猫の王子――クレイオ・アーサーの物語――(短編)
※①死ネタあり
②中身空っぽ
③面白くない
④個人的に書きたくて書いただけ小説
見れたもんじゃないとだけは言えます。
それでも見てみたいという根性のあるかたはどうぞ…。
ある世界のあるところに白銀の毛並みに黒い瞳の珍しい容姿をした猫の王子がいました。
彼は魔力を持った魔法猫という珍しい猫でした。
ある時、猫の都のすぐ近くにある森の小さな丘に強力な魔力を持った魔物が現れそこに居た勇者パーティーが絶体絶命のピンチ迎えていた時
たまたま近くを散歩していた彼が勇者達を助けるべくその魔物を倒しました。
その実力を買われて勇者パーティーのリーダー、クラージュに勧誘され、彼は勇者パーティーの一員となった。
そして2年にも渡る魔王軍との戦いを経て、彼女らと共に魔王を封印しました。
しかし彼は勝利の宴を前にして勇者に何も言わず。静かに去ってしまいました。
猫は死期が迫ると一人で死に場所を探すと言います。魔法猫である彼もまた同じでした。
彼は魔王軍との戦いが終わる頃には4歳になっていました。
普通の猫は基本14歳まで生きられるのに対し魔法猫は7歳ぐらいしか生きられず…。
魔法を使えば使うほど魔法猫の寿命が縮まるため、彼は戦いで魔法を使った分3年早く寿命が来てしまったのです。
彼が死に場所に選んだのは勇者と初めて会った。
あの小さな丘の上でした。
猫はいろんな事を知れて幸せでした。
仲間といる喜びを知り、頭を撫でてもらう温もりを知りました。
彼はいつしか王として国をまとめる以外の道を示してくれた勇者パーティーのリーダー、クラージュを好きになっていました。
(せめて好きと言えれば良かったな…。)
彼は最後にすべての魔力を使い、地中からダイヤを引き出し自分と同じ位の大きさの四角い石碑に加工し、メッセージを入れました。
――四年という短い人生だった…。けれど充実した幸せな人生だった。
――クラージュ、幸せをくれた君へ、ありがとう…。来世こそは必ずや君と同じ種族に生まれ、一生を過ごそう、また会う日まで…。
―――クレイオ・アーサーより
――フラッ…
(もう駄目みたいだな…)
彼の意識は徐々に遠退き始め、ついに彼は立ち上がる力を失い倒れる…
――パフッ!
(あれ…? 柔らかい…? 地面じゃないのか…――クンクン…あれ? クラージュ?)
「――クレイオ! しっかりしろ! まだ宴は始まってない死ぬな! それに伝えたいこともあるんだ」
(ごめん…クラージュ…ああ…声でないのか…目も開けられないから君の顔が見れないや…。)
「――オイ! クレイオ頼むから…クレ…イオ…
――くっ…何で…何で…、嫌だよ…クレイオ…。
私はまだ…まだ…別れたくないよ…」
彼の五感と四肢の感覚は徐々に薄れ、そして抱えられた温もりでさえ感じなくなり…。
彼、クレイオ・アーサーは死んだ…。
クラージュは彼の存在の消失を紛らわす様に彼の亡骸を抱え泣き続けた。
そう…クラージュもまた彼が好きだった。友愛以上の思いを持っていた…。
それからしばらくしてクラージュは教会に入り、毎日神に祈りを捧げたという…。
来世でもクレイオに会えますようにと…。
40年後…クラージュもまた寿命により死を迎えこの世を去った。
寿命の壁が二人を引き裂いたこの悲愛の物語は、魔王封印伝説の裏物語の一つとして吟遊詩人達が広めていったという…。
...END。
猫の寿命とか習性は適当です。
ごめんなさいm(__)m