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妖子の剣士  作者: ゆゆ
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焔と志乃

遅くなりました!第2話です!

構想を練らなさ過ぎてめちゃ時間かかります笑笑

それに目標まで行けていない始末…

色々問題はありますが、どうか見ていただけると嬉しいです。よろしくおねがいします!

ー15年後ー


ある山奥の小さな村、自然豊かなこの村は貧しいながら村人も皆仲良く幸せな日々を送っていた。

この日もいつも通りの朝、綺麗な川、森、澄み切った空気、青空、そして轟音.... 轟音?


うおおおおおおおおーーーー!


地面が震えるような轟音が村を駆け抜けて行く。


「ったく、また(ホムラ)の野郎か!朝っぱらから

うるせーったらねぇや!」


「本当にねぇー、でも元気でいいじゃない。」


その轟音いや、大声の正体は、村の中を叫びながら

全力疾走で走ってくる青年。千影焔(ちかげ ほむら)だ。髪は黒と赤の混ざったような色をしていて、その大きな目は、オレンジがかってはいるが綺麗な赤色をしていた。顔は、生粋の元気っ子という感じで黙っていれば整った顔をしている...と言った感じの青年だった。


「おー!おっさん、おばさん!朝から元気だな!」


「おめえに言われたかねぇよ!朝から大声出しやがっ

て。」


「まあまあ、いいじゃないの。おはよう、焔くん」


「おう、おはよう!おばさん!」

「わりーな!これも修行なんだ!」


「師匠さんに、大声も出せっていわれたのかー?」


「いや....、それは...言われてねえけど...」


「ほら、見やがれ!言われてねぇじねぇーか」


「やっぱ声出さねーと気合入んないんだよなぁー」


「フフフフ、いいのよ、この人何だかんだ言って焔くんのこと気に入ってるんだから」


「なっ!余計なこというんじゃねぇ!」

「まぁ、おめえの声聞かねえと朝の気がしねえだけだ!」


「・・・、おっさんキモいぞ...」


「なっ!てめぇ!」


「じ、じゃあ、俺まだ修行あるから!」

「またな!おばさん!」


「ハイ、また来てね」


「てめぇ、待ちやがれ!」


「おっさんもじゃあーなー!」


焔は、右手をヒラヒラさせながら走り去っていく。

後ろでまだ何か聞こえる気がするが、多分気のせいだろう。焔は今、修行で忙しいのだ。それに、早く戻らないとじっちゃんに怒られてしまう。


「じっちゃんのゲンコツ、イテーんだよなぁ」


焔は、じっちゃんのゲンコツを思い出し少し身震いする。


「早く戻ろ」






じっちゃんの家は、山の中にある村の一番上にある。

焔は、毎朝早朝に村を一周し、この家にかえってくる。

村自体は小さいが、なにぶん山の中にあるような村なのでその距離と使う体力は相当なものである。



「ただいま!じっちゃん!」


「お前またじっちゃんつったな!師匠と呼べと言ってるだろ!」

「俺はまだぴちぴちの60歳だ!」


「いや、十分ジジイだろ」


この男は、焔の師匠であり育ての親でもある男で、

名前を千影十蔵という。血は繋がっておらず、苗字が同じなのは、十蔵が焔をひろったとき親が見つからず

養子のような形で引き取ったからである。ちなみに焔という名前を名付けたのも十蔵である。


「じっちゃん起きてたんだな!いつもこの時間寝てるのに」


「わかってるならそんなデケー声出して帰ってくんじゃねえ」


「起きてたんだからいいじゃんか」


「テメーの声で叩き起こされるから、先に起きてたんだよ!」

「もっと俺を労わりやがれ!」


「やっぱジジイじゃん...(ボソッ)」


「なんか言ったか(ギロッ)」


「何も言ってません〜〜」


「ったく、クソガキが」

「そういや、志乃のヤツはまだ帰ってきてねえのか?」


「あれ?アイツまだ帰ってきてねーの?」

「いつも先に帰ってきてるのに」


「どうせまたあそこで瞑想でもしてんだろ」

「焔、ちょっと迎えに行ってやれ」


「えー、しょうがねぇなー」


「ガタガタ言ってねぇで早く行け」


「わかったって!いくよ!」


「お前が行けばアイツも喜ぶだろうよ...」


「ん?なんか言った?」


「言ってねえーよ、ほらいったいった!」


「じゃ、ちょっくら行ってくっか!」


焔はそう言って歩き出す。志乃が行くところと言えば何ヶ所か思い付くが、瞑想をする場所と言えば一つしかない。

じっちゃんの家の裏の道を少し行った所に竹林があり、そこに入って行くとすぐのところに開けた広場のようになっている所がある。そこで志乃はいつも瞑想をしているのだ。

志乃いわく、そこで瞑想をすると心を落ち着かせることができ、清々しい気持ちになるのだとか。

正直、焔はその気持ちは全然分からないと思っている。そもそも焔は、長時間じっとするような修行は苦手なのだ。そんなことをするくらいなら体を動かして忘れた方がマシだと思っている。いわゆる脳筋バカなのだ。


(志乃もよくあんなんやってられるよなぁ...)


