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✒ 探偵が本屋に来たよ! 1


──*──*──*── 11月中旬


──*──*──*── 1階・本屋


 もう11月か……。

 あと2週間ほどしたら12月だ。

 8月に入ってから開店した【 セロカ君の本屋 】も開店してから3ヵ月が経ったんだなぁ~~。

 9月は店内を月見をイメージして飾り付けしたし、10月は店内をハロウィンをイメージして飾り付けをしていた。

 11月は特に店内の飾り付けはしていない。

 12月はクリスマスをイメージした飾り付けをするじゃないかな。


 来年からは行事に合わせて、セロカ君グッズのデザインを変えて販売もしていくみたいだ。

 店内の1角にセロカ君専用スペースを作って、オリジナル商品の販売も始めるらしい。

 セロカ君の人気って異常なんだよな…。

 もしかして、魅了チャーム魔法マジックでも掛けてるのかな??

 セロなら、やり兼ねないよな?


 それにしてもつぎ(つぎ)とセロカ君と加盟店とのコラボ(コラボレーション)グッズが増えてるよなぁ。

 QRコードを読み込んで、セロカ君カードの会員番号を登録すると【 セロカ君の本屋 】公式HRホームページに入れて、全てのセロカ君グッズを回覧する事が出来るようになっている。

 非売品で今はもう入手の出来ないキーホルダーも見られる。

 グッズを立体的に見る事が出来て、色んな角度からグッズを見らるから暇潰しに持っていなんじゃないかな?


 セロ()カ君()カードに登録されているポイントもチェックが出来て、わざ(わざ)本屋へ行かなくてもセロカ君グッズをポイント買いをする事が出来るようにもなった。

 セロカ君グッズの受け渡しは本屋でじかにしか出来ないけど、公式HRホームページ画面から[ グッズ予約画面 ]をレジのスキャナーでスキャンとすると、[ お渡し画面 ]に切り替わって、セロカ君グッズに付いてるバーコードをスキャナーでスキャンをすると、[ お渡し完了画面 ]になる。

 セロカ君グッズが御客の手に渡れば終わりだ。


 本屋ではポイント交換しか出来ないセロカ君グッズだけど、【 セロカ君の本屋 】公式HRホームページに登録してくれた会員に限り、[ グッズ販売画面 ]からポイントで足りない分を現金で補って買う事も可能になった。

 1ポイントが100円なのは変わらない。

 30ポイント足りない場合は、3.000円を本屋の会計レジで支払う形になるわけだ。

 足りない分を現金で支払って迄、セロカ君グッズを欲しがる異常者がるのか、オレには分からないけどな?


 だけど、ネット社会って言われるだけあって便利な世の中だよな~~って思う。 

 島国なのに凄いよな。

 ネット社会なんて、ほかの大陸では考えられないよ。

 ほかの島国へ行くのが楽しみになってたかもだ!

 独自の進歩で近代社会ってのに発展した豊かな島国……あなどれないよな。


 店内を巡回していると、推理小説コーナーで立ち読みをしている御客を見付けた。

 休憩コーナーで座って読めばいのにな。

 あっ、別に万引きを引き起こさせようと思って休憩コーナーを薦める訳じゃないぞ!


マオ

「 こんにちは!

  あっちにソファーがあるから、座って読めるよ 」


御客

「 ん?

  あぁ…ソファーね。

  知ってるよ。

  がとう、坊や 」


マオ

「 坊やぁ~~?

  オレ、店員なんだけど…… 」


御客

「 あぁ──、お父さんの手伝いをしているんだろ?

  偉いな 」


マオ

「 お父さん??

  お父さんって店長の事? 」


御客

「 坊やは、お父さんに似てないから、お母さん似かな? 」


マオ

「 ははは…… 」


 オレって、お客さんにセロの息子だと思われてるんだ?

 ショックぅ~~~~。

 兄弟とは思われないんだ??

 なんでだろう?

 似てないからかな??


マオ

「 店長はオレの父さんじゃなくて兄さんだよ。

  似てないのは、母親が違うから!

  異母兄弟なんだ 」


御客

「 ………………そうなのか?

