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妖子の剣士  作者: ゆゆ
4/27

試験開始!

4話目です!!学校の試験の関係で、投稿が遅れてしまいすみません!!

陽滅隊試験の導入部分です、新しいキャラも小出しして行きますので、見てってください!

ー2日後ー


「着いた〜〜!」


「ちょっと!声でかい!」


ここは、この国(日の国という)で最も中心に位置する都市、大都。陽滅隊の本部を中心に何本もの大通りが四方八方に伸び、沢山の商店や家が連なっている。この都市は、陽滅隊の為に作られたような都市で人口の8割は元隊員なんだとか。


「すげー賑わってんな!」


「本当に!いろんなもの売ってるね!」


人通りが多く、歩いているだけで楽しくなってくるようで、店は食べ物から衣服に至るまで多岐にわたっている。


「へ〜、妖怪まんじゅうだってよ!うまそー!」


焔は、目を輝かせてよだれまで出している。


「今はだーめ!試験の登録が今日の昼までだから早く行かないと!」


「ちょっとくらい、いいじゃんかー!」


「観光はあと!さあ、いくよ!」


焔はなんとか抵抗しようとしたが、抵抗虚しく志乃に首をつかまれひきずられていった。









「ここが本部!?デケー…」


「敷地広すぎない?…」


陽滅隊の本部は、塀に囲まれた広大な敷地に大都の街並みに合った和風の大きな建物がいくつも建てられていた。


「へー、結構いるもんだな。」


「うん、競争率激しいのかも。」


本部の敷地の門をくぐってすぐのところに簡易型のテントが建てられていて、試験に参加するのだろうと思われる若者たちが行列を作っていた。


「こりゃあ、時間かかりそうだぞ?」


「う〜ん、でも昼までに終わっちゃうし、ここは我慢して早くおわらせちゃおう!」


「むー、しゃあねーか…」






ー数十分後ー




「よーし!終わった!」


「結構並んだねー!」


「俺もう、クタクター」


「私もちょっと疲れちゃった〜」


二人は山奥の村から今まで一度も出たことのない田舎者なので、こんなに人の多いところに来たのは初めてだし、長蛇の列に並ぶなどもってのほかなのだった。


「人多すぎてなんか気持ち悪い…」


焔は、人に酔ってしまいフラフラになって歩いている。


「ちょっと焔、そんなフラフラしてると人にぶつかるよ!ちゃんと歩いて!」


「分かってるけどよ〜」


焔は気のない返事をしてまだフラフラと歩いている。


「ちゃんと前見なさいよ!あっ!ほら危ない!」


「へ?」


ドシーン


焔は気付かず何かにぶつかって尻もちをついてしまった。



「いててて…」


自分のお尻をさすりながら何に当たったのか確認しようと見上げると、そこには焔達と同じくらいの歳の青年が立っていた。


「あ!すまん!俺、前見てなくて…、怪我ねぇか?」


薄い茶色の髪に黄色い瞳の人の良さそうな青年が焔に手を差し出しながら、申し訳なさそうに言った。


「あー、ありがと。大丈夫!俺も前見てなくて悪かった。」


焔は青年の手を取って立ち上がる。


「じゃ、お互い様ってことで!」


青年は笑顔で返した。


「ところで、君も陽滅隊の入隊試験に来たの?」


「え!もしかしてお前も?」


焔がそう答えると青年はパッと顔を輝かせて焔の手をギュッと握った。


「そうか!君も陽滅隊に入るのか!俺の村から試験受けに来たの俺だけでさ、めちゃ不安だったんだ!」

「これも何かの縁だ、どうか仲良くしてやってくれよ!」


「おー!もちろん。俺、千影焔。よろしく!」


「俺は、寺門大地(てらかど だいち)。お互い試験頑張ろうな!」


「おう!」


そんな会話をしていると、少し後ろで様子を見ていた志乃が声をかけてきた。


「焔?大丈夫だったの?」


「おう!、平気平気!」

「それがコイツいいやつでさ!コイツも陽滅隊の試験受けるんだって!」


それを聞いて志乃は大地に気づいた。

大地も志乃のことを気づいていなかったようで、驚いたように目を見開いてから、無言で口を開けて志乃を見つめている。


「はじめまして!私、千影志乃。よろしくね!」


「・・・・。」


「….?」


大地が志乃の顔を見たまま固まっているのを見て、

志乃は困惑した顔をして焔にSOSの視線をおくる。


「えっと…、どうした?」


焔が顔を覗き込むようにして尋ねると、大地はやっと我に返った様子で小さく呟いた。


「か、かわいい…」


「は?」


焔が聞き返すと、大地はものすごい勢いで焔の肩を掴んで道の端まで移動する。


「なんだよ、急に!」


「あ、あの子!焔のお姉さんか!?お姉さんか?」


「いや〜、それが難しいんだけどよ!苗字はじっちや…師匠からもらったもんで、一緒に住んではいたけど血は繋がってねぇから、兄妹ってのもなんか違うし…、あ!幼馴染みかな?」


