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この話は6年前に執筆したもの。
拙文ですが、当時は精一杯頑張ってました。
加筆修正はなし!
乱文はご愛嬌でお願いします。
彼女は何も言わない。
僕の部屋のベッドに、瞳の色を変えて座っているばかりである。
いつもより、小さく見えてしまうのはどうしてだろうか。
「光里・・・大丈夫だよ」
僕は彼女に向かって言った。
しかし、 光里が声に反応することはなく、
変わらず瞳に何も写さないままそこにいた。
僕の狭い部屋に、彼女の放つ異様な雰囲気が分散される。
窓の外には、今にも泣き出しそうな空が僕を見下ろしていた。
―――――泣きたいのは、僕の方だ。
光里が僕の部屋に転がり込んできたのは、今から二日前。
空は今日とは裏腹に、気持ち悪いくらい晴れ渡っていた。
こんな色を自然が作り出せるのか、と疑ってしまうほど。
「瑞哉・・・瑞哉、どうしよう」
外の冷たい空気が、玄関のドアから家の中へと舞い込む。
慌てる光里を尻目に、僕はドアを閉めるよう勧めた。
彼女は震える手でそれを閉めると、
そのままドアに寄りかかる形で座り込んでしまった。
「おい、光里!一体どうしたんだ?」
尋常ではない光里の様子に、僕は心底不安になった。
僕が光里の視線に合わせるようにしてしゃがみ込んだ、その時。
彼女は涙をその瞳に携えて僕に抱きついた。
「瑞哉、私・・・」
しゃくりあげながら、彼女は言葉を続ける。
「私・・・」
徐々に僕の心拍数も早くなる。
光里は、何を・・・?
じれったいと感じながらも、
僕の心臓は光里の言葉を聞きたくないようにも思えた。
「私、父さん・・・殺しちゃった」
――――ワタシ
――――トウサンヲ
――――コロシマシタ。