明日
これを上げようかとても迷いました。
戦争時代のお話であまり気分を良くしない人の方が多いと思います。
実際私も戦争のお話はあまり好きではなくテレビの特番なので戦争の話をしていたら目を背けることもあります。
これを上げて賛否両論あると思います。
戦争時代を生きてないのにこんなのを書いて上辺だけの小説なんてとか。
先程賛否両論とは言いましたが、どちらかと言うと批判の方が多いと私は見ています。
本当に問題があれば消しますし。
運営様にも消されるとおもいます。
でも、もし時間があれば見て頂きたいそう思ってもいます。
本当に自分勝手で申し訳ないです。
「今日赤紙が届いた」
俺は静かな声で妻にそう言う。
妻は何も思ってないような表情を浮かべる。
いつもの事だ。
これが妻のいつもの顔だ。
「そう、お国のために頑張ってきて」
「嗚呼......」
お国のために頑張ってはセリフみたいなものだ。
もし、行かないでとか言うとすぐ殺されてしまう。
俺は明日行かなきゃ行けないのか。
これまで感謝の気持ち言えてなかったけど。
「いつも飯を作ってくれてありがとう。
いつも家事をしてくれてありがとう。
俺のそばにいてくれてありがとう。」
あまり長くはないがこれでいい。
あまり多くのありがとうは言わないが。
その分俺は笑えていたと思う。
「ご飯冷めるから早く食べて。」
妻はそう言う。
でも、少し頬が緩んでいるのを分かってない。
少しでも笑ってくれたから。それでいい。
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「今日赤紙が届いた」
静かにその言葉が響くのを私は聞く事しかできない。
「そうお国のために頑張ってきて」
こんな言葉が言いたいんじゃない。
こんな台詞を言いたいんじゃない。
「嗚呼......」
嗚呼なんて言わないで。
明日であなたに会えないを考えると涙を堪えるのに必死だ。
私は食卓につきいつもの表情を浮かべる。
ごめんねこんな妻で。
ごめんね貴方に何もしてあげられなくて。
ごめんね無愛想で。
そんなことを貴方に伝えられない私は心の中でそう思う。
「いつも飯を作ってくれてありがとう。
いつも家事をしてくれてありがとう。
俺のそばにいてくれてありがとう。」
急にそんなことを言われた。
胸が貴方の言葉で締め付けられて。
涙がこぼれるのを必死に我慢して。
ようやく口にした言葉が。
「ご飯冷めるから早く食べて。」
こんなにもありがとうを伝えてくれたのに。
貴方は笑顔でそう言ってくれたのに。
夜私は声を押し殺して泣いた。
「ゔぅ....ぃがないで....」
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ついに来てしまった。
この朝が来るのがどうしても嫌だった。
でも、来てしまう。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
こみ上げる言葉はもう閉まった。
明日が来る度に怖くなる。
あなたが死んだ報告なんて受けたくないから。
もう一生伝えられないのだろうか。
もう貴方に会えないのだろうか。
そんなのは......いやだ
「貴方、忘れ物です。」
「え?」
「生きて帰って来てください。」
私はそう彼に耳打ちした。
「愛しています」
こんな時代明日が来るのが怖いけど。
でも、それでも信じて待っとくのが妻の役目なのだから。