皇太子 ルードビッピ
「岡田さん」
そう私の名前を呼んだのはルードヴィッヒ・フォン・ドレイク、彼が私の未来の旦那様になる人らしい(これはあくまでの話)なんだどどうやら、マスコミの方々からは、婚約者扱いとされている。
「ルードヴィッヒさん」
そう答えるしかないんだけど、そんな私になぜか、優しいルードヴィッヒ、私たちは近々婚約を発表するらしい。何故、らしいなどという言葉が出るのかというと。実は、私には決定権がない。だから、婚約が成立すれば、どうなるか全くわからないのである。ごく一般のサラリーマン家庭に生まれた私、何の不幸かコンピュータに選定され、ルードヴィッヒと鬼ごっこをする羽目に、しかも、私が捕まえたんだけど、何故か結婚すると漏らしていたとか。これはマスコミの暴走です。といまさら言うことも出来ず、現在に至る。そして、最初の難関である。家族の顔合わせが始まっていた。
というよりひょっとしてこれはなんかのお話の世界に転生をしてきたのかもと思った方がまだましなのかもしれない。そう逃げたい気持ちでいっぱいなんだけど、現実は、甘かった。
顔合わせというより、私の両親には、NOという権限はないようであった。ただ、YESと言わざる得ない状況がそこにあった。圧倒的な科学技術の差、軍事力の差は、到底、覆すことが出来ないのは、事実だった。
「あとは、お若い方々二人で」
ということで、ルードヴィッヒと二人きりの状態となって、現在に至っている。これから何のらかのフラグでも立つのだろうか、だいぶ前にちょっと似たような話を聞いた記憶もあるけど、たぶんたいした記憶はない。ということは、何かでちょっと紹介されたくらいのものだろう。そうかといって、現実、目の前には、ルードヴィッヒという超イケメン男子が立っているんだけど、どうしたものか。話題なんか特にない。そう思っていると
「岡田さん。このまま結婚してください」
唐突な話に驚いている私
「ルードヴィッヒさん・・・」
言葉に詰まってしまうんだけど、どうしたものかと思っていると彼はある事情を話し始めた。
「実は、私には好きな人がいした」
「え?どういうこと?」
すると彼は、敵対する親の娘を好きになったとか、しかし、それは認められることは絶対にないそうで、相手の女性もそれが解っているからか、その後、彼とは会うこともなかったようだった。そして、このままだと、自分が一番苦手な相手と結婚させられてしまうというらしい。そして、彼の親が出した結論は、この地球を無血開城せよというものだった。
「だから、鬼ごっこを・・・」
「そうです」
しかし、彼の予想外だったのは、本来鬼であるはずのルードヴィッヒが私に捕まってしまったことらしい。
「しかし、その時、結婚、結婚と漏らしながら、逃げていたのをマスコミが嗅ぎ付けてくれたのは幸いでした」
そう言ってルードヴィッヒは、軽く頷いた。
「私にとっては災難でしかないんですけど」
「で・・・私としてもこの結婚が有意義であると確信いたしました」
スルーして、そんなセリフはく?やっぱりこれは、なんか変な世界に来てしまったの?と思っているとぼそりと
「ここで結婚しないと、地球が火の海になるかも」
「それって・・・脅しですか」
「そう取られてもいいですが、ここで結婚しておかないと。私も困るのです」
「でも、どうしてこの結婚が許されたの」
「それは」
話はまだ続くらしい