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『自分が死んだら好きにすればいい』


ノーラを作ったマッドなジジイはそう言ってたそうだが、だからこそ、


「旅に出る前に、マスターの指示を遂行します」


彼女はそう言った。放し飼いになってた<試作品のゴーレム>を取り敢えず全部始末するということだろう。彼女の能力を確認するために行ってたことだそうだし。


で、<試作品のゴーレムが放し飼いになってる場所>に行って、彼女は片っ端から倒していった。


まずは、分かりやすいストーンゴーレムだった。初期の試作品らしい。ここまでたまたま遭遇しなかったことで残ってたんだろう。


全高三メートルほど。重量はまあ、五トンってとこかな。ゲームとかでもよく見かける感じのプロポーションで、基本、自身の体格を活かした物理攻撃だけのもののようだ。材料はおそらく、屋敷を作る際に削り出された(れき)だと推測。それを魔法によって繋ぎ合わせて成型し、人型ロボットを思わせる二腕二脚のゴーレムに仕立て上げたものだと思う。


動くたびに礫同士がぶつかり合ってこすれ合って、ガリガリゴリゴリやかましい。


戦闘時にはそれ自体が相手に対する威嚇にもなるとしても、日常的に近くをうろつかれたら五月蠅くて敵わないだろうな。で、早々にお蔵入りになったと。


このくらいなら、たぶん俺でも武器さえあれば何とかなりそうだ。だから、ノーラにとってはそれこそ人形を壊すよりも造作もない。


ストーンゴーレムが右手で殴りかかってきたところに自分も左の拳を叩き付け、粉砕。ストーンゴーレムを構成している魔法よりも単純にノーラのそれが圧倒的に上だったことで、その部分の魔法自体が崩壊したんだろうな。


しかし、漫画やアニメではよく見られる表現がこうやって目の前で繰り広げられると、さすがの迫力だ。何より、十代半ばくらいの生身の女の子に見えるノーラが、全高三メートル推定重量五トンのストーンゴーレムを圧倒してるってのが最高にイカれてる。


で、ストーンゴーレムは、知能も感情も持たないらしくて自分の右手がぶっ壊れたことにも怯まず今度は左手をぶつけてきた。これだってもちろん、普通の生身の人間なら一トン以上の岩石が自分目掛けてぶつかってきたようなもんだから、躱す以外に生き残る方法はない。こっちのタフな人間達でもこれは無理だ。俺だって潰れる。


なのにノーラは無表情なまま右の拳を繰り出して同じように粉砕。ガラガラと大量の礫が自分に降り注いでも意に介さず、トン、と地面を蹴って跳び上がり右足を叩き付けると、破裂するかのようにストーンゴーレムの胴が吹っ飛んだのだった。



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