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好きだった幼馴染に彼氏ができて失恋した俺が弁護士になるまで

作者: たんぽぽ

新作投稿しました。

『シンガポールからの愛という名前のプレゼント』

https://ncode.syosetu.com/n4078ia/

こちらもよろしくお願いします。


「私、先輩に告白されて今日から付き合うことにしたの。」


放課後、帰宅途中に一緒に帰っていた幼なじみから聞いたのは衝撃的な一言だった。子供の頃から近所に住んでいて、お互い一人っ子で、両親とも親しく、子供の頃の結婚の約束などはしなかったが、俺は子供の頃から好きで、いつかは恋人になるのではないかと漠然と思っていた。だが正直知っていた。 彼女、立花かおりは幼い頃からずば抜けた外見で人気があったが、俺は外見も普通で、ただ平凡な通りすがりの通行人1くらいのモブにすぎない。そして内向的な性格で、いじめはなかったが、教室の片隅の背景に過ぎない存在だった。


ただ子供の頃から知っていたというアドバンテージがあっただけ。 しかし、今まで彼女は親しい男の存在は俺一人だけで、俺たちはお互いに好きだと今まで思っていた。そう、勘違いだった。

そしてその先輩という人は、イケメンで学校で知らない人がいないモテ男。 初めから俺に勝算はなかった。


「そ、そうだね。じゃ、これからは誤解されないように距離を置かないと。急に用事ができたからこれで。」


俺、山田純平、高1、失恋した。


正直、今も家までどうやって帰ったか覚えていない。 気がつくと、いつの間にか夜で、ベッドに無気力に横たわっている俺がいた。ただひたすら目から水が流れ出るだけだった。俺が先に告白していたら、かおりと恋人になれただろうかという考えを絶えず繰り返した。


'告白する勇気もなかったし、結局幼馴染に振られた俺はこのまま死んだ方がいいんじゃないかな?'


今思えば本当に笑いながら話せるが、当時は本気だった。


そのようにベッドに横になって、とめどなく涙を流していたところ、ある本が目に入った。 ある女性弁護士の自叙伝。 俺の誕生日プレゼントとして両親がくれたが、読まずに本棚の片隅に置いておいた本を突然読んでみようという衝動に駆られ、思わず本を読み始めた。

正直、本の内容は衝撃だった。 本の著者はこんなに険しい人生を送ったのに、中卒の学歴で、困難を乗り越えて弁護士になったのに、俺は今ここで何をしているのか疑問に思った。

今まで何の意欲もなく生きてきた自分があまりにも恥ずかしくて、失恋したと思っていた自分を殴りたかった。


本を読む速度が速くなかった俺は、気がつくと、いつのまにか朝になっていることも知らず、それまで本を読んでいた。 週末だから学校に行く必要がないのが幸いだった。


「俺も努力すれば弁護士になれるんじゃないかな?」


自らの独り言にびっくりしたが、ふと俺もやればいいのではないかと思った。

幼なじみに対しては何の感情もないわけではないが、とめどなく泣いて、徹夜して本を読んだら、疲れているからか感情が冷めてしまった。


その日すぐ塾に登録してしまった。


失恋してから幼なじみとは疎遠になって、いや、自分で避けるようになって、どんな連絡も会話もなくなった。


塾の初日、隣の席に眼鏡をかけた地味な女の子が座っていた。 俺は無視することもないので、挨拶をすることにした。


「こんにちは、俺は山田純平です。 塾の初日なのでよろしくお願いします。」


女の子は一瞬びっくりしたようだったが、小さな声で挨拶を返した。


「こんにちは。大塚サラです。 どうぞよろしくお願いします。」


小説ならこの時から青春が始まるだろうが、そんなことはなかった。 急に塾に行くと、勉強に趣味がなかった俺は進度についていくのも大変で、隣の席の女の子は眼鏡を外せば美少女になる可能性はなさそうだった。俺も前髪を上げたらイケメンになる存在でもないし。ムネに執着したりラブコメのような状況が起きれば警察に連行されそうなモブなので期待もしなかった。


それとは逆に、努力した分だけ俺の成績は上がり始めて、1学期の期末試験の時は17位になった。

中間テストの時は平均ぐらいの成績だったので、自分自身が本当に驚いた。もちろん青春の展開などはなかったし、教室では背景であるのは変わっていないが、それでも夢に向かって進むことがとてもうれしかった。

