綺羅星先輩はやっぱり宇宙人だった?!
城々根の元に戻り、そろそろいい時間となったため帰ることになった。
やっと帰れる。流石に疲れたわ。
「先輩、今日は本当にありがとうございました! 相談にのってくれてありがとうございました! 」
「いや、気にしなくていい。俺は言いたいこと言っただけだしな」
「それでも、私は救われました! 先輩もたまにはいいとこあるんですね」
おい、なんだその言い方。その言い方だといつもはいいとこないみたいに聞こえてくるんですけど。なにそれ悲しい。
「ま、まぁ俺だってたまにはいいことくらい言うわ」
「そーですね! それじゃ先輩 またバイトで! 」
「おう。っとそうだ。これ、さっき買ったんだが、いらなかったら捨ててくれ」
俺はさっき買っていたヘアピンを渡す。まぁそんないい物を買ったわけではないしな。
「先輩が贈り物するとかって考えられないんですけど、何かあったんですか?」
「それ、さ、城々根に似合うと思ってな。悪かったな、キモかっただろ? 捨ててくれて構わん」
「い、いえ。キモくはないですけど、先輩が贈り物ってしなさそうだなぁ〜って思いまして。あ、あの、私は嬉しかったですよ? 勿論大事にします! 」
「そ、それならよかったが。まぁ確かに、誰かに物を贈るって事妹以外にした事はないな。なら、納得だわ」
「明日から、つけていきますね!」
「そ、そうか」
「はい! ありがとうございました! 」
「おう! それじゃあな」
「はい! 」
城々根が帰って行ったのを見送ってから俺も帰る。まぁそれなりに楽しかったし、こういう日もあってもいいなと思いながら俺は帰った。
寮に着くなり綺羅星先輩が玄関で仁王立ちしていた。それもバスタオル一枚で。
「あの、そこでなにしてるんですか? しかもバスタオル一枚で」
「さっきお風呂上がったばっかりだもーん! 後輩君の気を感じたから、玄関で立ってみた! 」
なにが玄関で立ってみた、だ。完全に痴女じゃないか。いや、この宇宙人ならありえるな。
「綺羅星先輩、そんな格好でいると風邪引いちゃいますよ? 早く乾かしてこないと」
「後輩君! この格好をみてムラムラしてきただろ? 今ならサービスしとくよ? 」
なにをサービスするんですかねこの宇宙人は。それに、いつものことすぎて溜息しか出てこないしな。
「別に結構です! それより、早く服きてください。あったかいとはいえ風邪引いちゃいますよ?」
「後輩君! この布の下には神秘な場所があるんだよ?! みたいとは思わないの?! 」
「綺羅星先輩のは結構です。そもそも神秘って何ですか神秘って。バカも休み休み言ってくださいよ、まったく」
確かにその下は神秘だけどな。
「なん、ですと?! 」
「ほら、早く着替えに行ってください」
「う、うん」
いきなりしおらしくなったがどうしたんだ? まぁ正直ムラっときたのはいうまでもないが、それを言うのも癪にさわるので、あえて言わなかった。
ていうか、俺以外の人が来てたらどうしていたのだろうか。まさかそのまま出るわけにもいかないし……いや、あの宇宙人ならそのまま出るな。なんならさっきみたいに仁王立ちしてるな。
今日も色々な事があったが、そこそこ楽しかったなと思う俺であった。




