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✒ 裏野ハイツに死神が来たよ!


──*──*──*── 裏野ハイツ


セロフィート

「 ──着きました。

  がワタシの裏野ハイツです 」


死神

「 …………相変わらずの歪み具合だな… 」


セロフィート

「 中へどうぞ 」


 セロフィートは裏野ハイツの1階にある102号室のドアを開けると死神を迎い入れた。


──*──*──*── 1階・リビング


セロフィート

「 座って待っていてください。

  紅茶ですけど、好きなだけどうぞ 」


 セロフィートは死神をソファーへ座るよう促す。

 テーブルの上には高級そうなティーセット一式が並んでいる。

 死神はソファーへ腰を下ろして座ったあと、ティーポットの取っ手を持つ。

 持った感覚からティーポットの中はからではないようで、紅茶が入っているのだろう。

 ティーポットを傾けると、注ぎ口から紅茶が出てる。

 からっぽのティーカップの中へ香りのい紅茶が注がれていく。

 3段になっているケーキスタンドの上から1段目には1口サイズの焼き菓子類が乗せられており、2段目には一口サイズのフルーツ,ケーキが乗せられており、3段目には軽食用のなのかサンドイッチが乗せられている。


死神

の時代のティータイムだ… 」


「 只今、帰りましたエリ 」


 壁にえがかれているドアの絵をとおり抜け、1体のキノコンがリビングに現れた。

 当然、死神はキノコンを知らず、見た事もない。

 短い数本の足で器用にトテトテと歩き、陽気に喋るキノコの化け物を見て、驚いた死神は口に含んだ紅茶を吹き出した。


「 エリ~~?

  御客様ですかエリ?

  初めましてですエリ。

  僕はキノコンのマオキノですエリ。

  マオ様の専属御世話係ですエリ 」


 御客の死神に向かって礼儀正しく挨拶をするキノコンのマオキノ。

 マオキノの胸には蒼色に輝く宝石で作られた美しい勲章が付けられている。


マオキノ

「 畑の御世話をしますので、失礼しますエリ 」


 紅茶を吹き出した御客の死神に対して、清潔なタオルを用意して手渡したマオキノは、窓のカーテンを開けると窓を開けて裏庭へ出て行った。

 タオルを受け取った死神は口元と濡れた部分を拭く。

 再度、紅茶を口に含むと、さっきとは別のドアの絵をとおり抜けて、もう1体のキノコンが現れた。

 流石に2回目だった事もあり、死神は紅茶を吹き出す事はなかったが、身体からだは自然に硬直してしまう。


キノコン

「 エリ?

  御客様ですかエリ?

  初めましてですエリ。

  僕はキノコンのセノコンですエリ。

  セロ様の専属御世話係をしてますエリ 」


 キノコンのセノコンも可愛い声で礼儀正しく御客の死神へ挨拶をする。


セノコン

「 ティーフードは1番上が甘いですエリ。

  下段から召し上がると宜しいですエリ 」


 セノコンの胸には白く輝く宝石で作られた勲章が輝いている。


セノコン

「 花壇の御世話をしますので、失礼しますエリ 」


 ペコリ…と器用に死神へ頭を下げたセノコンは開いている窓から裏庭へ出て行った。

 2体の喋るキノコの化け物を見てしまった死神は、天井を見上げたまま深呼吸をする。


セロフィート

「 ──御待たせしましたね。

  これがリストになります 」 


 セロフィートはまえもって〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に作成させていたリスト表をテーブルの上に置く。


セロフィート

「 裏野ハイツ設立 ~ 10年前まで裏野ハイツで暮らしていた元住人達のリスト。

  10年前の【 ケツ牛蒡ゴボウ事件 】の被害者リスト。

  体内破裂以前の “ 不慮の事故 ” で半身不随として病院に入院している患者リスト。

  1ヵ月前から体内破裂により病院で入院している患者リスト。

  から病院送りになる似非宗教達のリスト。

  ──以上になります 」


死神

「 リストアップは助かるが……、量が多いな。

  これを持ち帰るのか…… 」


セロフィート

きみの自宅へ転送させましょう。

  持って帰る手間が省けますね 」


死神

「 僕の自宅がに在るのか知っているのか? 」


セロフィート

「 ワタシは〈 (霊妙な能き)(の主宰者、)(諸天善神)(諸菩薩) 〉に作られたセロフィートです。

  きみの自宅の場所ぐらい分かります 」


 セロフィートは死神の目の前で古代エンシェント魔法マジックを発動した。

 テーブルの上に置かれたリスト表は、出現した魔法マジカルサークルが光ると死神の目の前から忽然と消えた。


セロフィート

「 帰宅したら家族とリスト表の確認をしてください 」


死神

「 まるで弱味を握られた気分だ… 」


セロフィート

「 ふふふ。

  仲良くしましょう。

  きみも自宅へ転移します? 」


死神

「 不要だ。

  帰宅ぐらい自分で出来る。

  ──それより、あのキノコの化け物はなんだ? 」


セロフィート

「 キノコンの事ですね。

  アレはワタシが実験で生み出したモンスターです。

  可愛い容姿と声に似合わず、とても強いです。

  防犯設備が皆無な裏野ハイツで安全に暮らせるのはキノコンがるからです 」


死神

「 ………………。

  くも今まで世間にバレないものだな 」


セロフィート

「 外から裏野ハイツの中を見えないよう結界魔法を掛けてますし、不法侵入者はキノコンが骨も残さずべてくれます 」


死神

「 …………アレ(キノコン)は人間を食べるのか? 」


セロフィート

「 勿論です。

  特に脳ミソが大好物で── 」


 セロフィートが笑顔で話す物騒な内容を聞いて、死神はクラッと意識を失いかけた。

 とんでもない生物を裏野ハイツの防犯に利用しているセロフィートを見て、早く裏野ハイツから立ち去ろうと考えていた。


死神

「 長居をした。

  そろそろ帰るとしよう 」


セロフィート

「 そうですか。

  普段は◯◯◯県の◯◯◯市◯◯◯郡◯◯◯町◯◯◯にある【 セロカ君の本屋 】にます。

  ければでもてください 」


死神

たずねなくて済む事を祈る 」


 ソファーから腰を上げた死神は速攻で裏野ハイツから出ようとしたが、玄関で靴を履き終えた矢先、セロフィートに呼びめられた。


セロフィート

「 忘れ物です。

  ティーフードぐらいは持ち帰れるでしょう? 」


 セロフィートから手渡されたのは、テーブルの上に出されていただ手を付けていないスイーツ,フルーツが入れられたケーキボックスだった。

 一体から出したのか聞くのは愚問だろう。

 死神はセロフィートからケーキ箱を受け取ると玄関のドアを開けると、裏野ハイツの敷地内から急いで出て行った。


セロフィート

「 死神とはセッカチですね… 」


 玄関で死神を見送ったセロフィートは、裏庭で作業をしているセノコンとマオキノに声を掛けて暫く話をしたあと、再び裏野ハイツを出るとかへ出掛けて行った。

◎ 変更しました。

  3段になっている皿 ─→ 3段になっているケーキスタンド

  ケーキ箱 ─→ ケーキボックス

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