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そんなわけで、とにかく<冒険者ギルド>に向かう。そうして、


「え~と、そちらがノーラさんで、こちらの方がリョウさんですね」


ギルドの受け付けで、登録を行う。ここでは本名も詮索されないし身元も訊かれない。ちゃんと顔を出してまっとうに手続きすれば誰でも冒険者ってことになる。


ちなみに<冒険者>とは言いつつ、まあ、やってることは<何でも屋>だよな。遺跡や迷宮の探索や、調査隊の護衛。商隊の護衛。旅人の護衛。酒場の用心棒。魔獣退治。と、この辺りはいかにもって感じだが、さらには、迷子探し。迷いペット探し。尋ね人探し。みたいな仕事もある。しかも、たまに、


『孤独死した住人の遺体を撤去する』


ってえ、前世じゃ<特殊清掃>と称されるような依頼もあるそうだ。


『それのどこが冒険だ!?』


と言う奴もいるかもしれないが、要するに、


『完全な<ならず者>にしてしまわないために、社会不適合者にも仕事を与えよう』


的な政策が生んだ仕事全般をまとめてそう称してるだけだから、まあ、厳密な意味なんてどうでもいいんだよ。


冒険者=ギリならず者じゃない。ガチの犯罪者じゃない。でも普通の職業には就けないタイプ。


って程度の認識でいいと思う。だから『同じ職場で同じ仕事を続けるのが嫌』ってタイプのも多い感じだな。


でも、さすがに、


『基本、子供にしか見えない男子&女子二人』


なんてパーティは珍しいから、少なからず訝し気な目で見られはしたが。


ちなみに、プリムラは冒険者として登録はしない。さすがにガチ子供は無理。取り敢えず<ノーラの妹>ってことにしておいて、


『妹を養うために冒険者の仕事が欲しい』


って設定にしておく。そして、今は、


<魔獣ギアルゲフの生首>


状態のリシャールとシャミーレも除外する。カバーをかけて見えないようにして、ただの荷物扱いだ。


で、ついでに旅の路銀を得るために仕事でもやりますか。


そんなわけで、依頼が貼り出された掲示板を見る。


「魔獣退治……商隊の護衛……遺跡探査の護衛……引越しの手伝い……迷いネコ探し……」


一通り見て、


「ま、引越しの手伝いが無難かな。力仕事なら俺達の得意分野だし」


俺がそう言うと、リョウが、


「つまらん! もっと派手なのやろうぜ! 魔獣をぶっ殺せるのがいい!!」


とか物騒なことを言い出す。まあ、こいつがそんな感じのことを言い出すのはそれこそ想定内だが。


「あのなあ、プリムラ連れてその手のはやりにくいだろ。ここまでだって、プリムラを守るためにノーラを付けておいたりして、戦力が揃わなかっただろうが」


言ってやったのだった。



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