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第十話 スタメン
みんなの中になんとなくある"あいつは上手い""あいつは下手"といった感覚で、
スタメンは決まっていった。
「俺、4番やってもいいかな。」
鉄平が勇気を出して立候補した。
一般組の中では鉄平は断トツに上手い。
その優しい性格からは意外で、パワーがありホームランか三振といったバッティングをする。
本来なら、下位打線にいると怖い存在といった感じだが、2軍の1年生の中では、
鉄平より4番に向いている選手はいないため、文句なしで決まった。
「2番に、俊太君はどうかな。」
野球素人の俊太を上位打線に薦める鉄平の発言に
俊太も含めて全員が驚いた。
「俊太君、バント得意だよね。」
俊太は、持ち前の動体視力から、止まっているボールにバットをコツッと合わせるだけで、
好きな場所にボールを転がす事ができた。バントの上手さだけは全員が納得した。
「1番バッターが出塁したら、確実に俊太君が送って、3番、4番で返す。
それで確実に1点ずつ点を取るのが、僕たちは向いていると思う。」
本来は、盗塁やエンドランといった細かい作戦を取り入れるべきだが、
2軍の1年が出来る事は限られている。個人のアピールより2年生を倒したい。
知り合ったばかりの1年生たちだったが、偉そうで意地悪な2年生達に対して、
勝ちたいという気持ちが団結させた。




