プロローグ
なんとなく思い浮かんだので、書いてみました。
皆さんは高校入学といえば何を思い浮かべるだろうか?希望?出会い?もしかして恋?はたまた面倒な勉強だろうか?
僕としても、希望や出会いというプラスイメージを持っていた。こんなことになる前になら。
「はあ…」
そう僕がいつものようにため息を吐くと、突然 「どん!」 と、乱暴に部室の扉が開いた。
「何を辛気くさい顔をしているんだか。そんなことより、依頼来てる?」
何故か扉のところで仁王立ちになりながら彼女はそう言った。というか、もっと謎なのは、彼女の後ろから強烈な光が差し込んで来ていることだ。流石は主人公補正。まるでドラマのワンシーンのようだ。
閑話休題。
「依頼来てる?」と言われたので、僕はいつものようにこう言おう。
「面倒そうなのがな。」
すると彼女は決まってこう言う。
「それは結構なことだ!」
彼女の名前は城ヶ崎 奈々。僕の性格を入学式から面倒くさがり屋に変えた張本人である。
その正体とは、容姿端麗で、学年で1、2を争う美少女で、学力は高く、入学試験ではトップだったという、スーパーウルトラハイスペック、「残念」美少女である。
時を遡ること一ヶ月前。つまりは入学式の日だ。
今日から高校生活が始まるんだと、朝からるんるん気分で学校へ行く準備を進める。今日からのことを妄想すると、なんだか期待が膨らんでくる。
僕は中学の時に気にしていなかった、寝癖を整え、服のホコリや、毛を取るために、コロコロをかける。(コロコロの正式名称を僕は知らない。)いつまで続くかは分からないが、いわゆるプチ「高校デビュー」と、いうやつだ。
僕が入学する高校はN県立K高校である。学力は上の下。まあ賢い。と、いう所である。
創立100周年を超えていて、古き良き所である。
この高校は文武両道であり、非常に人気が高い。そのため、毎年、1.4倍ほどの倍率がある。この高校に入学する人は、必然的に賢い人になるのだ。
僕はその中でも中の下である。
そんなこんなしている内に、電車に乗った。今日が入学式だからなのか、凄い人数である。
駅に着くと、大勢の人が一緒に降りて、みんな同じ服を着て、同じ所を目指して行った。
その光景をみて、僕は胸が高鳴って来た。ようやく実感が湧いてきた。僕は憧れだった高校に、いよいよ入学するのだと。
まず、登校中に、桜並木が僕を迎えてくれた。
桜の木から降ってくる桃色の雨が、新入生の入学を祝福してくれているかのようだった。
そして、入学式が始まった。僕は1-8で、担任の先生は若い、頼りになりそうな良い先生であった。
僕の学年には、クラスに4、5人ほど、かわいい女子生徒がいた。その中でも、ただ一人の女子生徒に僕の目は奪われてしまった。勝ち気そうで、力強い眼差しをした、とても美しい女性である。彼女の名前はなんというのだろうか。
長々とした校長など、重要な人物(僕たちにとっては面倒)のありがた〜いお話の後、
意外にも直ぐに名前が判明した。
「これより、入学される者の名前を呼ぶので、名前を呼ばれると起立して下さい。1年1組、岩倉 亜利沙。」
「はい!」
先生がそう言うと岩倉さんが起立し、凛とした表情で返事をした。そして、9組の番になり、あの子の番になった。
「城ヶ崎 奈々。」
「はい。」
僕は城ヶ崎さんの声を聞いた瞬間に、春を感じた。なんと魅力的な声だろうか。力強く、何者にも屈しない。そんな声だった。
「誓いの言葉。1年9組、城ヶ崎 奈々。」
「はい。」
なんと!城ヶ崎は学年で入試の点数がトップだったのか!
あの容姿で頭脳明晰ってハイスペック過ぎだろう!
なんだか高嶺の華って感じだな。僕に手が出せる人ではないか…
「私たちは、長きに渡る受験勉強を経て、この高校に入学してきました。これからの生活に不安があることは確かです。たくさんの困難も待ち受けていることでしょう。しかし、それと同じくらい、私たちには希望があります。仲間がいます。私はここに、数多の困難を仲間と共に乗り越えることを、ここに誓います。平成26年4月8日 生徒代表、城ヶ崎 奈々。」
こんなことまでこなせるのか。流石はハイスペック。
誓いの言葉以降は特に目立った行事はなく、HRの時間になった。
「よし、これから自己紹介でもするか。俺の名前は坂田 明久。この高校のOBだ。なにか分からないことがあったら、俺に聞いて欲しい。じゃあ出席番号1番からだ。」
人それぞれ自己紹介をしていった。
「城ヶ崎 奈々です。将来の夢は探偵事務所を持つこと。憧れの人はシャーロック・ホームズ。この学校に探偵部をつくるから、みんなよろしくね。」
クラス一同が固まった。
そして、僕の日常が非日常へと変わった時だった。




