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ぼっちな俺だがラブコメな日常  作者: こめっこぱん
毎日が大変で騒がしい
38/58

楽しかった一日も終わりを向かえていた

 「お兄ちゃん、早く歩いてよ」


 ほらほら、と手を振ってくる。それでも、これだけ人が入れば動きづらいのは当たり前で、急ぎたくても急げない。

 「そんなこと言われたって、人が多すぎて行けないんだよ」


 「もう、まったく。ならさ、手を繋いじゃえばいいんだよ!」


 この妹は何を言うかと思えば、手を繋ごう、だって。無理無理無理、こんな人が多いところで手なんか繋いじゃったら、恥ずかしくて死んじゃう。そのなかにクラスメイトなんかいたら人生の終わりだ。なんとしてでもそれは阻止しなくては。


 「流石にここで手を繋ぐのは不味いんじゃないか、彩菜。こんなところを友達にみられても彩菜が困るだろ?」


 彩菜が傷つかないように、やんわりと断る。


 「全然困んないよ?私の友達には、お兄ちゃんのこと沢山話してるしね!」


 妹よ。もしかして俺の悪口なんか言ってたりししないよね?俺がいても普通通りだけど、本当はいなくて清々してるとかって思ってないよね?思ってたら悲しい。そうだったとしたら、立ち直れないまである。

 目に見えて落ち込んでいる俺をみて、


 「大丈夫だよ。お兄ちゃんが思っているようなことは言ってないよ!寧ろかっこいいってことを皆に言ってるんだよ!」


 「そ、そうか」


 多分、彩菜の友達、俺の顔をみて幻滅するんだろうな。確かにお世辞にもかっこいいとはいえないしな。

 それでも、変なこと言われてなくて安心した。


 「ほら、お兄ちゃん。行くよ!」


 「ちょ、ちょっと待ってくれ」


 俺は彩菜に手を握られ、そのまま連行された。


 ーー最初は服屋さんにきた。メンズ用のところもあったが、今回は彩菜の服をみにきたため、関係ない。


 「これとこれだったらどっちがいい?」


 水色のワンピースとピンク色のマウンテンパーカーっていうやつを持ってきた。


 「どっちかっていうと、水色のワンピースかな」


 「なら、ピンクのパーカーの方を買うね」


 俺が選んだやつじゃない方を買うみたいだった。それ、買わないんなら、なんで俺に聞いたんだよ。無駄だったでしょ。


 「いやぁー、いいもの買えたね!さあ、次に行こう!」


 そう言って彩菜は歩きだす、!俺もそれにならい、彩菜についていく。彩菜が止まったと思ったら、そこは下着コーナーだった。


 「お兄ちゃん、ここによってもいい?」


 「別に構わんが、俺はなかに入らないで、ここで待ってるからな」

 

 「だめ、ちゃんと中に入ってよ」


 「いや、それでもなぁ。男の俺が入ってたらおかしいしな」


 「そんなことないよ!大丈夫だから、一緒にきてよ!」


 ここで話していても、他の人に迷惑がかかると思った俺は、嫌々中に入った。


 「そういや、なんで下着コーナーに寄ったんだ?下着必要なくね?」


 「私、今までスポブラだったんだけど、なんか最近胸が窮屈になってきたんだよね。だからこれをきに、ブラジャーにしてみようかなって思って」


 「なるほどな。尚更一人で選んだ方が良かったんじゃないか?」


 「最初はお兄ちゃんに選んで欲しかったんだよね!」


 なんて可愛いことを言っていたが、下着をお兄ちゃんに選んでほしいとか、将来が心配だ。他の人にこんなこと言うようになったら、お兄ちゃん、悲しい。

 そんなことを思っていると、彩菜が二つブラジャーを持ってきていた。


 「この水色のブラジャーと、猫柄のブラジャー、どっちがいい?」


 「猫柄の方かな」


 「わかった。これ、買ってくるね」


 「ちょっと待て、ほらよ。さっき服買ってお金余りないだろ?だからこれで買ってこい」


 そう言って俺は、お金を渡す。


 「ありがとね、お兄ちゃん!!」


 満面の笑みで俺にお礼を言ってくれた。それだけでお金を渡した甲斐があったってもんだ。


 買い物も一段落したため、家に帰ることにした。あまり遅くなるのも駄目だしな。しかも、寮に戻らないといけないしな。


 ーー俺たちは手を握ったままで、家に帰った。家に着いた俺は、自分の部屋に行った。この二日間、とても楽しかった。そのなかでも、妹に会えたことが一番嬉しかったかな。明日からまた寮生活に戻る。あいつらのこともどうにかしないとな。そんなことを思っていた。

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