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ぼっちな俺だがラブコメな日常  作者: こめっこぱん
どたばたな一週間
8/58

歓迎会は騒がしい?!

 「野雫目くんと咲久野さんの寮生活を祝して、かんぱーい!」


 綺羅星先輩が音頭をとる。歓迎会といっても、焼肉だ。それならいつでもできるじゃないか、と思うのだが特別な時だけらしい。うむ、わからん。


 「じゃんじゃん食べてね!まだまだ肉はあるからね!!」


 先輩はそう言い、俺の皿に次から次と肉をのっけていく。俺はそこまでお腹がすいていたわけじゃなかったため、正直困った。困っていても次から次えとくるわけで、どうしようかと思った。


 「綺羅星先輩、ちょっと入れすぎじゃないですかね?ていうか、自分でとれますから」


 綺羅星先輩と話していると、咲久野は俺の皿に自分が食いきれなかったものをのせてくる。咲久野がのせていたのをみて、俺はまた怒りだす。


 「咲久野もなに俺の皿にのせてるんだよ!」

 

 「まぁまぁ、落ち着けって。それより、野雫目って意外と食えないんだな。男ならもっと食べた方がいいぞ?」


 そう提案してくる国見先輩も、たいして食べている様子はなかった。


 「光太、ピーマン食べてくれない?」


 咲久野は俺のことをいつから名前呼びになったのだろうか。それよりも、食べれないのになぜピーマンをとったんだよ、こいつは。


 「自分でとったものは責任もって食べろよ」


 「だって、ピーマン美味しくなかったんだもん」


 「今回は食べてやるが、もうそういうのはなしな」


 「ありがとね、光太!!」


 咲久野はお礼をいってくる。俺はそれにおう、とだけ答えて咲久野の皿にあるピーマンをとって、食べた。


 「それ、私が狙ってた肉なのにー!」


 「先にとったもんがちだぜ」


 「今度は私がとるもーん!」


 「少しうるさいんですけど」


 皆楽しそうに食べていた。会話もあり、それなりにやってよかったなと思う。そろそろ歓迎会も終わりに近づいてきたため、話をしようと口を開いた。


 「そういえば、皆もいますし、一つ相談があります。ここにいる咲久野は、一人で風呂にもはいれず、寝ることもできないんです。その他のことは俺でも出来るんですが、流石にその二つは男の俺じゃ不味いと思います。ということで、唯一この寮で女の綺羅星先輩が面倒を見るってことでどうでしょうか?」


 「却下だね」


 「却下」


 「そもそも、咲久野は野雫目以外の人は怖がってると思うんだよな」


 「それじゃ、咲久野の面倒を見るのは野雫目くんでけってー!!」


 「意義なし」


 「意義なし」


 そう言って各々自分の部屋に戻っていった。ていうか、佐倉先生。意義なしとかいっちゃダメでしょ。それでもあんたは教師か!!


 「光太、よろしくね!」


 彼女の笑顔に俺はおもわずうなずいてしまった。先輩方は自分達の世界に入ってしまい、次の話をどうするか、絵の書き方をどうするかなどを打合せしていた。佐久間も仕事があるといって部屋に戻っていった。取り残された俺と咲久野はどうしたらいいかわからなかった。そこでふと疑問に思ったことを聞いた。

 

 「咲久野は俺と風呂に入ったりするの嫌じゃないのか?」


 「最初は恥ずかしかったけど、光太なら大丈夫かなって思ってるんだ」


 「それならいいんだがな」

 

 「ていうか光太はへたれだから、私を襲わないでしょ?」


 咲久野は俺をバカにしたように笑っていた。こいつ、人の気も知らないで、よくそんなことを言えるな。ていうか、そんなことで男と風呂に入るのかよ。こいつ、もしかしてビッチか?それとも俺のことが好きなのか?と思ったがそれはないなと自分に言い聞かせた。

 散々自分に勘違いはやめろと言い聞かせた。こんな可愛い子が俺のことを好きになることなんて地球がひっくり返ってもありえない。


 「俺、風呂に入ってくる」


 着替えをもって、風呂場に移動した。


 「待ってよ!私も今行くから」


 咲久野も着替えをもって、俺のあとを追った。風呂では昨日も一緒に入っていたため、スムーズに洗うことができた。まあ、恥ずかしいのは慣れないんだかな。風呂に入り終わり、俺は部屋に戻った。

 ふと、さっきの歓迎会の時の話を思い出した。先輩方はやっぱり凄いな。この年でもう仕事しているなんて。しかもそれが成功してるなんてな。今の俺じゃ考えられないな。俺も、なりたいものはあるのだか、どーせなれないなと思い、諦めている。咲久野だって、声優になりたくて育成所にはいってがんばっている。そんな姿を見てると、俺はなにをしているんだって思うことがある。俺、全然成長してないじゃないか。そんなことが頭の中をぐるぐると回っていた。

 時間を確認すると、考えてから二時間もたっていたみたいだ。明日も学校があるため、俺は寝ることにした。


 

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