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ぼっちな俺だがラブコメな日常  作者: こめっこぱん
毎日が大変で騒がしい
16/58

咲久野は意外と凄いやつ?!

 部屋を後にした俺だが、このあとどうすればいいかわからず、とりあえずうろうろしていた。まじでこのあとどーしよ。他の人のをみるわけにはいかないしな。とりあえず座るか。うんそうしよう。

 俺は近くにあった椅子に座り、学校に持っていっていた小説を読む。あまり学校では読む時間がないため、ゆっくり読むことができると思った俺は、集中して読むことにした。


 ーー読みはじめてから結構時間がたっていたのかぽつりぽつりと帰っている人もみてとれる。もうそんな時間になっていたのか。気づかなかったぜ。区切りもいいし、そろそろ読むのもやめるか。俺は、読んでいた本を鞄に入れた。そして今咲久野が練習しているところの部屋に向かった。

 今咲久野は台詞をつけた練習をしていた。その演技力に俺は、ただただ見ているだけだった。台詞をいれるだけで、こんなにも、迫力があるなんてな。ましてやあの咲久野だぞ。いつもあんなにびくびくしている奴だぞ?!その部分しか知らなかった俺は、咲久野のことを少しだけ見直した。

 咲久野はレッスンが終わったのか部屋から出てきた。


 「お疲れさん」


 「ありがとね!今日も頑張ったよ!」


 咲久野は嬉しそうにそう言ってきた。俺は、妹にいつもしているように、つい頭を撫でてしまった。それに気づいたおれは、咄嗟に謝った。


 「ごめん、いつも妹にしてる癖がでちまった」


 「別にいいよ。そんな嫌だった訳じゃないし......」


 小さい声で言われたそれは、俺には聞こえなかった。心なしか、咲久野の顔が赤くなっていた。そんなに嫌だったんですかね。なにそれ、ちょっと悲しい。


 「なぁ、さっきなんて言ってたんだ?」


 「ううん、なんでもないよ」


 悪口でも言われてたんですかね。やっぱり、知っている奴から言われると、いくら言われなれている俺でも、少し傷つく。やべぇ、目から汗がでてきそうなんですけど、どうにかなりませんかね?などと意味不明なことを思っている俺であった。


 「それじゃ、早く寮に戻ろうよ!」


 「お、おう。そうだな」


 不意に言われ少し焦った俺は、返事が少し遅れた。咲久野と俺は、声優養成所を後にした。


 ーー寮に戻る帰り道、俺たちは小腹が空いていたため、どこかによろうという話になった。夕飯時だったしな。丁度良かっただろう。寮で食べる必要はなくなったな。

 俺たちは近くのファミレスに入った。


 「ねぇねぇ、私どうだった?」


 咲久野が今日のレッスンの様子を聞いてくる。俺は、見て思った彼女に伝えた。


 「すげえなって思ったよ。いつもの咲久野を知っているからか、あの真剣な表情ははじめてみた。あんな顔も出来るんだなって思った」


 ほんとーは羨ましいとも思っていたんだが、それは言わなくてもいいか。


 「やった!ありがとね」


 彼女は嬉しそうにしていた。そんな姿をみて、俺もなんだか嬉しくなっていた。おかしいよな、自分が褒められていた訳でもないのにな。咲久野も変わったよな。最初会ったときはあんなにびくびくしてたのに、今は普通に話すことができてるんだもんな。俺なんて全く変わることができてないなんてな。はは、情けねーな。


 「ねぇ、どうしたの?そんなに考えて」


 「いや、なんでもねーよ」


 俺は、話を濁しメニュー表をみた。咲久野は話を濁されたのが嫌だったのか、ふてくされていた。少ししてから、咲久野もメニュー表をみていた。

 メニューがきまり、注文してくるのを待っていた。少ししてから、料理が運ばれてきたため、俺たちは料理に釘付けになっていた。

 

 「ねぇねぇ、美味しそうだよ!早く食べようよ!」


 「そう、だな。早く食べて帰るか」 


 俺たちはご飯を食べながら、話をした。

 

 「そういや、オーディションとかって受けないのか?」


 「うんとねぇ。確か今度オーディション受けることになったんだ~」


 「そうなのか。合格できるよう頑張れよ」


 「うん!でもさ、人気声優さんも出るから正直難しいかな」


 あはは、と苦笑いしていた。咲久野の表情はあまりパッとしていなかった。オーディションってそんなに大変なんだな。


 「人気声優さんも出るんじゃ、難しいだろうな」


 「そうなんだよねぇ、どうしよっかなぁ」


 「まぁ、本番で自分がもてる力を最大限発揮できればいいな。それでダメだったら、人気声優が受けたからだって思えばいいんだよ」


 「そうだね。その事聞いて、なんだか頑張れる気がしてきたよ。私、頑張るね!」


 「おう、頑張れ」


 「うん!」


 話に夢中になり、あまりご飯を食べていなかったため、急いでご飯を食べた。そのため、その後は話すこともなく、淡々と食べ進める。

 ようやく食べ終わり、俺たちは寮に帰る。明日から俺もなにかしら頑張ろうと心に誓った日であった。

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