  兄弟だったのか…。

  推理がはずれたな 」


マオ

「 推理? 」


御客

「 僕は探偵なんだ。

  推理小説を読むのが趣味でね。

  今日きょうも買いにたんだ。

  ほら、今日きょうポイント5倍デーだからね! 」


マオ

「 御客さん探偵なんだ?

  探偵も推理小説を読んだりするの? 」


探偵

「 勿論だよ。

  推理小説を読まない探偵はないと思うよ 」


マオ

「 へぇ?

  そうなんだ?

  じゃあ、推理ドラマとか刑事ドラマも見たりするの? 」


探偵

「 勿論、見るよ。

  この本屋は凄いよね!

  既に絶版されていて入手がむずかしい小説も取り寄せてもらえるんだからさ!

  今日きょうも取り寄依頼をしていた小説が入荷したメールを受けて、買いにたんだ!

  がたいよ! 」


マオ

「 そうなんだ?

  御客さんの役に立てて嬉しいよ 」


 そりゃ、〈 (原質)(みなもと) 〉で構成するんだから絶版された書籍の入手だって楽勝だよ。

 セロめ、取り寄せ依頼なんてのもしてたのかよ。

 オレが知らない内に手広い事してんだな…。

 どおりで御客が離れていかない訳だ。

 絶版して入手の出来ない書籍が取り寄せてもらえるんだから、そんな便利な本屋から離れるなんてしないよな?

 探偵まで買いにてるなんて…。


探偵

「 夜になると客数も少なくなるから買い易くなるんだ。

  人目を避けて買えるし 」


マオ

「 人目を避けて買いたいの? 」


探偵

「 まぁね……。

  あまり目立ちたくないんだ。

  探偵には珍しいかも知れないね? 」


マオ

「 探偵って目立ちたがりなの? 」


探偵

「 そうだね…。

  テレビや雑誌に出ると名前が売れるし、依頼もるようになるからね。

  目立ちたがり屋と言うより、自分を売り込む探偵が多いよ。

  待っていても事件の依頼が転がり込んでる探偵なんて、そうそうないよ。

  探偵はみんな、自分の名刺を持って警察へ売り込みに行くんだ 」


マオ

「 そうなんだ…。

  探て──、お兄さんも自分も売り込みに警察へ行くの? 」


探偵

「 そう…だね。

  僕は血が苦手だから、物騒な事件の依頼は受けられないんだけど、がたい事に事件が起こると声を掛けてもらえるようになったんだ 」


マオ

「 へぇ~~。

  じゃあ、普段は忙しかったりするの? 」


探偵

「 そうだね。

  事件の掛け持ちは出来ないから、解決させる迄は依頼に付きっきりになるからね。

  刑事ほどではないけどハードかな 」


マオ

「 じゃあ、売れっ子の探偵は引っ張り凧で大変なんだろうね? 」


探偵

「 あはは……そうだね。

  激務でも体調管理には常に気を付けないといけないし、大変だろうね。

  働き方改革にはえない職業だろうね 」


 探偵のお兄さんは、取り寄せた書籍以外にも小説を買ってくれるみたいだ。

 オレには推理小説ってむずかしくて全然読めないけど、セロはむずかしそうな小説も好きそうだよな~~。


セロフィート

「 ──おんじょうさん。

  お久し振りですね、取り寄せた書籍を買いにられたのですか? 」


探偵:祇園条

「 ──あっ、店長さん!

  はい。

  依頼を受けていた事件が解決したので買いにしました。

  また、依頼が入るか分からないので… 」


セロフィート

「 用意させます。

  取り寄せたい書籍は有ります? 」


探偵:祇園条

「 あります!

  昔の探偵小説なんですけど── 」


 セロは探偵のお兄さんと親しそうに話すと、会計レジの方へ誘導して行った。

 おんじょうって凄い名字だよな…。

 本名かな?

 それとも探偵ネームってヤツかな??

 それにしてもおんじょうさん、セロを見た瞬間、顔が輝き出したんだけど……まさか…セロの事が好きなんじゃ…………。

 いやいやいや、女じゃあるまいし!

 探偵だし、男だし、セロは人間じゃないし!!

 セロはオレだけのセロだし!!

 気の所為だよな??

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