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VRMMO VRってゲームじゃないの!?

 ゲームのサービスが開始してから十数年。今ではVRMMOというサービスもあふれていることもあって、プレイ人口はどんどんと減り、今では同時接続数数十人くらいしかいない。よくこの人数相手にサービスを継続させているものだと逆に感心する。


 ある日、大型アップデートが行われた。最後に大型アップデートが行われたのがいつだったのか分からないくらいの昔だ。きっと予算がないんだろうけど、やりつくしたゲームに少しでも新しい出来事が増えるのならいいことだろう。


 さっそくダウンロードし、ゲームに没入する。

 このゲームのコンセプトは、近未来国家。AIが人類に対して反逆し、それに対して人類は体に強化を施して対抗するという話。


 いつものログイン場所の街は、破壊された都市部だ。半分崩れたビルや高速道路が見える。そして、外に出ればAIのドローンやロボットが襲ってくるので、それを素手で倒すのだ。

 近未来的なのに素手なのは、敵に武器が効かないという設定のせい。それもこのゲームの人気の無さにつながっているんだろうけど、ステゴロが好きな人はずっとやってるからね。実際、俺も武器を使って戦うよりも自分の肉体で戦いたいからやっている。逆にこんな設定のゲームなんて見かけないしね。大抵、銃や剣や魔法で戦うやつばっかりだ。


「さーて、アップデートで何ができるようになったのかな?」


 そう思って、お知らせを開こうとして気が付く。あれ? 視界に何も表示されていないんだけど。いつもなら、目の端にいろいろなアイコンが並んでいて、開きたいと考えれば実際に開くというものなのに、それが一つも見当たらない。


「え? さっそくバグってる?」


 大抵、大型アップデートが行われたあとは細かなバグがあるのはつきものだが、さすがにログアウトすらできなくなるバグは致命的ではないだろうか。


「はぁ。まさか、タイムアウトまで待ってなきゃならないのか」


 タイムアウトは、自分で設定した自動ログアウトシステムの事だ。時間を忘れて遊ばないようにとか、用事がある時間を忘れないようにとか、結構使うシステムだ。俺はいつも1時間で設定している。疲れるし、それくらいでトイレに行きたくなるしね。


「1時間ぼーっとするくらいなら、自分の目で見てみるか・・・あれ?」


 遠くの方の空間が歪んで、そこから飛行機の様なものが出てきた。もしかして、アップデートのイベントがもう始まっていたとかかな?

 こちらに向かってくるのは、今まで見たことない敵だ。黒い槍の様な長い機体で、地面すれすれを高速で飛んでくる。いつものプロペラが付いたドローンや、いかにもロボットですっていうぎくしゃくした動きのやつとは全然違う、もっと未来的なシャープな感じ。


「っと、動けはするのか」


 イベントムービーか何かだと思ってたからじっとしていたけど、どうやら動けるようだ。見ると、黒い槍の機体の先端が分かれ、刃物になる。そのまま体当たりを受ければ、俺の体はバラバラになるだろう。


「けど、遅いね」


 高速とはいっても、それは一般人での感覚だろう。十数年ステゴロだけで戦ってきた俺にとっては、この程度のスピードは余裕で対処できる。


「よっと」


 俺は軽くジャンプすると、すれ違いに黒い槍の機体を殴りつける。地面に叩きつけられた機体は、爆発する。


「あれ? いつもと違うな。ポリゴンになって消えないのか。これもアップデートでリアル志向になったとかか?」


 いつもなら倒した敵はポリゴンになって消え、あとにドロップアイテムが残る。なのに、この黒い機体は爆発炎上するだけで、消えないしドロップも落とさない。素材は自分ではぎ取れっていう面倒な方面になったのならがっかりだ。


「えっ、ちょっ、なんであれを素手で倒せるのよ!」

「え。誰?」


 いつの間にか、未来的なスーツを着た女性が立っていた。この世界のプレイヤーは、体の一部を機械化したような見た目だから、ボディスーツみたいなタイプは見たことない。NPCか、アバターでも実装したのかな?

 そう思っていると、視界の端に数個の空間の歪みができるのが見えた。その中から、やはり飛行機が出てくる。さっきのと違い、先端が4股に分かれた槍のようになっていて、編隊飛行のように飛んできて隙はなさそうだ。


「どこか建物の中へ逃げるのよ! あれは、素手で倒すのは絶対無理よ!」

「そんなことないと思うよ? 見たことないけど、ゲームの敵でしょ」


 俺は一番先頭で突っ込んできた1体の槍を掴み、すぐ後ろの機体へと投げつける。2機は爆破炎上し、残りの3機が周りから同時に突っ込んできた。


「ドローンより早いけど、早いだけだね」


 俺は前面からの機体を蹴り上げ、左右の機体を掴み、お互いをぶつけて壊す。最後に、蹴り上げた最後の一機を殴って破壊した。

 それを呆然と見ていた女性は、ハッとしたように俺に話しかけてきた。


「一体、あなたは何者なの? それに、ここってどこなのかしら?」

「どこって、いつもの街だけど」

「それに、あなたは一体どこから来たの?」


 どこって・・・。あれ? そういえば、アップデート初日なのに他のプレイヤーが見当たらないな? 大型アップデートが行われた直後なんて、いつもよりプレイヤーが多いのが普通なのに。

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