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鍛えよう!・・・・・?



 「ふにゅぅ」


 あれからしばらくして、放課後。あのいけすかないオリエンテーションが終わったらしばらく自習して使い魔との交流をとのことになったが、メルは儂をなでさするだけで教室内では一言も言葉を発することはなかった。

 うつむいてただ時間が流れるのを待っているかのようでその姿はとても孤独に見えた。

 先のガリバーとやらが唯一会話してくれる相手であったのかもしれないがその相手も来ず、このままでは彼はここからいなくなることは確実である。

 そうなるとこの先すっとこの調子か・・・・



 これはいけない。



 そう思い定めたが如何せん今の自分に何ができるのかということである。

 もう一度自分のステータスを眺めてみる。 



 名前:サン

 職業:使い魔 種族:猫  

 ランク1 猫


 ステータス

 

 筋力 1 

 敏捷 2

 生命 1

 魔力 6

 知力 5

 精神 1

 器用 2


 スキル

 猫魔術(Lv.1)地魔術(Lv.1)水魔術(Lv.1)火魔術(Lv.1)風魔術(Lv.1)光魔術(Lv.1)闇魔術(Lv.1)聖魔術(Lv.1)邪魔術(Lv.1)無魔術(Lv.1)


 なかった名前が追加されている。

 まぁ、それはいい。

 それ以外は特に変わりはない。

 むぅ、とりあえず、儂として考えていることはメルの待遇改善である。

 というのも現在儂は彼の住まう寮室にいるんじゃが、これまた能力によってその待遇が変わるものらしく、彼の位置はほんとうに悪いようで、寮にある尖塔の一番上。屋根裏部屋みたいな澱んだ空気漂う一室である。

 二人部屋らしく、どうもここに先のガリバー君と一緒に入学してから住んでいたようだが彼の姿はそこにはなかった。

 

 というか荷物のいっさいがっさいがなくなっていた。

 さしものこの状況は何があったのかわかる。


 彼はあのままこの学校をさったようである。

 

 学校側からはよくあることと掲示板にさらっと小さくメモ紙で貼られて告知されただけに終わり周りの反応も「あっそ」で終わってしまった。

 彼がこのあとどうなるか儂としてはやや心配にもなるが、せめて若くして冥府魔道に堕ちぬことを祈りたいものである。

 で、メルはとにかく一生懸命で部屋に戻ってしばらくぼんやりとそのなくなった荷物と空になったベッドを見たあと、やおら儂を残して訓練場へ行ってくると出て行った。

 必死なのじゃろうな。

 この学園にいてもメリットがあるのか少々不安になる。

 別に人生これだけではないだろうに。


 やはりあれか?

 たしかに道々で見ゆるこの学校の作りや広さなどを鑑みてたしかに貴族が使う場所であるだけにその調度品や園内の造りなどは一級品ということで、この場所を卒業するというのはキャリアとして見れば優秀なのだろう。

 現に彼の親や祖父などもここを離れずがんばって魔力がわずかでも貴族としてしがみつくことができたわけである。

 身入りもあるわけで将来を思えば捨てることもできないのだろう。

 だからこそ、今のこの状況はあまりにもかわいそうである。

 こんな学校生活となれば精神が歪みかねん。


 前途ある若者なのじゃからわしの前世を思えば、手を差し伸べたくなる。

 儂の人生は失敗が多く、やさぐれてしまい結局孤独のままじゃった。

 それを他人に強要するのはどうかと思うし、願わくば改善したい。

 今は人生ならぬ猫生となったわけじゃが、ならばなおのこと、あの子をしっかり成長させてやりたい。

 幸い、メルにはスキル内に天凛がある。

 時間はかかるが、効率よく経験値をつめれれば一廉の人物にはなれよう。



 (よし)


 善は急げじゃな。

 とはいえ、儂がやれることとすれば、今の儂がどれほどやれるかの確認とできるならこのステータスを底上げすることじゃな。

 使い魔の強さが主に直結するものならば、儂が強くなれば自然とメルの待遇もよくなり環境も改善しよう。

 

 さてと



 ひょいっとばかりに備え付けられた唯一の小さな窓の外を見る。

 さすがに尖塔の上ということで眺めはいいな。

 あそこに見えるのが学生街とこの国の城下町ってところか。

 方向から学園を見下ろすことはできないがこれはこれでいいな。

 なんか街並みが地平線まであるように見えるくらい広そうである。

 

 だが、それ以上に目立つものがあった。

 巨大な神殿?訓練用のダンジョンは学園内にあるからあれが三大ダンジョン、未攻略の巨大迷宮か。

 せっかくあるわけだし、あーいうのを攻略するのもよいのぉ。


 というか、ここで訓練するよりもダンジョン攻略したほうがよくないか?


 二年次からといっていたが、それでは一年次最後のランクアップ試験には通らないだろうし・・・・・


 よし、ここはひとつ、どうにかするかな。

 そのためには儂の自力をあげんことにはどうしようもない。

 このままでは、メルのサポートもおぼつかんし、パワーレベリングするにも足りなすぎるしな。


 では、自分の手持ち魔術と体の動かし方の訓練、それにステータス上げのため、まずはここの訓練用ダンジョンへとおもむき、こてしらべするとするかな。

 場所は目星はついているし、がんばっていこー!!












 と思ったのじゃが・・・・


 「おい、使い魔の猫か。帰れ帰れ。ここは使い魔のみでの立ち入りは厳禁だぞ!」



 そうそうに挫折してしまった。



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