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空の歌(スカイ・ソング)  作者: 碧桜 詞帆
六章 時が過ぎても変わらないもの
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70.†.~the hopeful gleam~

†.~the hopeful gleam~



「どうして魔法を使わない」

「魔法は好かん」

 双方の剣が闇夜の下で激しく交差する。武力は互角。もはや勝敗を決めるのはどちらが先に王手をかけるかだった。

「だがこれで対等だ」

 死闘において最も不要なその潔白さは、相手への同情というより己の生き方を固持するためにあるようだ。これで負ければ、軍師は騎士に対する心からの敗北を認めなければならない。

 長い長い接戦。その終わりを知らせる光は未だ昇らない。

 戦いの最中、先程言い放たれた騎士の言葉が軍師の中に残留し僅かにその心を揺らしていた。

「太陽でない光源など微々たるものだ」

「いいや。太陽こそグリームランドの光を具現化したものに過ぎない」

 それは虚勢ではなく、確信に基づく強固な断言。騎士のその自信はどこから来るのか、軍師は問わざるを得なかった。

「ならばそれはどこにある?」

 彼の言葉が真実とは限らない。けれど、そう信じさせる何かが確かにあった。

 騎士は左胸に拳をあて、真っ直ぐに答えた。

「グリームランドに生きる全ての人間の、心の中に」


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