『ヒデーぜ!俺等言うこと聞いてたのに銃を撃つなんて、あんまりだ!!』



仏像の下は黒い沼のような物で溢れ返り、男達の仲間()()()()()が男達を襲っていた。



そして男達は次々ともがき苦しみながら、沼に沈んでいった。




トプン




水面が波打つと沼は真っ赤に染まる。



「__『"起点と道しるべは揃うた。"』。」

『門を開けよ。鍵よ。門を開けよ。』


優矢は赤い涙を流し沼と沈んでゆくゆっくりと溶けるように。




(死ぬのかな俺………やだなぁ、死にたくないなぁ。)



精神は疲弊し、抵抗も出来ず沈む優矢。


沼底には禍々しい門がゆっくりと開き沼を優矢ごと飲み込まんと吸い上げ来る。


僧侶達と優矢が門を潜り初めて見えた光景は完全優矢の意識を刈り取った。



燃え盛る煉獄に僧侶達が飛び込み始め、そして最後に優矢を取り込んだ僧侶が飛び込もうとした時であった。



『ぬぅ?!離さぬか!!』




『阿呆が!生者を煉獄に連れ込むな!巡浄蛇仏(じゅじょじゃぶつ)の名がなくぞ!!』


巨大な手が僧侶を鷲掴みすると取り込んだ優矢と分離されて、優矢は落下する。



「うむ……不味そうな匂いだ。善人は地獄に要らん……帰って精々()()()狂い極上の酸味を伴って来い。期待しているぞ少年。」


タバコを吸いながら優矢を受け止めた男はそう言うと門に放り投げた。


優矢は何かに引っ張られるように門の外に叩きだされて沸き上がる水流により沼より弾きだされた。












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