最強のスキル……?
(いくつでも見たスキルを自分のものにできる……?いくらなんでも強すぎやしないか?)
【スキル保持】―――他人のスキルを自分のものにできるという1人に1つのスキルという概念をぶち壊すスキルだ。
しかもこの神父が驚いて新スキルだと言っていた。
「ルイスも【スキル持ち】……!?」
「この世代だけで3人も出るとは……」
などが見に来ている町の人達から発せられる声だ。
そりゃそうだ。そもそも【スキル持ち】の人が生まれる確率が低いのに同じ代で、しかも同じ町から3人も出るとそりゃあ驚く。
第一、俺が一番驚いてる。
「やったね!ルイ!」
そう、シャルが俺以上に喜んでいる。
賢い彼女のことだ。おそらく俺が少しだけシャルに対して引け目を感じている事に気づいていたのだろう。
だからこそ俺がシャルと同じ土俵に立てたということに喜んでくれているのだろう。
その姿を横目に俺は思った。
小さい時に感じていたものはスキルがあることを知らせようとしていたのか。
……て言うかシャルに触れた時に身体能力が上がったと感じることも無かったな。
俺が大人になったからスキルも出たのかな、それとも時間制限とかあるのか?
これは要検証だな。
「……くん?ルイスくん?」
「え、あ、は、はい!」
「そろそろ下りようか」
そう言われて周りを見渡すとみんなが俺に注目している。
そのような状況に慣れていない俺は冷や汗がダバダバと流れ出す。
「す、すみません!」
そう言い、慌てて壇から降りた。
「いや〜ルイにもスキルがあったなんてね〜」
そうシャルがしみじみと言っている。
「いや、一番ビックリしてるのは俺だよ……」
そう本心を告げるとシャルは笑っていた。
そんなことを話していると、
「それではグラン、シャル、そしてルイスの3人は壇の上に登ってください」
と、神父が声かけていた。
「行こうか」
そうシャルに告げ、2人で登った。
グランは少し離れたところにいたのか、少し遅れて登ってきた。
グランは俺の方を見つめてきた。いや、睨んできた。
(これは睨んでる……いや見てる……?わからん)
俺は理解することを諦めた。
ほとんど同じタイミングでグランも自分の立ち位置に着いた。
(やっぱり嫌われてるなこりゃ)
そう思い、少し悲しいようなこれで良いのやら、不思議な気分になった。
「今年はここにいる3人がスキル持ちであることが分かりました。みなさま、盛大な拍手を!」
そう神父が声をかけると、俺たちに向かって拍手が送られた。
普段は拍手をする側だったのでものすごく新鮮な気分になった。
そんなことを思いながら、成人式は終わった。
とりあえず手探りしながら書いていきます。
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