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ぼっちな俺だがラブコメな日常  作者: こめっこぱん
毎日が大変で騒がしい
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声優養成所での咲久野は輝いていた

 朝になり、今日いつも通りの学校があるため、無理矢理起こす。あー、頭いてぇ。昨日ちゃんと寝たんだけどな。ゲームなんてやるんじゃなかったよ、まったく。俺の休日を返してくれよ。次は絶対ごろごろするんだ!そう心に誓った俺だった。起きてからそんなことを考えているうちに、咲久野も目が覚めたのか、起きあがった。


 「おはよう、咲久野」


 「おはよう!光太」


 いつものやり取りをしてから、俺たちは身支度を始める。着替えも咲久野がいても、今じゃ普通に出来る。彼女の下着を見るのには抵抗あるんだがな。それでも、一週間もたてばある程度はなれるんだよな。ほんと、慣れって怖いな。などと思っていた。朝食を食べ、俺たちは少し早いが寮を出ようとした。


 「いってやっしゃーい!間違っても、変な人にはついていかないんだぞ」


 綺羅星先輩がそう言ってきた。ていうか、いつからそこにいたんですかね。全く気づかなかった。


 「大丈夫ですよ。ていうか、変な人についていくわけないじゃないでしか」


 「それもそうだね。なら、道に迷わないよーにね!」


 「あのですね、もう一週間もこの寮から言行っているので、迷うわけないじゃないですか」


 「でもでも、何があるかわからない!」


 「もうその辺にしとけ。野雫目たちが学校に行けないじゃないか」


 国見先輩が綺羅星先輩の頭を軽くチョップして落ち着かせていた。やはりこの二人は仲がいいんだなと思った俺であった。

 先輩たちとのやり取りのおかけで大分時間がたったため、急いで寮を後にした。

 俺たちは学校に行く途中、休日の出来事について話していた。


 「なあ、一日中ゲームするのってしんどいよな」


 「わかるわかる!今度は程々にしようね!」


 「あの先輩が程々にしてくれるとは思わないんだがな」


 「だ、だよね」


 咲久野はあははと苦笑いしていた。俺も同じく苦笑いしていた。


 「そうそう、今日レッスンあるから、放課後送ってくれないかな?」


 「ああ、まあそれくらいなら別にいいけどよ。俺、どこにあるかわからんぞ?」


 「それなら大丈夫!私が案内するから」


 「それなら安心だけどよ」


 めんどくさいなぁ。まぁでも、一度声優養成所見てみたかったんだよな。だからよしとするか。  

 そうこう話してるうちに、学校に着いた。


 ーー俺はいつも通り教室に入り、自分の机にいく。周りからの目が汚物を見るような目だが、別に気にしない。もう慣れっこだからな。小さい頃からいじめられていた俺は、最初は悲しんでいたが、高校に入る頃には気にしなくなっていた。

 一時間目は英語だったため、俺は寝て過ごした。起きるともう昼時で、教室ではわいわいしながらご飯を食べている。俺もご飯を食べるために教室を後にした。

 午前中の授業、全部寝るとは思わなかったぜ。まあ、俺のことを起こしてくれる人もいないから、一度寝たら起きるまでそのままの状態なんだけどな。昼休みも終わり、後は残すところ午後の授業だけとなった。午前中は寝てしまったため、午後は頑張りますか。と思いながら授業をうけた。授業が終わり、俺は咲久野との待ち合わせ場所にいった。丁度咲久野も来たところだったみたいだ。


 「それじゃ、行きますか」


 「うん!」


 俺たちは声優養成所に向かった。俺は張り切っていた。といっても、咲久野を連れていくだけなんだがな。まぁ、建物が見れるだけでもよしとしよう。俺たちは東京にある咲久野が通っている養成所にいく。


 「ここだよ!」


 まさか、こことはな。いつも本買いに行くときに通る道にあったとはな。知らなかったぜ。


 「ここだったとはな。それで、何時頃にくればいいんだ?」


 「うーん、三時間位で終わるから、七時位にきてくれる?なんなら、レッスン見ていく?」


 「見てもいいのか?」


 「ちょっと聞いてみるから、待ってて」


 「了解」


 俺は咲久野が聞きに行ったため、その場で待っている。少し見てみたいと思っていた俺は、どうにか見れないものか、と思っていた。

 咲久野がこちらに戻ってきた。


 「見ていくのは大丈夫なんだってさ。その代わり邪魔だけはしないでくれとのことだよ」


 「了解」


 俺は内心嬉しかったが、表にはださなかった。咲久野が中に入っていくときに、俺は呼び止めた。


 「まあ、なんだ。その、頑張れよ」


 少し照れ臭そうに放たれた言葉は、咲久野にも届いていたみたいだ。


 「うん!」


 そう返事をして、咲久野は中に入っていく。俺も咲久野につづいて、中に入った。


 ーー部屋に入ると、様々な声優志望の子たちがいた。発声練習している人、台本を読んでいる人、また歌の練習をしている人もいた。皆それぞれの練習をしていた。咲久野は発声練習のところにいた。俺は、咲久野の元に邪魔にならないように移動した。

 咲久野の取り組む姿勢は、今まで見たことないくらい、集中していた。そこには一人で頑張っている咲久野の姿があった。


 なんだよ。一人でもこんだけ頑張れるんじゃないか。そういえば、前言ってたな。確か声優養成所では一人でも大丈夫だということを。咲久野を見ていると、輝いているように見えた。

 なんでも、事務所の人に聞いたのだが咲久野は意外と筋がいいみたいで、そろそろデビューできるかも知れないとの話であった。俺は凄いなと思った反面、悲しさもあった。夢を持っている者と持っていない者とではこんなに差がでるものなのか。そう思った途端、悲しくなったわけだ。頑張れと心のなかで思い、俺は部屋を後にした。

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