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わかったような、わからないような
私はゲームをほとんどやらないから、思い出しても自分がどのキャラクターに転生したのかわからなかった。
覚えているのは、壁に掛かった大きなポスター。
それだけ。
ゲームという今この世界にはないコンテンツを思い浮かべられたのも、転生者である証拠だろう。
しかし残念ながら、それ以上の情報がなかった。
幼い頃から、身の回りのことに違和感があった。
自分や家族の髪の色、目の色、衣服。
多様な色に古風な装束。
整った外見。
おかしい、これは違う。
でもこれが大多数だ。
自分のグレーがかった髪色も、暗色のものが多い中では珍しいが、なぜそんな強烈な違和感があるのか、幼心に理解できなかった。