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結果としてファダルフォンは倒せたから俺達の勝ちではあるものの、リョウは不満げだった。
とは言え、勝ちは勝ちだ。ざっくりと裂けた魔法少女コスを村の裁縫自慢の女性に応急修理してもらい、さすがに応急修理だったからいささか無様な状態ながら胸が丸見えになるような状態だけは何とかなって、村の産品を街へと運ぶ馬車に乗って、俺達は仕事を終えた。
見事ファダルフォンを始末したことで、村人達は感謝のパーティーを開きたいと申し出てくれたものの、俺は早く帰りたかったし、リョウは勝利に納得していないしでそんな気分になれず辞退したんだ。
「くっそう……! あんな奴に……!」
リョウはまだぶつぶつ言っている。まったく。めんどくさい奴だ。
「帰ったらまた次の依頼を探そう。次で気持ちよくぶっ飛ばせばいいさ」
俺はそう言って慰めた。本当はもっと、可愛げのあるやり取りをするべきところなんだろうが、いかなショタと魔法少女の組み合わせとは言っても中身がな。五十のオッサンと、ゲッ〇ー線に汚染され切ったドワォ脳じゃ、どう足掻いたってそうはならんだろ。
そんなこんなで街に戻り、ファダルフォンの首を証拠として冒険者ギルドに提出。ヴォーンローグ銀貨二百枚の報酬を受け取った。
俺とリョウの山分けという形になるから、一人頭百枚ということになってしまうが、
「はっ! あんなザマで報酬なんかもらえるか!」
と吐き捨てたので、俺の分とも合わせて、
<プリムラとリシャールとシャミーレの生活資金>
に回させてもらうことにした。
そして宿に戻ると、
「……!」
まだ声は戻らないもののプリムラが出迎えてくれたが、リョウの格好を見て、ギョッとした表情になってしまった。
だから俺は、
「ま、ちょっとヘマしてな。見ての通り今はピンピンしてるけど、服がちょっとボロボロにってことだ」
とだけ告げておいた。傷については回復魔法でもう大丈夫だしな。
すると、リシャールが、
「プリムラが、リョウの服を新しく作りたいと言ってるぞ」
と通訳してくれた。
「プリムラが? できるのか?」
思わず問い返した俺に、
「なんでも、プリムラは裁縫が得意らしいぞ。彼女が着てる服も自分で作ったものだそうだ。母親が元々裁縫が得意で、教えてもらったらしい」
リシャールがさらに通訳してくれる。
「ってことだが、どうする? リョウ」
俺の言葉に、リョウは、
「まあ、作ってくれるってんなら、ありがたいけどよ」
頭を掻きながら応える。
「私もお手伝いします」
事情を察したノーラもそう言ってくれて、リョウのための新しい、
<魔法少女コス>
が作られることになったのだった。




