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☀「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが本屋を開いたら……。  作者: 雪*苺
一二月二四日【 クリスマス・イブ 】
21/30

✒ 連続探偵殺害事件 3


マオ

「 セ、セロ──。

  な…なんで…… 」


セロフィート

「 『 なんで 』ではないでしょう。

  営業中に抜け出して警察署へ行くとは──。

  なにを考えてます? 」


マオ

「 うぅ…それは…… 」


セロフィート

「 忙しい刑事さんの手を煩わせてはいけません。

  マオ、帰りますよ 」


マオ

「 セロ──オレ! 」


セロフィート

「 話は帰ってから聞きます。

  おおくぼさん、ワタシのマオが御世話を掛けました 」


大窪刑事

「 いえいえ。

  なにやら思い詰めていたみたいですから、話を聞いただけですよ。

  しかし、マオ君は今時、珍しく正義感の強い子ですな。

  知り合いの探偵を『 事件に巻き込ませたくない 』と警察の捜査に協力を求めてたんですよ。

  マオ君、済まないね。

  警察からは一般市民を犯人逮捕は参加させる事は出来ないんだ 」


マオ

「 うん…… 」


セロフィート

「 マオ……。

  ──おおくぼ刑事、連絡をくれてがとう御座います。

  助かりました 」


大窪刑事

「 いやなに、ははは。

  受け付けに頼んだだけですよ。

  それにしても……セロさん変わった格好をしてますな。

  全身、真っ白ずくめで雪の精霊かと見間違えましたよ(////)」


セロフィート

「 ふふふ。

  誕生祭クリスマスの為に用意した特別な衣装です。

  旅の吟遊大詩人ふうをイメージしてみました 」


大窪刑事

「 旅の吟遊詩人ですか。

  こんな美しい吟遊詩人が歩いていたら、女性に群がられて大騒ぎになるでしょうな! 」


セロフィート

「 ふふふ。

  そうならないように気を付けてます。

  マオ、トナカイさんの衣装を持ってました。

  着替えてください 」


マオ

「 え゛っ!?

  で着替えるの??

  なんで?? 」


セロフィート

「 本屋の宣伝をしながら帰るからです。

  チラシも持ってました。

  配りながら帰りますよ 」


マオ

「 えぇ~~ 」


セロフィート

おおくぼ刑事、暫く休憩室を借りてもいですか? 」


大窪刑事

「 勿論ですよ。

  れ、暫く足めしときますかな 」


セロフィート

「 お願いします 」


 おおくぼ刑事が休憩室を出てから、オレはセロが持ってたトナカイの衣装に着替えた。

 わざ(わざ)持ってなくてもいのにな!

 着替えるとは言っても、着ている衣服の上に着るだけだからぐに終わった。

 トナカイのツノのカチューシャを頭に付けて、鼻の上にトナカイの赤い鼻を装着したら、トナカイに変身完了だ。


セロフィート

「 マオ、ゼッケンを首から掛けてください 」


マオ

「 えぇっ!?

  トナカイがゼッケンを付けて歩くのかよ… 」


 ゼッケンには【 セロカ君の本屋 】と書かれている。

 完全に本屋の宣伝用ゼッケンじゃないかよ…。

 ゼッケンなんてほんは付けたくないけど、営業中に本屋を抜け出して勝手に警察署へ行った手前、セロには逆らえない。

 〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に任せる事も出来たのに、わざ(わざ)セロがじき(じき)に迎えにてくれたのは素直に嬉しい(////)

 オレ──、少しはセロに想われてるのかな??


マオ

「 …………付けたぞ… 」


セロフィート

「 似合いますよ、マオ(////)

  チラシを入れた紙袋を持ってください 」


マオ

「 そう言えば、誕生祭クリスマスって5倍デーと被るじゃん。

  もしかして、そのチラシか? 」


セロフィート

「 そうですよ。

  チラシが値引き券になってます。

  誕生祭クリスマス限定の値引き券です。

  チラシを持参し、割り引き券を使った御客に誕生祭クリスマス限定クッキーをプレゼントする事が書いてます。

  税抜き3.000円分の書籍を買うと500円の値引きが出来るチラシです 」


マオ

「 3.000円分も買わせて、クッキーを渡すのかよ。

  やり方がゲスいな… 」


セロフィート

「 3.000円が2.500円で買えて、クッキーまで貰えます。

  お得でしょう 」


マオ

「 どんなクッキーにするんだ? 」


セロフィート

「 開店前に会員カードを作った御客へ渡したクッキーと同じです。

  本屋ですから誕生祭クリスマス仕様のセロカ君しおり3点セットを入れる予定です。

  色違いの非売品です 」


マオ

「 うわぁ~~、欲しい!! 」


セロフィート

「 3.000円分の書籍を買って、チラシを使ってください 」


マオ

「 えぇ~~、オレにも買わせるのかよぉ!! 」


セロフィート

「 欲しいのでしょう?

  ──忘れ物はないですね?

  帰りますよ 」


 セロはオレの右手を掴むとスタスタと歩き出す。

 休憩室を出ると、見張ってくれていたおおくぼ刑事に頭を下げて御礼を言った。

 おおくぼ刑事はトナカイにふんしたオレの姿を見て、必死に笑いを堪えながら見送ってくれた。

 オレのトナカイ姿って、笑われる程に可笑しいのかな??


──*──*──*── 商店街


 警察署内を歩いていたら、すれ違う警察官から笑われた。

 チラシを受け取って貰えたのは嬉しいけど複雑な気分だった。

 写真とか動画まで撮られて、最悪だよ!!


 商店街へ向かって歩いている途中も、通行人に笑われるし、小さい子供にはし、踏んだり蹴ったりだ。

 チラシは快く受け取って貰えたのは嬉しいし、がたいけどな。


 商店街へ入っても、やっぱり通行人には笑われた。

 写真や動画を撮られまくって無駄に疲れた…。

 セロは背が高いから写真にも動画にも入り切らないからって、背の低いオレばっかりが撮られた事には全面的にせない。

 誕生祭クリスマスが終わる迄、笑われ続けるのかな??


マオ

「 こんなの罰ゲームじゃないかよ!! 」


セロフィート

「 勝手に警察署へ行ったのですから、当然でしょう。

  ワタシに無断で警察署へ行った事を反省してください 」


 罰ゲームだった。

 うぅ~~~~、なんて恥ずかしくて屈辱的な罰ゲームなんだよ!!


マオ

「 ──って言うか、誕生祭クリスマスって明日あしたじゃんか。

  今からチラシを配るなんて遅すぎるんじゃ…… 」


セロフィート

「 チラシは12月に入ってから〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に配布させてます。

  今日きょうの朝刊広告にも紛れ込ませましたし。

  前日のチラシ配布はマオの罰ゲームのついでにしてるだけです 」


マオ

ついでかよ…… 」


セロフィート

「 そろそろ切り上げましょう。

  マオとも話し合う必要が有りますし 」


マオ

「 うぅ…… 」


 セロ……怒ってるのかな?

 勝手に無断で警察署へ行ったオレの事を……。

 営業中に出掛けたのは悪かったと思ってるけど、セロがなにもしてくれないから──、刑事さんに相談しようと思っただけなんだけどな……。

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