なぜ俺の後ろの席や前の席にはオタクに優しいギャルがいなかったのか。俺はオタクじゃなかったけど。


幼なじみ?正直その日以来勉強がとても大変で全然気にすることができなかった。 連絡もなかったし。 幼なじみを思うとまだ心が悲しいことがあるが、もう冷めてしまった俺にはどうでもいいことだった。


時間はいつのまにか夏休みになり、俺は塾の授業が始まる前に席に座った。 ところが、普段会話がなかった隣の席の女の子が突然話しかけてきた。


「あの、この本好きですか?」


その女弁護士の自叙伝を指差してその女の子は尋ねた。その日以後もたびたびその本を心が苦しい度に読んだが、塾には持って行ったことがなかった。その本を塾に持って行ったのはその日が初めてだった。


「はい、この本を読んで、弁護士になろうと決心しました。」


その女の子は恥ずかしがりながら、小さな声で言った。


「この本、うちの母が書いた本ですけど。直接本についての話を聞くと恥ずかしいですね。」


俺は本当に驚いた。


「え?本当ですか?お母さんに会えますか? 本にサインをいただきたいのですが。」


幼なじみ以外の女の子と初めて連絡先を交換し(もちろんクラスメートの女の子は連絡用に登録したものはあったが)、弁護士の方に会って本にサインをもらった。 さて、この弁護士の方、お母さんと小学校の同級生だった。

小学校以後、母が他の地域に引っ越して連絡が途絶えたが、偶然旧友が書いた本を見て嬉しい気持ちで購入して俺に誕生日プレゼントとしてくれたのだった。

子供たちの縁で再会した二人は家族単位で交流を始め、もちろん俺もサラさんと個人的によく会うようになった。


さて、サラさん、男女共学ではない女子高に通う彼女はメガネを外せば美少女にはならなかったが、彼女も弁護士を将来の進路として頑張っていたし、恥ずかしがり屋で内向的だが、何事にも真剣に努力し、見れば見るほど魅力的な女の子だった。


その日はクリスマスイブだった。 なぜか両家の家族が集まって俺の家で夕食を食べていたが、弁護士さんが爆弾のようなことを言った。


「純平君はいつも頑張っていますので、将来はうちの娘と結婚してほしいです。」


今思えばただの冗談だったが、俺はあまりにも慌ててしまい言い返してしまった。


「あの、あの、サラさんと付き合いたいです。」


俺は自分が何を言ったのか気づき、とても恥ずかしくなった。 しかし、クリスマスイブだったからか、俺の舌は勇敢だった。


「最初は隣の席だったけど勉強が忙しくてどんな人なのか分からなかったけど、話もよく合うし、性格もよく合うし、同じ目標に向かって努力しながら惚れたというか…。サラさん、俺と付き合ってください!」


「はい!どうぞ宜しくお願いします。」


サラさんは顔に紅潮を浮かべて、恥ずかしくて手のひらで顔を隠しながらも、俺のとんでもない告白を受け入れてくれた。

両家の両親の前で告白をしたことに気づき、穴があったら入りたかったが、両親たちは暖かい目で俺たち二人を祝ってくれた。


冬のある日、塾を終えて一緒に帰りながら俺はサラさんに俺が何の理由で塾に登録することになったのか正直に話すと、サラさんは微笑を浮かべながら話した。


「立花さんに感謝します。 そうでなければ私は純平さんに会えなかったんですから。」


たとえ地味な外見の彼女でも、俺はもっと彼女のことが好きになってしまった。


冬休みが終わって、また学校に登校することになった。噂では、先輩が4人の女の子と同時に浮気をして、幼なじみとも別れたと聞いたが、もう俺には関係ない話だった。


そんなある日、勉強をしながら気分転換を兼ねて散歩をしていると、失恋した日からこれまで一度も遭遇したことのない幼なじみの母親と出会った。


「ひさしぶりだね。純平くん。 もしかするとうちのかおりの現状を聞いたことない? 彼氏と別れてからとても苦しんでいるのよ。 私はうちのかおりは純平君と付き合うと思ってたんだけど···。 今は疎遠になったことは知っているけど、もしかおりが声をかけてきたら聞いてほしいの。」