そんなことを真剣に考えているうちに、竹林の広場にたどり着いた。


(おっ!やってるやってる)


そこには、目を瞑って座禅を組み、瞑想している少女の姿があった。髪は、薄い茶色で肩の少し上辺りまで伸ばしていて、片側だけ上の方で髪をくくって垂らし目の色は、焔と同じく綺麗な赤色で、整った容姿をしている。身体は細身で、身長は焔より少し低いぐらいである。(焔は165cmくらい)、ちなみに胸はこの年代の娘に比べては少し大きめである...(着痩せするタイプ)


「志乃!もう朝飯の時間だぞ!」


「はっ!ほ、焔!?」


「いつまでやってんだよ、じっちゃんが呼んでるぞ」


「ゴメンゴメン!ちょっと集中してたら時間忘れちゃって」


「ふーん、なんか悩んでんのか? なんかあったら言えよ?」


「ううん、大丈夫!本当に集中してただけだから」


「そっか、それなら良いんだけどよ...」


焔はそう言いながらジーと志乃を見つめる。


「ん?何?私なんか付いてる?」


「いや、そうじゃなくてよ...」


ジーーーーーー


「ちょっと!何よ!」


志乃は、少し顔を赤らめて言う。


「ずっと思ってたんだけどさ…」


「うん」


「お前、それ重くねぇーの?」


焔が志乃の胸を指さして言う。


「なっ!!なっ!」


志乃の顔は、みるみる赤くなっていき、口をパクパクさせている。


「いや、だから。それ重くねぇ…」


焔のバカァァァァァーーーーーーーー!バシン!


「痛ってえ!何すんだよ!」


「バカ!最低!アホ!」


志乃は胸を隠すように腕で覆いながら、顔を真っ赤にして焔をまくし立てた。


「なんだよ!心配してやっただけだろ」


「本っ当に、アンタってやつは!アンタってやつは!」


二人がヤイヤイ言い争っていると...


ゴチン!


「痛ってえーーーー!」



それは、焔に振り下ろされた十蔵のゲンコツだった。


「ったく!遅いと思って来てみたらまたケンカしてんのかお前ら!」


「うーー、なんで俺だけなんだよ!」



「師匠!このバカになんとかいってやってよ」


「だいたいお前はデリカシーってもんがねぇんだよ!」


「えっ!これ俺が怒られる感じ?」


「当たり前じゃない!」


「もう朝飯の時間だ、ほらお前ら戻るぞ!」


「やった!朝飯ー!俺お腹空いてんたんだよ!」


焔は一目散に家に向かって走って行ってしまった。


「ちょっと!待ちなさいよ!」

「本当にもーー!」


「お前も苦労するな〜、志乃」


「本当だよ!信じらんない!」


「いや、そうじゃなくてよ...」


「どういうこと?」


「焔のやつは、そういうことに鈍いからなぁ」


「そういうことって?」


「いやぁ、お前も歳頃の娘だろ?嫁入りにゃあ、まだ早いがそういうことも考えないとだな」


「はあ!?わ、私がアイツを?ないないない!

絶対あり得ないから!師匠の勘違いだよ!」


志乃は、また顔を赤くして全力で否定する。


「はっはっは!何年お前を育ててきたと思ってんだ!

それくらい俺にも分かる」


十蔵は、志乃の頭をワシャワシャしながらそう言う。


「ほ、本当に違うから!」


「それに、俺は今、お前が焔を好きなんて一言もいってないぞ」


十蔵はニヤニヤしながら言う。


「なっ!」


志乃の顔がまた一層赤くなった。


「そ、そうだ!私お腹すいてたんだった!私、先行くね!じ、じゃあ!」


志乃は物凄いスピードで去って行った。


「こりゃ、志乃も志乃だな...」


「本当に、あっという間に大きくなりやがって」


志乃、千影志乃(ちかげ しの)も十蔵が引き取り、今日に至るまで育ててきた。志乃を引き取ったのは、焔を引き取って7年ほど経った時だった。

山賊の人身売買にかけられそうになっていた当時7歳の志乃を十蔵が助けたのが始まりだ。

それから、十蔵は志乃の両親を見つけ出し、親の元に返そうとしたのだが、志乃の両親はこれまたひどい親でお金の為に志乃を山賊に売ったのだと知った。それにたびたび暴力も振るっているようだった。

それに怒った十蔵は、志乃に両親との縁を切らせて引き取り、自分の苗字を名乗らせたのだった。


「あー、ダメだ!俺がこんなんでどうする!」


十蔵は、自分を咎めるようにパシッと自分の頬をはたいた。


「もう、決めたことだ…」


十蔵は、決意を固める。


「ちょっと師匠ー?早く行くよー?」


「じっちゃーん、はーやーくー!俺、腹減ったって!」


焔と志乃が遠くから十蔵を呼ぶ。


「おー、今行く」


今は、アイツらとの朝食を楽しもう。伝えるのは、その後でいい。


「よーし!志乃!今日はとびきり豪華な朝飯にしようか!」


「オッケー!任せて!」


「よっしゃー!豪華飯ー!」


そう言って十蔵は歩き出す。この世で一番大切な笑顔の眩しい二人の子供たちのもとへ…


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