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空の歌(スカイ・ソング)  作者: 碧桜 詞帆
二章 遠い日の憧憬
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14.他惑星からの侵入者

 そこには大きな壁があった。

 上下左右どこを見渡しても、どれほど離れて眺めようとも、その端は見えてこない。そもそも果てが存在するのかそれすら怪しい。壁は触れると水面のように波紋を描き、無色透明であった表面を白濁に変化させる。押せば感触が返ってくる程度には軟質で、それ故に物理攻撃をほとんど緩和させてしまう。生半可な方法では傷を付けることすら不可能だ。

 仮に破壊しようものなら、大規模魔法攻撃をぶつけるより他ない。

 その際限なき障壁の前には数千単位の群衆が立っていた。壁から一定の距離を開けて沿うように並ぶ数十名を除いて、あとの者は皆後方で整列したまま待機している。

 一人だけ、どちらの集団にも属さない人影があった。前列と後列の間で、壁を凝視したまま佇立している。その風格は明らかに他の者達とは異なっていた。皆その者の指示には忠実に従う様子を見せる。

「設置完了いたしました」

 壁に赤く発光した二重円が焼き付き、白く濁って蠢いた。前列に並ぶ一人の男が背後を振り返ってその者に告げる。

「やれ」

 壁の反応を鋭く観察しながら、その者は厳めしい声で短く言い放った。

 それを合図に、前列の者達が一斉に魔法を赤い円の中心目掛けてぶつけた。ぐにゃりと壁が歪む。それに畳みかけて赤い円が強く発光し、円内の壁を消失させて穴を穿った。

「ぐずぐずするな。長くは持たん」

 武装した数千という人間が次々と中へ入り込んでいった。


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