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7.毎朝の日課

 あぁ、眠い。


 カーテンから日が差し込んでいて、外が快晴だということが分かる。


 朝起きるとニュースをつける。適当にトップニュースを聞きつつ、母親が用意してくれた朝食を摂る。今日はトーストと、ベーコンエッグ、それに海藻サラダだった。


 朝食を食べながら、世の中で起きている情報を仕入れるのが毎朝の日課だ。ゾンビが登場してからニュースの内容もだいぶ変わったなぁと感じる。


 例えば、今やっているのは流行りのゾンビ安楽死法についてだ。不慮の事故でゾンビに噛まれてしまった人間は、ゾンビになってしまう。ゾンビとは現段階で意思の疎通ができないとされているため、ある意味脳死状態や植物状態になっている人間と近しい存在として認識されている。決定的に違うのは、他の人間を襲う可能性があるということだが。


 そのために家族などがゾンビになってしまった場合、特効薬もなくその目処も立っていない現在の状況においては、人様に迷惑をかけるくらいならいっそ死なせてあげたいと思うのも無理はないことだろう。


 ゾンビになってしまった家族・親族がいるからと言って、周囲の態度が変わるわけではないが、やはり他の人間を襲ってしまうとなると話は変わってくる。それよりはどこでどうやって感染したのか、ということの方が話題の中心である。


 これもニュースで見た事例だが、以前こんなことがあった。


 とあるSNSで盛り上がった一部のネクロフィリアの集団が、ゾンビを攫って空き倉庫に匿い、「秘密の遊び」として自分たちの欲を満たす色々を試したという事件が起きた。ここでは言えないような“色々”を試したらしく、その秘密の遊びの参加者は全員ゾンビになってしまった。噂が噂を呼び、最終的な人数は公表されなかったがその数は100とも200とも言われている。が、真相は明らかにされていない。


 この事件をきっかけに、人権団体が騒ぎ出して、ゾンビにも人権ができてしまったのだった。


 ゾンビに人権を与える。これは僕のシミュレーションを根本から覆す衝撃的な出来事だった。自分が生き残るためにゾンビは倒すべきものでしかないはずなのに、それに人権を与えてしまうとは。


 Zガンの使用自体、一部の人権団体は禁止するように求めているようだが、じゃあ僕たち人間の人権や安全はどうだって言うのだろう。


 数々のパンデミック作品において、そのウイルスが蔓延するきっかけは、動物愛護団体や人権団体の行き過ぎた正義によって引き起こされたと描写されることが多い。それはフィクションの話だけだと思っていたが、実際に彼らの行動を見ていると恐怖すら抱く行動があったりする。


 もう現実としてゾンビが存在している今、それがさらなる脅威につながらないよう動向を観察し、情報収集を怠らないようにせねば、と毎朝思っている。

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