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ぼっちな俺だがラブコメな日常  作者: こめっこぱん
毎日が大変で騒がしい
31/58

咲久野と水瀬に嫌われた日

 咲久野と水瀬は俺の帰りを待っていた。俺はその事を知らず、扉を開ける。すると、そこには咲久野と水瀬待ち構えていた。


 「どうしてこんなところにいるんだ?」


 「光太の帰りを待ってたんだよ!」


 「そうです!遅かったですね」


 随分と待っていたみたいで、心配していたらしい。


 「悪かった。少し本屋に寄ってたんだよ。そうだ、二人に話がある」


 俺は、いつもの態度じゃなかったため、咲久野と水瀬は驚いていた。それだけで大事な話だって事が伝わったみたいだ。

 俺は自分の部屋に戻った。それにつられ、咲久野たちも部屋にくる。早速話をするため、座らせる。


 「もう俺と関わらないでくれ。正直、うんざりしてたんだよ。毎回会うたび、顔をあわせてくれないしな。所詮、あいつらと同じってことなんだよ、水瀬は」


 「そんなことないよ......むしろ好きだから、顔をあわせれなかったんだよ」


 最後の方は聞き取れなかった。

 

 「咲久野だってそうだ。なんでもかんでもやってもらえると勘違いしやがって。なぁ、少しは自分で頑張ってみよう!なんて思ったことあるか?いや、あるわけないか。あったら今こうしていないもんな」


 俺は、人をバカにするように笑った。ここまで言えばもう俺に関わらないだろう。


 「そんな人と関わるのやめよ。私の友達をバカにするなんて許せない」


 水瀬は俺を睨んできながら、俺に言ってきた。その後、落ち込んでいる咲久野をつれて部屋を後にした。

 水瀬にだけは嫌われたくなかったが、無理もないだろう。あれだけ言えば嫌われるに決まっている。でも、これでいいんだ。あいつらの悪口を聞くのはくるものがあるしな。それに、俺と関わっているせいで悪く言われてるしな。


 「野雫目くん、さっき水瀬っちと咲久野っちが泣きながらきたよ?なんでかわかる?」


 そんな二人を心配したのか、綺羅星先輩は俺の部屋にきて、そう言った。


 「......別に、なんも言ってないっすよ。というか、綺羅星先輩には関係のないことですよ」


 「確かにそうかもしれない。けど、泣いてる後輩二人をほっとけないよ」


 「それでもです。なんならあの二人に聞いてくださいよ」


 「......わかった」


 渋々部屋を後にした綺羅星先輩は、咲久野たちの所に行く。

 珍しく普通だった綺羅星先輩に、少し驚いたが平常心を保つことができた。

 本当は俺だって嫌われたくない。やっと話せる相手ができたというのに、また一からのスタートになる。いや、スタートはもうないだろう。だが、あいつらが幸せに学校生活を送れればそれでいいんだ。俺と関わっているせいでいじめられるのは可哀想だしな。

 

 「一人でいることがこんなに辛いなんて思う日がくるなんてな。はは、なにがぼっちだよ。ぼっち失格だよな、俺」


 先程事情を聞きに行った綺羅星先輩が戻ってきた。


「野雫目くん。君って最低だね。あんな可愛い子達の悪口を言うなんてさ」


 「......」


 返す言葉がなかった。確かにそれだけ酷いことを言ったんだ。そう言われることは仕方ない。

 その後も綺羅星先輩はなにかを言っていたが、俺の耳には入ってこなかった。正直、今は誰にも会いたくない気分だった。


 「......今は一人にさせてください。お願いします」


 「......わかったよ」


 綺羅星先輩は渋々部屋を後にした。俺はお腹が空いているのも忘れ、部屋の片隅で落ち込んでいた。

 

 綺羅星先輩が去った後すぐに国見先輩がきた。国見先輩は俺の姿を見た後、なにも言わずに戻っていった。国見先輩はなにかを察しているような表情をしていたため、聞かなくてもわかったんだと解釈した。国見先輩が部屋を出た後、


 「短い時間だったが、咲久野と水瀬、こんな俺と仲良くしてくれてありがとな」


 誰にも聞こえないように言った。その後俺は、部屋の片隅で眠ってしまった。


 

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