「なん…だと!?幼馴染みと、ひ、ひとつ屋根の下だ…と?」


大地は、それを聞いて驚きとも怒りとも取れない表情になる。


「あんな、かわいい子と、ど、同居…!?」


「?、どうしたんだよ?」


やがて、大地はプルプルと肩を震わせ始めた。


「おーい?大丈夫か?」


「け…」


「け?」


「けしからーーーーーーーーん!!!」


大地は爆発したかのように吠えた。


「ビックリした!なんなんだよ!」


「けしからん!けしからん!うらやまけしからーーーーーーーーん!!!」

「焔、お前!あんなかわいい幼馴染みと同居してたのか!!!くっ!俺の村の女と言やぁ、梅(87歳)、珠代(90歳)、千代(92歳)、だってのに!許さん、許さん、

これが主人公補正というやつか…!作者め…ブツブツブツ」


「お、おい?どっか打ったか?」


「打ってねぇーー!本気で心配してんじゃねぇー!

本気で悲しくなるわ!」


「な、なんか知んねえけどそんな怒んな、な?」


「うるせぇ!お前なんかに俺の気持ちが分かるかぁ〜!うわ〜〜〜ん!」


大地は泣きながらものすごいスピードで走りさっていった。


「な、なんだったんだ?」


焔はポカーンと何が起こったのか分からずソレを見送るしかなかった。すると、いつのまにか横に立っていた志乃が引きつった顔をして言った。


「なんか…変な人だったね。」


「うん、都会怖ぇ…」







その後、二人は街中を歩きまわり気になる店を片っ端から制覇して十分に観光をし、宿を取り、試験に備えて早めに就寝したのだった。






ー翌日ー



二人は、集合場所である陽滅隊本部の一際大きな建物の前で試験の開始を待っていた。

しばらくすると、その建物から一人の男が出てきた。

背はすらりと高く、長く伸びたクリーム色の髪はゴムか何かでまとめているのだが、それでも背中の下あたりまで垂れている。一瞬、女性かと思うほど整った顔をしていて、その顔には笑顔が浮かべられ、いかにも優男といった感じである。



「よく集まってくれた、陽滅隊志願者の諸君!」

「僕が今回、君たちの試験官を務める清水琥太郎

(しみず こたろう)という、よろしく。」


清水琥太郎と名乗ったその男は、澄んだ声で説明を始める。


「じゃあ、さっそく試験内容に移るね!今から君たちにはこの敷地内にある訓練用の森に入ってもらう。」


敷地内に森!?


なんでもありかよ!


それを聞いた若者たちは驚き、ざわざわとし始めるが琥太郎は気にせず続ける。


「試験内容はいたってシンプル、この森には大きな蜘蛛の妖怪が放ってあるから、それを合図があるまで狩りまくる。ね?簡単でしょ?」


爽やかな笑顔で聞き返す。


「え、嘘!私、蜘蛛無理かも(泣)」


「志乃、ドンマイ!」


「そうだよね、試験内容が変わるわけないし。」


志乃は小さく肩を落としたが、どうやら聞こえていたようで、


「ゴキブリでもいけるけど?」


「いえ…、大丈夫で、す…」


志乃はより顔を青ざめて全力で首を横に振る。


「じゃあ、変更はなしだね!」


うんうん、と今度は勢員が全力で頷く。


「分かってるとは思うけど、相手も攻撃してくるからね!でも、安心して!死ぬ前にウチの治療班が回収してくれるから!」


「死ぬ前まで助けてくれねぇのかよ…」


焔は苦笑いしながら呟く。



「じゃあ、試験会場まで案内するからみんな付いてきてね!」



琥太郎に案内されたのは、訓練用と立て札の立ててある、まさしく森であった。森へと続く道は暗く、遠くまで見通すことができない。まるでその森の中だけ夜であるかのようで、とても不気味な雰囲気を醸し出している。


「よし、着いたね。武器はそこに用意したものを使用してね。それ以外は認めません。ある程度揃ってるはずだから自分の使い慣れてるものを使ってね。」


「俺は、当然刀だな!」


「師匠に死ぬほど稽古付けられたからね。」


他の者たちもそれぞれ自分の一番自信のある得物を選んでいく。


「みんな選び終わったかな?じゃあ、ウズウズしている者もいるようだから、そろそろ始めようか。」


そう言うと、琥太郎に今まで浮かべてられていた笑顔

消え、真剣な表情になる。


「これより、陽滅隊入隊者選別を行う!試験終了は、試験官が終了の狼煙を上げるまでとする。志願者同士大いに競い合いように!」


では、始め!!





やっと試験始まんのかよ〜!って感じですね!!

これからも自分なりに頑張りますのでよろしく願いします。

評価等して頂けたら作者のモチベーションが上がります!何卒よろしくお願い申し上げます笑笑

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