俺は率直に今になって何の話かと思ったが、分かりましたと答えた。


それから、数日後、かおりが俺に話したいことがあると言ってきて、今さら面倒だったが、約束をして、俺たちはカフェで会話をすることになった。


「私、先輩と別れてからずっと思ってた。 純平が私のことが好きだと知っていたのに、先輩の告白を受けて承諾してしまった。 本当に申し訳ございません。その時からずっと反省しているので、一度だけ機会をください。」


俺は呆れた。


「ねえ、立花さん、それはもうすべて過ぎ去ったことだから、俺はもう気にしません。立花さんも俺に謝る必要はありません。」


俺がそう言うと、立花は何を勘違いしたのか、明るい表情で言った。


「本当?純平君。 ありがとう。これから純平君にだけ尽くすよ。」


「いや、俺が言いたいことは。 あの時立花さんは先輩が好きで先輩を選びましたよね。 あの時俺は立花さんのことが好きだったけど、今はただ昔から知っていた知り合いで、好感も憎しみもないから。」


「えっ?」


女の子が立花さんしかいない過疎地域でもなく、路上を歩いていても歩いている半分が女性なのに、なぜ俺が心が変わらないと思うのか理解できなかった。

その時、立花さんの選択は間違っていなかった。 先輩がどんなに悪い男だったとしても、あの時立花さんは先輩が好きだったし、魅力を感じられなかった俺の代わりに先輩を選んだだけだ。立花さんに自由があるように、俺にも自由があるだけだ。


「それに俺には彼女がいるから、前のように無視はしなくても、ただ昔から知っていた知り合いぐらいの関係がいいですね。 立花さん。」


「えっ??嘘!!」


何が嘘だ。 幼なじみなら必ず付き合わなければならないという法が日本国憲法にでもあるというのか。なぜ俺を好きでもない女に今まで未練があると思うのか理解できなかった。最初は失恋の痛みで大変だったけど、それも時間が経てば忘れるだけで、人は前を向いて歩く存在だから。

多分こんなに急に俺に近づいたのは立花さんの友達が立花さんを煽ったんだろう。俺がまだ立花さんのことが好きだと思ったのかな。俺にはただ迷惑だった。人をあまりにも馬鹿にしているようで呆れた。


以前は知り合いの女性が幼なじみしかいなかったからだが、俺の行動で周辺環境が変わり幼なじみとは比べ物にならない良い女性に会っただけだ。

立花さんがどんなに美少女でも、俺と価値観も考えも違うし、最初から縁がなかった、それだけだ。


それから、幼なじみから俺に話をすることもなく、俺はサラさんと同じ大学に行って数年後無事に二人同時に司法試験に合格し、すぐにサラさんにプロポーズした。今は弁護士であり二人の子供の父親だ。

日刊順位19位(1月9日20時基準)ありがとうございます。

日刊順位7位 (1月10日10時基準) ありがとうございます。

日刊順位5位(1月10日13時基準)ありがとうございます。

日刊順位3位 (1月11日19時30分基準) ありがとうございます。

日刊順位1位(1月11日9時基準)ありがとうございます。

初投稿なのに日刊順位に入ってびっくりしました。笑

読者の皆さんに感謝します。


日本語が私には外国語なので、何度も直したのにまだ文章に変な部分がありますね。 変な部分があれば、誤字報告をお願いします。


誤字報告を確認しましたが、そんなに変な部分があったとは知りませんでした。笑

矯正してくださった読者の皆様、ありがとうございます。


タグにアンチテンプレについて話すと、努力はしたが筆力が足りなくて限界だった程度で。。。笑

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― 新着の感想 ―
アンチテンプレとは一体……どう見てもテンプレなんじゃが
[一言] 日本語ネイティブでないのに、これだけ書けるにのは素晴らしい思います。 私は逆に、日本語ネイティブなはずなんですが、米国での生活が長くて、日本語が怪しい者です。
[気になる点] タイトルに「が」が多い 好きだった幼馴染が彼氏ができて失恋した俺が弁護士になるまで 好きだった幼馴染に彼氏ができて失恋した俺が弁護士になるまで
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