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✒ 殺戮人形と死神の対話


セロフィート

「 そうそう、からしょう(しょう)島国全体が騒がしくなります。

  きみ達の邪魔をしてしまうかも知れません 」


死神

なにが起こるんだ? 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  〈 (霊妙な能き)(の主宰者、)(諸天善神)(諸菩薩) 〉を冒涜し悪用している “ いけない似非宗教達 ” に少しだけ “ めっ ” するだけです 」


死神

「 ………………。

  〈 ゴデ()ッセ(にん)ルロド(ぎょう)ール(さま) 〉の “ めっ ” っとやらは、日本全国を震撼させるレベルと言う事か… 」


セロフィート

「 震撼は言い過ぎです。

  ほんの少し騒がしくなるだけです 」


死神

「 特に問題ない。

  宗教対象(ターゲット)にしていないからな 」


セロフィート

「 病院送りになる似非宗教も出るでしょう。

  翌月に入ったらたましいを刈ってくれて構いません。

  入院患者を対象ターゲットにしてます? 」


死神

「 息子の1人が入院患者を対象ターゲットにしているが… 」


セロフィート

「 それは好都合です。

  きみならば既に知っているでしょうけど──、ワタシの本屋で万引きをした人間達を病院送りにしてます。

  “ 不慮の事故 ” に遭い、生涯を病院のベッドの中で生きる事になった半身不随の患者達です 」


死神

「 “ 不慮の事故 ” か。

  殺さなかったのが意外だな 」


セロフィート

「 ワタシの玩具おもちゃいやがったのです。

  玩具おもちゃは、元人間ですから。

  ──警察の捜査が打ち切られるそうなので、正式に打ち切られた翌月にたましいを刈ってしまってください 」


死神

「 結局は殺すのだな… 」


セロフィート

「 無理に生かす必要もないでしょう。

  ベッドから起き上がれない半身不随では大好きな万引きも出来ませんし。

  優しい夢を見させているあいだに刈り取ってしまえばいでしょう。

  安らかな寝顔で死なされば、誰も死因を暴こうとはしません 」


死神

「 そうだろうな。

  最後ぐらいは幸せな夢ぐらいは見せてやるとしよう 」


セロフィート

「 そうそう──、10年前に世間を騒がせた【 ケツ牛蒡ゴボウ事件 】とやらを知ってます? 」


死神

「 ニュースで見ていたからな。

  アレも〈 ゴデ()ッセ(にん)ルロド(ぎょう)ール(さま) 〉の仕業だったのか? 」


セロフィート

「 この島国で生活するには資金が必要でしょう?

  生活資金を調達するついでに遊んでみました 」


死神

「 資金調達する “ ついで ” に【 ケツ牛蒡ゴボウ事件 】を起こしたと?

  スケールが違うな… 」


セロフィート

「 被害者の身元,現在地ぐらい死神のきみ達ならば簡単に知れますね? 」


死神

「 当然だ。

  捜し出す事は容易だが 」


セロフィート

かれたましいも翌月から刈り取ってください 」


死神

「 生かしたのに殺すのか? 」


セロフィート

「 ワタシの玩具おもちゃいやがりましたからね。

  きみが遭いにてくれてかったです 」


死神

「 死神にたましいを刈り取る人間を紹介する〈 ゴデ()ッセ(にん)ルロド(ぎょう)ール(さま) 〉は初めてだ… 」


セロフィート

「 ふふふ。

  こういうのもたまにはいでしょう?

  それと── 」


死神

だあるのか?! 」


セロフィート

「 米●町米●横丁に裏野ハイツがあります。

  裏野ハイツの噂は知ってます? 」


死神

「 死神が知らない訳がないな。

  彼処あそこの敷地内はよどみが酷く、鬼門と霊道が重なっている所為で空間が歪んで見える。

  怪奇現象,心霊現象が起こるのは当然だ 」


セロフィート

「 流石ですね。

  住人達が裏野ハイツを卒業したあと、不動産屋から裏野ハイツを買い取り、現在はワタシの私有地となってます 」


死神

「 あの問題しかない裏野ハイツを私有地にした?

  物好きだな… 」


セロフィート

「 20人も子供がるのです。

  なんにんか、手のいている子供がるのではないです? 」


死神

るにはるが──、なにをさせる気だ? 」


セロフィート

「 裏野ハイツが建った日 ~ ワタシが買い取る前に裏野ハイツを卒業した住人達のたましいを刈り取ってください 」


死神

なんだと?! 」


セロフィート

「 翌月から1人ずつ、 “ あいうえお順 ” でたましいを刈り取らせてください。

  リストアップした資料を〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に作らせてます。

  裏野ハイツまで取りにてください。

  いですね? 」


死神

「 “ 拒否権は無い ” という事か… 」


セロフィート

「 拒否権…です?

  ワタシの “ お願い ” を拒否するつもりでした? 」


死神

「 …………死神を脅迫するのか? 」


セロフィート

「 脅迫だなんて…。

  ワタシは真心を込めて “ お願い ” しているだけです。

  そうでしょう? 」


死神

「 …………やはり〈 ゴデ()ッセ(にん)ルロド(ぎょう)ール(さま) 〉は〈 ゴデ()ッセ(にん)ルロド(ぎょう)ール(さま) 〉だな。

  理由はなんだ?

  設立からの住人達を死なせなければならない理由があるのか? 」


セロフィート

「 唯の話題作りです。

  裏野ハイツ設立時代 ~ 歴代の住人達が1日1人ずつ原因不明の死を迎えるのです。

  ワタシの裏野ハイツに注目が集まります。

  1泊2日の宿泊体験の事も便乗して島国じゅうに知れ渡るでしょう?

  新しい事業も始めますし、その宣伝にもなります 」


死神

「 人間の死を話題や宣伝に利用するのか?

  その為にたましいを刈れと? 」


セロフィート

「 そうです。

  きみの子供達も家族を増やす為にたましいを刈っているのでしょう?

  手助けになります。

  悪い話ではない筈です 」


死神

「 断れないのならば、受けるしかあるまい。

  ほんとういんだな? 」


セロフィート

「 構いません。

  一思いに刈り取ってください。

  あぁ、それと── 」


死神

だあるのか?? 」


セロフィート

「 ワタシの本屋から万引きをした人間がほかにもます。

  体内破裂に遭わせたので、虫の息でかろうじて生きています。

  病院に入院してますから、全員のたましいついでに刈り取ってください 」


死神

「 ………………拒否は出来ないのだろう?

  引き受けるしかあるまい 」


セロフィート

「 お願いしますね。

  折角ですし、ワタシの裏野ハイツへ行きましょう。

  リストアップしている資料も渡したいですし 」


死神

「 ………………会いにるんじゃなかった… 」


セロフィート

「 おや?

  感謝はしてくれません?

  喜んでもらえると思っいましたけど? 」


 セロフィートは悪びれもなく菩薩のような笑顔で苦虫を噛み潰したような顔をしている死神へ微笑むのだった。

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