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☀「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが本屋を開いたら……。  作者: 雪*苺
一二月二四日【 クリスマス・イブ 】
20/30

⭕ 連続探偵殺害事件 2


──*──*──*── 警察署・休憩室


 誕生前夜祭クリスマス・イブに見ていた時代劇の画面に出た「 緊急速報 」で12月に入ってから始まった【 連続探偵殺害事件 】の被害者が、また1人増えた事を知った。

 本屋の常連さんで、セロカ君のファンでもあるおんじょうさんの職業は探偵だ。

 おんじょうさんが被害者にならないようになんとかしたいと思ったオレは、セロの言葉を無視して裏口から本屋を出ると警察署へ走った。


 警察署へ到着してから、受け付けで刑事さんを呼んでもらったんだけど、生憎と今は別の事件の応援に行っていて警察署にはない事が分かった。

 残念だ…。

 両肩を落としてガッカリしていたオレに声を掛けてくれたのは、定年間近の刑事さんだった。

 名前は “ おおくぼさん ” だ。

 オレが相談に乗ってほしかった刑事さんの名前は “ ” って言うらしい。

 初めて苗字を知ったよ……。


 このおおくぼ刑事と刑事は、【 不慮の事故 】の聞き込みで商店街を回っていた時に、セロと会った事があるみたいだ。

 セロと面識のある刑事さんなのは嬉しい。


 おおくぼ刑事がわざ(わざ)警察官が使う休憩室へ案内してくれた。

 刑事は事件の応援に駆り出されていて、定年間近のおおくぼ刑事は “ なにかあった時の為に ” って部署に残って留守番をしていたらしい。

 「 暇だから話し相手が欲しがったところなんだ 」って笑いながら言ってくれて、オレの話を聞いてくれるみたいだ。

 おおくぼ刑事の優しさは嬉しいけれど、暇ってのは嘘なんじゃないかって思う。

 だってさ、あちこちで色んな事件が起きてるのに、暇な刑事なんてるわけがないんだ。


 それに、おおくぼ刑事は左足を痛めているのか、不便そうに歩いているんだよ。 

 商売道具のように足で稼ぐ警察官が足を痛めていたら、捜査をしている仲間の足手まといになって迷惑を掛けてしまうかも知れない。

 おおくぼ刑事は、そう考えて敢えて留守番役を買って出たんじゃないのかな? 

 ほんのところはおおくぼ刑事にしか分からないけど……。

 理由はどうあれ、話を聞いてもらえるんだから、オレにとってはがたい事ではある。

 だから、おおくぼ刑事の優しい厚意に乗っかって甘える事にしたんだ。


 おおくぼ刑事は、いやな顔をしないで真剣な顔でオレの話を聞いてくれる。

 オレの言葉に相槌を打ってくれるのは、流石は刑事だと思った。

 疑うのが仕事だってく言われるけど、聞き上手でもあるんだな。

 聞き込みとか事情聴取もするんだから、聞き上手でかせ上手じゃないと、犯人から重要な情報を聞き出せないもんな。


マオ

「 ──そんな訳で、オレは探偵をしているおんじょうゆうさんに【 連続探偵殺害事件 】の被害者になってもらいたくないんだ。

  犯人を捕まえる手伝いをオレもしたいんだ!

  オレ、こう見えても腕にも足にも自信があるんだよ!

  警察官じゃないけど、捜査に加われないかな? 」


 我ながら無茶な事を言ってると思う。

 一般人が「 【 連続探偵殺害事件 】の捜査に加わって犯人逮捕に協力したい! 」なんて、「 寝言はベッドの中で言え! 」って怒られても文句を言えない事をオレはおおくぼ刑事に言ってるんだ。

 したら大人に見えない容姿のオレが、なにを訴えても相手にされず、軽く聞き流されて終わりだろう。

 オレと向き合うように座っているおおくぼ刑事も困ったような顔をして考え込んでいるみたいだし。

 失敗しちゃったかな??


大窪刑事

「 ──マオ君がおんじょうゆう君を心配をする気持ちは、私にも分かるよ。

  おんじょうゆう君は、1人前の探偵として活動を始めたばかりだからね。

  おんじょうゆう君だけじゃなく、若い探偵達には危険性の少ない事件を依頼して、少しずつ現場に慣れてほしいと思っているんだ。

  今回のような探偵ばかりを襲った【 連続探偵害事件 】には、探偵に依頼をしないで方向で警察だけで解決させようと動いてはいるんだ 」


マオ

「 そうなの?

  今回の事件に探偵は加わらないんだ… 」


大窪刑事

「 警察からは探偵に依頼はしないけれど、探偵は探偵で独自に【 連続探偵殺害事件 】の捜査をしているよ。

  今回の被害者はおんじょうすぐるの愛弟子だから、おんじょうすぐるも事件を解決させる為にまな弟子達と独自に捜査を始めている筈だよ 」


マオ

おんじょうすぐるって探偵が、おんじょうゆうさんの師匠なの? 」


大窪刑事

「 そうだよ。

  来年の2月に88歳になる現役の探偵だよ 」


マオ

「 えっ?!

  あと2ヵ月で88歳になるのに、だ現役の探偵??

  探偵には定年はないの? 」


大窪刑事

「 探偵は個人営業だからね。

  定年はないんだよ。

  定年した警察官が探偵になる場合もあるんだよ。

  警備員に再就職する警察官もるね 」


マオ

「 へぇ……そうなんだ。

  おおくぼ刑事も探偵や警備員に再就職するの? 」


大窪刑事

「 ははは……。

  私は再就職しないよ。

  昔から土いじりが好きだからね、妻と庭いじりをして楽しもうと思っているんだ。

  父親は庭師だったし、弟は父の跡を継いで庭師をしているよ 」


マオ

「 再就職する刑事さんばっかりじゃないんだ…。

  おおくぼ刑事、おんじょうすぐるさんの探偵事務所ってにあるの? 」


大窪刑事

おんじょうすぐる探偵事務所かい?

  県外にあるよ 」


マオ

「 県外?!

  県外にあるんじゃ、行けないよ… 」


「 ──に行くつもりです? 」


マオ

「 えっ?? 」


 おおくぼ刑事と話していたら、聞き慣れたら声が背後から聞こえた。

 なんで聞こえない筈の声が聞こえてるんだよ??

 声がした方へ振り向いてみたら、セロが立っていた。

 あっ……終わった。

◎ 訂正しました。

  考え混んで ─→ 考え込んで

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