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プロローグ

 寒くなり始めてきた商店街。朝は早く人が少ないはずの商店街にはたくさんの人だかり。そしてその人だかりの中心には1人の少年が倒れている。背中をナイフで刺されたまま…。その少年はもうすでに死んでいる。


 ▼


 時はすこし遡る。


「行ってくる」

「朝早いのはいいんだけど、気を付けてね?」

「大丈夫だって。そうだ今日は俺の誕生日だろ?帰ったらうまい飯を期待してるよ」


 玄関で母に行ってきますの挨拶をして家から出る。少年の名は“夏風 蒼真”。今日で15歳になったばかりの中学3年生だ。


 今は寒くなり始めた10月の終わり。受験が控えている生徒にとっては辛い時期だが、志望校は今の成績を維持すれば余裕で行けるのでそんなに辛くはない。


 現在朝の6時。なぜこんなに早く家を理由は学校に行くのではなく、学校の通学路にある商店街へ行くためだ。


 蒼真が住んでいる町はそれほど大きいところではなく、人口も少ない。そのため商店街にはたくさんの人はいないはずなのだが、この町の商店街は色々と店が豊富だったり、朝早くからやっている店も多いため、年寄りや中高生に人気の場所だ。


 しばらく道を歩くとお目当ての商店街が見えてきた。中に入るとそれほど人はいない。

 

 蒼真は商店街に入ってすぐ精肉店へと向かう。精肉店に入ると、中年の店主が大きな声で挨拶する。


「いらっしゃい!お、蒼真か!今日も早いな」

「おはようございます。まあこの店のために朝早く起きてるものなので」

「がっはっは!わざわざご苦労なこった。それで?今日もいつもの揚がってるけど、食うか?」

「もちろんもらいますよ。コロッケ」


 蒼真が商店街に来てまず最初にすることはこの精肉店のコロッケを食べる事だ。とにかくここのコロッケはおいしい。いっそのこと精肉店じゃなくてコロッケ屋さんにした方が儲かるんじゃないかと思えるほど売り上げもいい。


 すぐに熱々揚げたてのコロッケがやってきた。蒼真はコロッケを受け取ると、代金を支払う。


「やっぱり50円でワンコインで払えるところが良いところですよね。それに値段の割に大きいし」

「だろ?うちのコロッケは蒼真の様な中高生に向けて作ってるんだ。値段も大きさも変わらないからこれからも是非食べに来てくれ」

「はい、毎日行きます」


 精肉店の店主と別れ、コロッケを食べながら商店街を歩く。次に向かったのは本屋だ。


 本屋に入ると早速いい本が無いかを探す。蒼真が探しているのはラノベのコーナーだ。蒼真は生粋のラノベ好きであり、中でもファンタジー系のラノベは家に百冊近くはある程大好きなのだ。


「うーん…今回はあまりいい本が無いな」

「おや、蒼真君じゃないか。今日もラノベの下見かい?」


 本屋の奥から現れたのはこの本屋の店長。まだ20代という若さで2代目店長を任されている人で、ラノベ好きな事から蒼真と仲良くしている人だ。この人のラノベ好きが影響して、店内にはたくさんの種類のラノベが取り揃えられており、ここも中高生に人気の場所となっている。


「下見というか、買いに来たんですけど今日は売ってなかったです」

「そうか…それは運が悪かったね。また近いうちに仕入れるから今度買いに来てよ。それと仕入れてほしい本があったら遠慮なく言ってね。なるべく取り揃えれるようにしよう」

「ありがとうございます!」


 欲しい本を何冊か店長に伝えた蒼真は本屋から出て、再び商店街を歩く。腕時計を見ると、いつの間にか7時半になっていた。そろそろ学校へ向かういい時間だ。


 学校へ行くために商店街から出ようとする蒼真は背後から忍び寄る不穏な気配に気が付かなかった。


 ―サクッ


「…え?」


 何かが蒼真の背中に刺さり、すさまじい痛みと共に地面に倒れこむ。刺された物がナイフだと気が付くのにそんなに時間はかからなかった。


 蒼真を刺した男は路地裏へと消えていった。


(うまい具合に体が動かない。今から死ぬんだろうか…そういえば死んだら輪廻の輪っていう所に行って、輪廻転生するんだっけ。死にたくないな…まだやりたいことがたくさんあったのに。)


 そんなことを思いながらどんどん蒼真の意識は薄れていく。


(親父、母さん、親孝行できなくてごめんな)


 最後に親への感謝の気持ちを心の中で伝えたところで蒼真の意識は消える。そして本来であれば輪廻の輪に加わるはずだった蒼真の魂は思いもよらぬ場所へと移動し、転生する…。


 初めまして!ライトニングです。初投稿ということで誤字脱字や何を言っているのかわからない場所、つじつまなどが合わない場所があるかもしれません。


 投稿する前に確認はしていますが、それでももしそのような問題があった場合はご指摘いただけるとすぐに直したいと思っています。皆さんのご協力をよろしくお願いいたします!

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