弐
遅れて申し訳ありません。
短いです。
「どういうこと?シオン。」
現在、母、ヒイロ、神官長、神官達に囲まれ、正座させられている状態で完全に怒っている母の声にビクッと肩が揺れた。
瞳のことを追求され、咄嗟に逃げようとしたが、全員が一致団結しその場で物理的に捕まえられ、現在に至る。
しかし、どう説明すれば良いのか悩み、口を開くも空気だけが漏れ、すぐに閉じる。
むしろ、全員からの圧で言葉がうまく紡げないというのも原因なのだが、それをいってしまうと余計に面倒になる気がして言葉には出さない。
けど、子供の頃から知っている面々故に怖いのだ。
泣きそうである。
「やっと終わった終わったーって、シオンを囲んで皆して何をしてるんだ?」
「主…。」
深刻な空気を壊すように聞こえた間抜けな声と呆れたように主を呼ぶ低めの声。
全員の視線が声の主である父とヒイロに良く似た青年に移動した。
創造神は貫頭衣のようなゆったりとした服を着ており、その雰囲気も穏やかだ。
ヒイロに似た青年は一度虎の国で見た軍服という服にに似たきっちりとした深みのある青い服を纏い、腰に剣をさげている。
整った顔立ちに姿勢の良い立ち姿に普通の女性であればたとえ正体が女だとしても見惚れていたことだろう。
神殿の者達は見慣れているが。
その男装の麗人こそ、ヒイロの双子の片割れのアイナである。
多分生まれてくるときに性別を間違えたのだろう。
双子の母も父である天帝も普通にそう言っていた。
二人がやって来たことにより微妙な空気になった部屋だが、父は自分の顔、色の変わってしまった瞳を見れば彼は破顔したと同時に爆弾を落とした。
「お?シオン、ちゃんと災厄の王の力を発現させたんだな。偉いぞー。やっぱり優秀な息子に頼むものだな。うんうん。」
「……お前のせいか。」
父の言葉で悟ったのだろう、母はそう言えば直ぐ様側に行く。
「レナ、どうかしたのか?顔が怖いが?」
きょとんとしながら側に来た妻を見下ろし、そう言うと彼女はニッコリと笑って相手を見上げる。
利き手に握り拳をつくりながら。
「てめぇのせいか、このクソボケが!!」
「っ!?!?」
油断していたのだろう。
文字通り、創造神の体は異界の巫女のアッパーでその体がふっ飛んだ。
良い放物線を描き、床に落ちたときに大きな音をたてて。
父の側にいたアイナはその光景に身動きとれずに固まり、他の者達も唖然と見ていることしかできなかった。
ただひとり、更に攻撃を仕掛けようと動いた母に気づき、必死に羽交い締めにして止めたのは一応見慣れている光景であった自分。
だが、怒らせていたら自分がこうなってしまったのだろうと必死に母を止めつつ倒れたままピクリとも動かない父を見ながらそう思った。




