青い光
大地視点です
「ご主人様!お疲れですよね?お風呂沸いてますよ!」
「あ、ありがとう」
ヘトヘトに疲れきった切り干し大根みたいな俺を笑顔で迎えるミミ。
そしてお風呂も沸かしてくれているという有能っぷり。
マジでありがたい。友達じゃなくてもうお手伝いさんみたいだな。
「どうでした?外の世界は楽しかったですか?」
こてん、と首を傾げて眩しい笑顔を浮かべるミミ。
…そうか、この子は外の世界を知らないのか。
「最悪だよ。上司が今日も厳しくてさ。ははっ…嫌になっちまうよ…」
頭を抱えながら少しぬるい酒を煽る。
パソコンの光以外に光源がない部屋は俺の心までも暗くした。
「ご主人様…お疲れなんですね。ミミでよければお話聞きますよ?」
泣きそうな顔をしたミミ。
主人に捨てられた子犬のように不安げな顔をしている。
その同情が霞んだ心を洗ってくれるような感じがした。
心が楽になっていく気がした。
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「でな、そしたらな…」
「そんな…酷いですよ!八つ当たりじゃないですか!!」
俺の言葉一つに怒ったり、寂しげに笑ったり…色々な反応を示してくれるミミ。
だんだん楽しくなってきてぬるくて不味いはずの酒が進む進む。
ゆるゆると下がってくる瞼。
逆らうことなくそのまま横になる。
「おやすみなさい。ご主人様…」
意識は夢の世界へとゆっくり落ちていく。
最後に見えたのは電源が切れたパソコンと淡い光を放つスマートフォンだった…
お久しぶりです。
ブラックな会社に勤める社畜の大地くん。きっとお話相手が欲しかったんだね。
お友達って大切。
ミミ「作者友達いないでしょ?」
だぁぁぁああ!!友達くらい居るわ!!