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僕だけのイレイサー・ドリーム

作者: ゆみきへい

今現在、この話の前にいるあなたは

何か物足りないものを感じていますか。


小腹が空いてて食べ物が足りないという初級レベルから

あの時液晶画面でみた子と結婚したいという超級レベルまで

多種多様な物資不足を体内に溜め込んでいることでしょう。


その中でもわたくしが思うのは、中級~上級レベルの物足りなさを

長い間温め続けているのではないかなと。


手が届きそうで届かない、そんな夢は

時には自分自身を苦しめることもあるのだから困ったものです。


夢は夢でも、悪夢になるようなものなら

きっぱり捨ててしまいたいと思ったこと、ありませんか。


そんなあなたにお届けする「イレイサー・ドリーム」

執念深い夢を一旦つぶしてしまい、まっさらな状態にしまうプロジェクト。

ここでは、とある会社員Aさんの事例を紹介しましょう。



Aさんは上場企業の品質管理部所属。

民間企業であるが、勤務時間も給料も安定している

よいイメージで見られる公務員のような職業人生を送っています。


Aさんは独身ですが、結婚願望はないらしく

特に異性を特別扱いすることもなく、ある意味仙人のような様相にも思えます。

だけど、そんなAさんの中にもずっとくすぶっているものがありました。


それは、鉄道で日本一周旅行をしたいという願望。

なんでも青春18きっぷを使って、のんびり旅をしたいとのこと。

Aさんの中では学生時代から夢見てたことらしいですが、未だに実現できず。

学生時代は時間はあったが、お金がなかった。

社会人になったら、その反対。

仕方ないですよね。忙しいですもん、社会人って。


別に会社を休もうと思えば休めるし、貧乏旅をするくらいのお金なら余裕であるのに

いつも頭や紙の上で描くだけで、具体的には動いてないそうです。

一見他の人から見たら、ただのやる気なしに思えるかもしれませんが

Aさんにとっては、地味に根深い悩みになっているとのことです。


その後、しばらくAさんのお話を聴いている限りだと

実現して解決するより、あえて夢を忘れてもらったほうがよい気がしました。


そこで、週1回Aさんに弊社ケアセンターに来ていただくことに。

やることというのは、主に頭皮のマッサージと催眠音楽。

毛髪クリニックのようなものをイメージしていただければ幸いです。


1ヶ月ほどケアセンター通いをしたAさんは、なんだか人が変わったように話しかけてくれました。

「よくわからないけど、すごく気分がいい。」


これで効果を確認。本人の希望もあり、ケアは一旦終了しました。

ただあくまでも一旦です。1サイクルで完璧にスッキリする方は少ないです。


リセットできたつもりでも、周りの環境などの影響でまたぶり返すこともあります。

大抵の場合は、ケア前より安定した状態になるので

段階的にケアを重ねていくことで、本人にとって最良の状態になるのですが

Aさんの場合は、逆に悪化したパターンでした。


話を伺うと、今まで鉄道というジャンルで収まっていたものが

バスや飛行機など、他のジャンルにも飛び火してしまい

今度は、空港に写真を撮りに行きたいけどいけなくて困っているというものまで出てきました。

そう、錯綜状態ですね。


そういう状態になると、週1のケアなんて悠長なことは言えなくなるので

場合によっては、ほぼ入院状態になることもあります。

Aさんにもそうなる旨伝えましたが、仕事の都合で拒否されました。

最初は拒否する方、かなり多いです。

社会人としての立場を失うこと、迷惑をかけることへの恐れ。


ただ、拒否して通常の生活を続けられるかどうか。

それはなんとも言えません。

別のきっかけで改善する場合もあるでしょうし

最悪、お察しくださいと言うしかないケースになることも。


基本的には、依頼者の意向を尊重するのですが

Aさんは話を聴くたびに支離滅裂になっているので、ある提案をしました。


イレイサー・ドリームの次の形態

「イレイサー・トレイル」はいかがですか。

基本設定+サンプル程度の事例の構成で書きました。

この設定を使いたいなんて方がいましたら、自由に使ってください。


もちろんフィクションものですが、設定や事例の展開などは

カウンセリングの手法を一部取り入れた内容になっています。


短編扱いですが、イレイサー・トレイル部分も

いづれ書くつもりです。


ちなみに私は、作曲したい願望とコミケ行きたい願望がずっとうずまいてます。

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