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<リョウがス〇ナーサンシャインを放つための魔力増幅炉>
となった俺は、何度も何度も死んだ。増幅した魔力に耐えられずに体が破裂して。
しかも、アガルラ達による強化によって前回よりも勢いが強いのが分かる。いくら今の俺にとって<死>は<状態の一つ>でしかないとはいえ、これはなかなかきつい。
だが、ここにいる連中は、俺とアガルラ以外は、死ぬ時は死ぬ。ノーラはすでに死体だから関係ないかもしれないが、おそらく彼女を構成している術を超える力を受ければ崩壊するだろう。リシャールとシャミーレがギアルゲフに食われたことで一時的とはいえ形が変わってしまったことを見ても、もしかするとアガルラも魔王の力の前では再生できなくなる可能性はある。けれど、<死ねない者>である俺は、たぶん、そういう諸々と関係なく『死ねない』んだ。たとえどんなことがあろうともな。
だったら、俺だけがリスクを負ってないってことにならないか? 死ねないんだから。
それを考えると、このくらいはな。
そして、何十回目かの復元で、ついに俺の中に魔力が膨れ上がらなくなった。見ると、リョウの方が目から鼻から耳から血を流し、恐ろしい形相になってた。今のリョウで制御できる限界の魔力を溜め込んだんだろう。
「やれっ! リョウ!! やっちまえ!!」
リョウが意識を失いかけているのを察して、俺はハッパをかけた。
「っ!?」
瞬間、飛びかけた意識を取り戻し、
「ッス〇ナァアァァァア、サァンシャインッッッッ!!」
魂の咆哮と共に超圧縮した魔力の塊を、リョウは打ち出した。とんでもない圧力を秘めた<力>そのものが迸り、それが奔り抜けたところの空気そのものがプラズマ化するのが分かった。すさまじいオゾン臭が立ち込め、力が通り過ぎた下の地面まで溶解する。魔王までの距離約四キロをおそらく二秒ほどで到達し、
「伏せろおっ!!」
俺が叫ぶとアガルトライツとバグレスがリョウの体を崖下に引きずりおろし、その場にいた全員が地面に伏せた。俺の声が聞こえてなかった奴もいただろうが、本能的にヤバさを感じて身を庇ったんだろう。それが正解だ。
俺は『死ねない』から、その瞬間まで見届けさせてもらう。が、<ス〇ナーサンシャイン>が魔王に命中したと見えた瞬間、目が焼かれて何も見えなくなった上に、たぶん、発せられた熱線で体が燃え上がったんだと思う。
次に意識が戻った時には、俺も崖下に転げ落ちていて、空にはとんでもないでかさの<キノコ雲>が上がっていたのだった。




