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妖子の剣士  作者: ゆゆ
13/27

幕間

〜初任務を終えた翌日〜


「いや〜、初任務お疲れ様!初めてから大活躍だったね〜。君たちの隊長として鼻が高いよ。」


初任務から帰ってきた焔達は、陽滅隊本部白虎棟の隊長室にて、清水琥太郎から激励を受けていた。


「まぁな〜!俺達にかかればこんなもんよ!な?大地?」


「おお!志乃ちゃんと薫ちゃんも大活躍だったしな!」


「ありがとうございます!」


「当然です。」


と、それぞれが多様な返事をする。


「うんうん、本当に頑張ったよ。それによく無事に帰ってきた。安全な任務だと言っておきながら、君たちを危険な目に合わせたこと、本当に申し訳なく思っている。すまない。」


「そんな。謝らないでください。」


「いや、もっと依頼について調べをつけてから君たちに回すべきだった。これは、完全に僕のミスだ。君たちが上手く対処したから良かったものの、一歩間違えれば命すら危なかったかもしれない。」


清水隊長は、イスから立ち上がり焔達に向かって頭を下げた。


「まあ、何もなかったんだから良かったじゃねぇか! それに清水隊長、俺たちはこれくらいのトラブルでやられるほど、やわじゃねえよ。俺たちは、もっと強くなんねぇとだからな。」


「焔の言う通りです。だから、気にしないでください。」


「志乃ちゃんはともかく、焔がまともなこと言ってる。」


「おい。」ギロッ


「ひっ!」


「ははははっ!そうか、ありがとう。頼もしいよ。」


初任務から妖怪と遭遇してしまうと言う、トラブルはあったものの、それを乗り越えたことは、焔達の自信へと繋がったようだ。それから、焔達が初任務についてその他諸々の報告をしていると...。


ガチャッ


清水隊長が座っている椅子の横にある廊下に繋がる扉から、紫がかった黒の長い髪に、薄紫の瞳の女性が入って来た。


「やっほー、琥太郎いる〜?」


「おお、明日香?一体どうしたんだい?」


やってきたのは、清水琥太郎と同じく白虎棟の隊長である、柊木明日香だった。その綺麗な顔立ちに妖艶な笑みを浮かべている。


「誰だ?あの姉ちゃん?」


「綺麗な人…。」


「なんだ!?あの美女は!!」


「・・・」


「ああ〜、君達は初めて会ったかな?紹介しよう。白虎棟所属、柊木明日香隊長だ。」


「どうも、柊木明日香です。へぇ〜、君達が琥太郎のとこの子達ね。しごきがい…、じゃなくて、頼りがいありそうな子達ね!」


((((なんか今、怖いこと言われた…))))


「で?明日香はここに何しに来たの?」


「ん〜?ちょっと、琥太郎のとこの子達の偵察にね〜。」


そう言いながら、明日香は見定めるように焔達を観察し始めた。そして、おもむろに焔の前で立ち止まると…


「ん〜?なんか君、不思議な感じだね?」


(なんだ!?もしかして、この人九尾の妖気にきずいたのか?)


「なんか、分かんないけど。キツネっぽい!」


「な!?な、な、な、な、なんのことっすか!?」

(ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!!)


突然のことに、焔は完全にパニクってしまっている。

それが余計に怪しく見えて、「ん〜?」と明日香もどんどん顔を焔に近づけていく。


(本当にやべー!!)


「ぷっ!ふふふふ!ふふふふふふふっ!」


「へ?」


すると、突然明日香が吹き出して笑い始めた。


「なんだなんだ?」


焔を初め、志乃や大地、薫も、突然笑い出した明日香を不思議そうに眺めている。


「明日香。あんまり僕の班の子をいじめないでくれるかな。」


「ふふふふっ!ごめんごめん!面白くって、つい。」


明日香は、よほど面白かったのか涙を拭いながら答えている。


「ん?どういうことだ?」


「ごめんね。明日香は人をからかうのが昔から大好きなんだ。気にしないでいいから。」


琥太郎は心なしか、顔を暗くして、何かを思い出すように言った。


((((何かされたんだろうな…、きっと…。))))


「それと、明日香は君の事情を知っている者の内の1人だから安心してね。」


「なんだよ〜、からかっただけか。ヒヤッとした。」


「ふふふふっ!ごめんね?でも、君のリアクション最っ高だったよ!イジメがいあるわ!」


「は、はあ。」(いや、サムズアップされても…)


この、少しのやり取りだけでも焔は「この人は危ないな」と本能で感じとったのだった。


「あ、あの!とても仲が良さそうに見えたので、少し気になったんですけど、お二人はどういう関係なんですか?」


一連の様子を見ていた志乃が、質問をする。


「ああ、僕たちは同郷の幼馴染みでね。年齢も同じだし、陽滅隊では、 同じ試験を受けて入隊したから同期でもあるんだ。」


「へぇ!そうなんですね。じゃあ、柊木隊長も若くして隊長になられたんですね!」


「そうよ?まぁ、私の方が強いし、優秀だけどね〜。」


「はははは、明日香には敵わないなぁ〜。」


琥太郎は、やれやれと言った感じで頭をかいている。


「柊木隊長…。大人の色気があって美しい〜。」


今度は、大地がデレデレに緩んだ顔で呟いた。


「あら、寺門くんだっけ?ありがとう。あなた、見る目あるわ。」(ウインク)


「ぶふッ!!」


明日香にウインクで返された大地は、あまりの魅力に鼻血を吹き出した。


「でも、ごめんね?私には、琥太郎がいるから。」


明日香は、そう言うと琥太郎の腕を抱き寄せてピッタリと密着した。


「お二人は、恋人の関係なんですか!?」


「明日香、誤解を招くようなこと言わないでほしいな。ただの腐れ縁だよ。」

「で?明日香の用事はもう終わったんだろ?ていうか、仕事はちゃんと終わったの?」


「ぶー、連れないな〜。分かりましたよ、仕事してきます。じゃあね。」


そう言うと、明日香は渋々といった風に部屋を出て行った。


「みんな、ごめんね?明日香は、だいたいあんな感じだから気にしないでいいよ。」


((((台風みたいな人だったな…))))


「さて、話がそれてしまったけど、とりあえず報告ご苦労様。今日話たかったことは大体終わったかな?任務の後は、こんな風に毎回報告をしてもらう決まりになってるからよろしく。」


「「「「はい!」」」」


「うん、物分かりが良くてよろしい。じゃあ、次の任務まで休暇にするからゆっくり体をやすめるように。

以上!」


こうして、報告を終えた焔達は次の任務に向けて、束の間の休暇を迎えるのだった…。

読んで頂きありがとうございました!!!

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